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「先輩、話があります。とりあえずは、イスに座って下さい。」
ボーッと突っ立ってた俺に長峰は、ダイニングチェアを指差す。
言われるまま、俺はイスに座ると、
「先輩、この家の事、他言無用でお願いしますね。」
「…? それは、君がい『わかりましたか?!』」
俺の言葉に長峰は遮ると、「イエスでお願いしますね」と、怖い微笑みを浮かべた。
それでなくても……ブツブツ、となにやら、言ってる長峰。
ほ、ほんと、俺、何かした〜?!
心の中で、またもや、ため息。
そんな心境を知ってか知らずか、長峰は、話し出した。
「先輩、これから、どうしますか?」
「…?」
「ミーさん、たぶん、夕方まで、起きないと思うので、このまま、帰るか、どうするのか、と思いまして。」
そう言って、ジーッと突き刺すような視線を向けてくる。
「……長峰さんは、どうするの?」
「……」
俺は、ニッコリと微笑むと、ハア〜〜、と特大のため息が返された。
「誠に不本意ですが、夜勤があるので、帰らないといけないのです。 そうなると、少し問題ができるのです。」
「…問題?」
「鍵です。 私達が家を出る時、鍵を掛けて出た後の事を考えると、ね。 それに、さっきまで、海にいたのに家のベットに寝てる状況も説明しないと……」
そう言ってため息をつく、長峰。
へぇ〜、意外にもいろいろ、河森の事、考えてあげてるんだ。
「じゃあ、俺がその役、引き受けるよ。 この後、予定は、ないし。」
俺は、そう言って、ニコリと笑った。