96話
浅沼たちは強敵の怪物を倒し、目の前の扉を開いた。
すると、目の前に堂々と足を組み玉座に座っている1人の男がいた。
「お前が魔王か?」
「そうだ」
「あ、貴方はケンジさん...」
美奈は魔王の正体を見て、知っている顔に驚いていた。
多少、頭に黒いツノが生え、黒い服をまとっていて一瞬わからなかった。
「どうやら、あやつはケンジの身体を媒体に復活したようじゃの...」
「ご名答、そこの小さいお嬢さんは明才のようですね」
魔王は苦笑いで答えた。
「で、お前は復活して何をする気だ?」
「はい、私はこの世界を私の物にしたいだけです。あなたもお強いので私の部下にならないですか?貴方には私の右腕きょひしたとして扱ってあげます」
「いや、いい」
浅沼は悪魔の部下になることを拒否した。
「そうですか、では死んでください」
魔王は指先から大きな火の玉を出し、浅沼に向けて放った。
「ファイアーボール」
「ウォール」
浅沼は透明な壁でファイアーボールを防いだ。
「ほう、中々やりますね」
「浅沼さんって守りの魔法も使えたんですか?」
「まあ...」
「なんで、先の戦いで使わなかったのじゃ?」
「いや、使う機会がなかった。」
「これは少してこずりそうですね、では私の戦闘メイドであの三人の相手をしてもらいましょう」
魔王は指を鳴らすと、メイド服を着た人が来た。
「誘拐されたメイドさん!?」
浅沼はすぐにわかった、メイドは魔王のメイドとなり、見た目は変わらないが戦闘ができるメイドへと変わり果てていた。
「じゃあ、あの三人と戦ってもらいましょ」
「分りました、魔王様」
メイドは三人の目の前に現れた。
浅沼は三人を守ろうと、駆け込もうとしたが魔王がデコピンをするようにすると、斬撃が浅沼と美奈たちを分断させた。
「クロ」
「ビュウ?」
浅沼はクロに向けて、先の戦いで手に入れた高密度の魔石をクロに投げた。
クロはそれを口でキャッチし、すぐに食べた。
すると、クロは進化した。




