シンデレラに転生しました!2
ここはエフィシェンカ王国というところで、どうやら私はこの国の貴族の令嬢らしい。
私は……というかこの体の本来の持ち主のシンデレラは平民の女性と貴族の男性の間から産まれた子で、継母と姉と暮らす前はそれはそれは幸せな暮らしをしていた。
だけど、突然母親が病気で他界し、その母親の後を追うように父親も死んでしまった。
そこにやってきたのがあの継母の"ロゼリア・ファリスティ"とその娘、"メリッサ・ファリスティ"だ。
二人は平民から産まれたシンデレラを嫌い、沢山の仕事を押し付けたり陰湿ないじめをしたりした。
何だか私の知ってるシンデレラとは微妙に違うような気がするけど……まぁ、細かい事は気にしなくていっか!
私はシンデレラライフを過ごせればそれでいいのだから!
「おい!シンデレラ!」
お屋敷のロビーを掃除していると、ズカズカと顔が整った金髪の青年が歩み寄ってきた。
「お前またメリッサに嫌がらせしたそうじゃないか!よくもメリッサの部屋のベッドにムカデを忍ばせたな!」
この人はメリッサお姉様の実の兄、"クラウス・ファリスティ"。
クラウスお兄様はメリッサお姉様の事を溺愛しているシスコンイケメンだ。
いやはや……怒ったお顔もこれまたイケメン!
さすがは貴族一のウルトラスーパーイケメン!
自分の妹を大切にするお兄様は本当に素敵です!
「おい!聞いているのか!」
「はっ!す、すみません!お兄様!」
いっけな〜い!
お兄様のお顔に見惚れて話し全然聞いてなかった〜!
「まったく、メリッサがお前より美しいからって、嫉妬は見苦しいぞ。そんなでは、いつエドガー殿下から婚約破棄されてもおかしくないだろうな!」
「へ?婚約破棄?」
私、婚約者がいたの?
エドガーって誰?
「クラウス!そのくらいににしときなさい!」
カツカツと赤いドレスを身に纏った継母、ロゼリアお母様が歩いてきた。
「お母様!コイツはメリッサのベッドにムカデを忍ばせたのですよ!それなりの罰は必要です!」
お兄様は私を指差してそう言う。
「罰なら後でいくらでも与えるわ。それよりもシンデレラ。もうすぐエドガー殿下がお越しになるわ。さっさと準備なさい」
「えっ!?今日来るんでしたの!?」
「そうよ!まさか忘れていたの?はぁ〜、これだから下民の子は嫌なのよ……分かったらさっさとその見窄らしい格好をどうにかなさい!」
「は、はい!」
私はそう言って、急ぎ足でその場を後にし屋根裏部屋に向かっていった。