ちゃっかりもの
僕の名は「翔悟」
身近にありふれた響き
高校二年の夏
日々の中
友と笑い
汗を流し
初恋というやつに出会う
「ミーナ」
ちょっと変わった彼女の名前
カタカナからハーフかと連想するが
彼女は生粋の日本人で
綺麗にカーブした高い鼻が
それを曖昧にさせる
見つめられれば
それだけで
何もかもが
溶けて
柔らかい手を
繋いでいる
時間は宝物
カフェでの語らいは
ミルクが多めで甘ったるい世界へ連れて行く
勉強の合間に
二人揃って
くだらない○×クイズを出し合って
どっちが先に笑い出すか試していた
きっと
冷え切る前に
あらかじめ
温めておいたベッドを用意しておくみたいな
周到さを身に着けていたんだ
知らぬ間に