表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/47

すべての人の心に花を-46

 「さて、話はついたようだ」

園長は静かに告げた。

「岩崎さん。私は、立会人として、いまの緑川先生の申し出をお勧めします」

「あ、でも…」

靖江はかすかに否定しようとした。しかし、由起子が睨み続けている前では、言葉は続かなかった。

「岩崎さん」園長は靖江に向かって話し掛けた。「実は、こういう話になると、思っていたわけではないんですが、まぁ、大事な話になるだろうと思って、いまの会話を録音させてもらっています」

靖江は、はっとして園長を見た。由起子も驚いて園長に視線を向けた。

「事の是非は、いまは問わないで戴きたい。許可を戴かずに録音するのは、盗聴になります。盗聴がよくないことだとは、重々承知しておりますが、まさか、こんなことになるとは。

 それで、いまの経緯が、全部、録音されている。このまま、証拠として、警察や児童相談所に持ち込んでもいい。あなた方のやってきたことは、立派な児童虐待です。つまり、犯罪なんです。許されないことなんですよ。わかっていますか?」

靖江は、観念したように、頷いた。

「私に、裁量権があるとは、思っていません。しかし、ひとつだけ提案できます。あなたは、親権を放棄するべきです。あなたに、親権を行使する資格はありません。勿論、あなたに、しのぶさんと会ってはいけないと言っている訳ではありません。いつでも、会えるときには、会えばいいでしょう。しのぶさんが望むのであれば。ただ、あなたが、親として、しのぶさんの養育には携わるべきではない、と言っているだけです。子供の人権を保護できなかったあなたは、親であることを放棄してしまっているのですよ。そうではありませんか」

靖江は、暫し園長の顔を見つめると、うなだれるように、静かに頷いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ