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すべての人の心に花を-41


         *


 園長室に入った由起子は、瞬時にその場に靖江と矢島がいるのを見て取った。

「お呼びですか?」

園長は由起子に座るように促した。由起子は、靖江と矢島に会釈して腰掛けた。

「こちらの方たちが、緑川先生に用があるということなんだが」

靖江と矢島は頭を下げて挨拶した。

「申し訳ありません。お仕事中、お忙しい中、お呼びしまして」

矢島は、今までにない恐縮した面持ちで由起子に話し出した。

「実は、昨日、私の知り合いが、こちらに来て、無理やりしのぶを連れ去ろうとしたということで、お詫びに参りました」

「はい?」

「いえ、悪い連中ではないんですが、なにぶん思慮の浅い連中でして。まぁ、私もいけなかったんです。しのぶちゃんに帰ってきて欲しい、なんてことを、酔った勢いで愚痴ってしまったもんですから。靖江のやつも、随分心配してて、つい、そのことも話してしまって。あいつらも、それを聞いて、私のために、なんて、でしゃばって無理に行動を起こしたようです。すいませんでした。こちらの学生さんにもケガをさせたということですが、大丈夫でしょうか?」

「ええ、幸い、大事にはいたっておりません」

心配そうな顔を向ける矢島に、由起子は、腹のうちでは舌を出しながら、しゃあしゃあと答えた。しかし、矢島は大げさなふりをしながら安心してみせた。

「そりゃあ、よかった。一時はどうなることかと思いました」

靖江はじっと黙ったまま、二人のやり取りを見ていた。まるで、台本があるようだと、由起子は思った。


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