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「ねえ、あそこに、人が倒れていない?!」
しばらく歩いていると、メンバーの一人が前方を指さし、声を上げる。
目を凝らして見てみると、砂浜に人が倒れているのが見れた。
―死体か?
その時、メンバーの一人が駆け出す。
確か、前に看護師をしていると、言ってたかな…
なんとなしに俺も、駆け出す。
倒れてる人に近づいて、先に着いてたメンバーに声を掛けようとした時、
「ゲッ!? 先生?!」
女性らしからぬ発言に??
呆気に取られていると、女性は、しゃがみ、倒れている人の顔をペチペチと叩いて、
「先生! 先生! 起きてください! ここは、ベッドじゃないですよ?」
という。
先生?
知り合いか?
そういえば…
大学時代、彼女が、『先生』と呼んでいた人物がいたな……
まさか?!
ハッとした俺は、倒れている人物の顔を注視する。
「う〜ん、なぁに? ムニャムニャ……」
途切れていた寝息がまた、始まっている…
起きそうにないな、これは。
「長峰さ〜ん、大丈夫?」
残りのメンバーが近づいて来て、声を掛ける。
すると、呼ばれた彼女は、自分の背に寝ている人物を隠すようにするとニコリと笑った。
「大丈夫! 知り合いだったから、ついててあげようと思うから、みんなは、気にせず次の場所に行って? 私は、ここでお暇するわ、ごめんね。」
「ユイちゃん、離脱するの?」
手を合わせてゴメンねをする、長峰 唯。
そんな様子を見ていた俺は、思わず、
「悪いね、僕もここで失礼するよ。」
と、口を開いていた。
「ゲッ。」
声をした方を見ると、嫌そうな顔をした長峰が顔を背ける。
ははは…、き、嫌われているな……
「宮永先輩まで、いなくなるのですか?」
メンバーがざわつき始める。
俺は、ニコリと笑って、
「後の事はよろしくね。」
そう言って、幹事を見る。
促された他のメンバー達は、しぶしぶ、この場を去っていった。




