5話 さくらんぼの季節も 終わりです
『百姓百姓』
「何ですか鳥さん」
『あかい実なくなった。たすけて』
「もう終わりですからねー、あとは畑の虫とか食べててくださいねー」
『あっちの木は』
「もう全部もいで出荷しちゃいましたよー、もうないですよー」
『むー』
「買ってきた鳥の餌もありますよー、食べますかー」
『たべる』
「さあどうぞー、サクランボとどっちが美味しいですかー」
『あかい実がうまい』
「ふふふー、ですよねー。また来年実がなりますからねー、それまでいなくならないでくださいねー」
『鳥はどこにもいかないぞ』
「そうですねー。ところで鳥さんってオスですかーメスですかー? ってどんな答えが来るか予想つきますねー」
『オスとメスってなに』
「やっぱりですねー。んー、ムクドリってどう見分けるんですかねー、というかオスメスの概念からの説明ですかねー、とりあえず卵産むのがメスで産まないのがオスですよー」
『タマゴってなに』
「まさかの鳥さん、自分でもオスかメスか分からないとかですかねー。まあそのうち分かりますかねー」
『百姓はオスか?』
「失礼な鳥ですねー、メスですよー、ピチピチですよー」
『タマゴうむの?』
「おっとそう来ますかー、ヒトですからねー、産まないですよー」
『じゃあオス?』
「話聞いてましたかねー、メスですよー、女の子ですよー、これじゃあバカ鳥と呼ばれてもつつく権利ないですよー」
そんな7月 なかごろでした。