シンデレラに転生しました!1
「シンデレラ!廊下の掃除と屋敷中の窓を全部拭いて綺麗にしなさい!サボったら承知しないからね!」
「洗濯もお願いね!」
ニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべて、姉はシンデレラに洗濯籠に入った大量の洗濯物を手渡す。
普通ならこんなに沢山の辛い仕事を押し付けられれば誰でも嫌であるはずだが、シンデレラは違った。
「はい!精一杯やらせていただきます!」
キラキラとしたとびきりの笑顔でそう答えるシンデレラに、継母と姉は一瞬驚いた後怪訝な表情を浮かべた。
さーて!早速お仕事開始だ!
そしてシンデレラは、早速仕事に取り掛かった。
まずは長い廊下の掃除。
ちなみにモップではなく雑巾のみである。
「ふぅ〜……決行疲れるな〜。でも筋トレにはいいかも!」
しかし、シンデレラは嫌な顔せず難なくこなした。
廊下の掃除が終わった後は、大量のドレスの洗濯。
「お洗濯♪お洗濯♪ランララン♪」
しかしシンデレラは、それも嫌な顔せずに楽しそうに歌いながら全ての洗濯物を洗って干した。
洗濯が終わったら、次は屋敷中の窓拭き。
窓拭き用の雑巾で窓を丁寧に拭いて、やはりシンデレラは嫌な顔をせず鼻歌を歌いながら次々と窓を綺麗にしていった。
よし!後もう少しで窓拭きが終わるぞー!
「きゃっ!」バシャァ!
「!どうしたの!?」
声がしたほうを見てみると、綺麗にした廊下の床が泥水で汚れていた。
わぁ〜!!せっかく綺麗に掃除したのに〜!!
とほほ……また掃除しないと。
「あ〜ら、ごめんなさいシンデレラお嬢様。泥水を捨てようと思ったら手が滑ってしまいました」
「クスクス」
ずーんと落ち込むシンデレラにニヤニヤと馬鹿にした笑みを浮かべたメイドがそう言った。
明らかにメイドがわざと廊下を汚した事が誰でも分かる状況だが、シンデレラは違った。
「まぁそうだったの!大丈夫?服は汚れていないかしら?」
「えっ?は、はい……」
「そう!よかった!失敗は誰にでもあることだからあまり気にしないでね!それに私掃除大好きから、何度でも汚しても大丈夫だからね!えへへ!」
「っ!」
ニコリと無邪気な笑顔をメイドに向けるシンデレラ。
嫌がらせが全く通じていないシンデレラにメイドは悔しそうな表情を浮かべ、その場から立ち去っていった。
「さてと、お掃除お掃除!」
そしてシンデレラは、泥水で汚れた床を綺麗に掃除した。