シンデレラを探す者※閲覧注意
夜のエフィシェンカ王国のある街にて、一人の女性が夜道を歩いていた。
「すみません。少しよろしいでしょうか」
後ろから声をかけられ、女性が振り返ると、そこには仮面をつけた黒髪でシルクハットを被った背の高い青年が立っていた。
「な、何かご用かしら……」
女性は警戒しながら、そう問う。
「おっと、驚かせて申し訳ない。実は頼みがあるのですが……この靴を履いてみてもらえないでしょうか?」
そう言って布に包まっている物を取り出し、布を取り外して女性に見せたのは
宝石のように輝くガラスでできた美しい靴だった。
「まぁ……!なんて綺麗なの……!こんな高価なもの本当に履いてもいいの!?」
「もちろんですとも。さぁ、足を出してください」
ガラスの靴に目を奪われた女性は、青年に言われるがまま片方の足をガラスの靴に通した。
しかし、靴の大きさが合わないのか女性の足は入らなかった。
「あら、入らないわ……」
「そうですか……残念です。今度こそ出会えたと思っていたのに」
「えっ?」
サッーーー
次の瞬間、男が目にも止まらぬ速さでナイフを取り出し、女性の喉元を切った。
そして切られた喉元から噴水のように血が吹き出し、女性はヨタヨタと後ろに下がりそのまま倒れる。
「ガッ……ゴポッ……!」
口から血を出しながらビクビクと痙攣を数回繰り返した後、女性は動かなくなった。
コートのポケットからハンカチを取り出し、ガラスの靴にかかった女性の血を拭い、青年は深い溜め息をつく。
「これで5人目……やはり平民ではないのか?」
そして青年は綺麗になったガラスの靴を布に包んだ後、目を開いたまま動かなくなった女性をじっと見つめた。
「中々美しい目だ。アクアマリンのように綺麗な色で指輪の装飾に丁度いい」
すると、青年は医療用のメスを懐から取り出し、メスを女性の右目に突き立て目玉を抉り出した。
「そうだ!もし彼女を見つけられたら、これをプレゼントにして渡そう!きっと喜ぶぞ!」
取り出した水色の目玉を月明かりに照らし、青年は仮面の下で不敵な笑みを浮かべた。
「待っていておくれ、
僕の愛しい"シンデレラ"ーーー」