4話 妹 鳥さん 話せません
「鳥さん鳥さん」
『なんだ百姓』
「妹を連れて来ましたよー」
『いもうとってなに』
「妹はですねー、妹っていうのは、あれ、妹って何でしょう」
『どうした百姓』
「なにやってるのお姉ちゃん。本当にこの鳥と話できてるの?」
「出来ますよー、妹にはわかりませんかねー。試しにちょっとバカ鳥って言ってみるといいですよー」
「なんでバカ鳥?」
「いいから言ってみてー」
「んー、じゃあバカ鳥さんバカ鳥さん」
「ふふふー」
『つつきたくなったぞ』
「おお、お姉ちゃんの肩に止まった。……頭突かれてるけど大丈夫?」
「痛い痛い、何で私を突っつくんですかー」
『バカドリと聞くとつつきたくなるぞ』
「言ったの妹じゃないですかー、妹を突いてくださいよー」
『だれが言っても百姓をつつくぞ』
「うーん、通じ合ってるの、かな?」
「うう、ひどい目にあいました。じゃあ他の木は来年からハウスで覆っちゃいますけどこの木は鳥さんに残しておきますからねー、妹も覚えておいてくださいねー」
『バカドリってもしかしてバカな鳥っていみか?』
「ところでお姉ちゃん、話の流れから察するに、私を突かせようとしてたんだよね。またお姉ちゃん突かれてるけど当然の報いかな」
「痛たた、ごめんなさいー」
『百姓め。つつくぞ。百姓め』
そんな6月 おわりごろでした。