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担当さんにボソッと言われていた事に気づかない私は、せっせとやりとりを済ませて、一安心。
「では、これで、失礼します。 胡桃先生?」
「はい。」
「執筆の妨げになるようなら、ご連絡、くださいね。」
「…は、はぁ。」
「最後に、もう一度、お聞きしますが、あの男性とのご関係は?」
私は、ポカンとして、担当さんを見る。
関係?
また?!
なして――!!
と、思いながら、「先輩と後輩なだけです!」って返した。
担当さんは、ちょっと、眉をさげて、そうですか、と答えると、少し残念そうな顔をし、帰っていった。
な、なんなんだ―
一体、何を言いたいのだろう?
そんなこんなで、疲れた私は、玄米茶が飲みたくなり、ダイニングに向かった。
ダイニングのドアを開けようと、手を伸ばすと、中から声が聞こえる…
仕事の電話かな?
邪魔したら、悪いよね、と思った私は、部屋に戻ろうと踵を返す。
すると、ダイニングのドアが開いた。
「もう、お仕事、終わったのかな?」
先輩がドアを開けて、佇んでいた。
「はい。 終わったので、お茶を飲みたいな、と…」
「じゃあ、用意するね。」
「いえ! 電話中だったのでは?」
「あぁ、大丈夫だよ。 俺も一休みしたいと、思ってたから……」
そう言って先輩は、キッチンでお湯を沸かし始める。
人様の台所なのに、様になってますね〜
私がボーっと見ていると、座れば、と言われる。
イスに座ると、鼻腔にホワッといい香りが届く。
玄米茶の香りだ――
私の前にそっと差し出された玄米茶に、思わず顔がゆるむ。
うん、いい香り。
そんな私を嬉しそうにみつめる、先輩の顔が目に入った。




