87話
迷宮は魔王から放たれた、黒い霧を吸い取り迷宮はダンジョンと化し魔物が次々と生まれ、ダンジョンが吸い取れなかった黒い霧は外に漏れ強力な魔物が出現した。
「ここは俺の住む場所にした。そして、お前たち二人は俺の部下にしてやる。」
座り込んでいる二人に近寄り、目線を近づけるためしゃがみしゃべり始めた。
ケンジの部下二人は、おびえながら言った。
「だ、誰がお前なんかの部下になるんだ!!」
「そ、そうよ!!」
と、強がりながら言うが、本能は逆らえない、逃げようと女性の部下が後ろに下がろうとするが震えて手を滑らせ仰向けになってしまった。
男の部下は立ち上がり、腰にある短剣を手に取り、地面に腰をつけたまま、短剣を振り上げた。
「ガッキーン」
そう、音がしてた。
短剣を持つ手の方に目をやると、短剣は折れていた。
「た、確かに首を狙ったはず...」
「確かにお前の剣は当たっ人さ、だがその剣では俺に傷をつけることは出来ない」
男性の部下は現状に脳が追い付かないが、一つの感情が浮き上がった。
恐怖と言う感情が...
恐怖と言う感情に押しつぶされ、抗う気力を失い手に持つ短剣を手放してしまった。
「さーて、俺の部下にするか」
魔王は立ち上がり二人の頭に手を置いた。
「や、やめろ!!」
「キャー!!」
そう叫び、魔王の手からは黒い霧が部下達の体を覆った。
しばらくすると、体を覆っていた霧は無くなり部下二人の姿は変わり、男と女の部下は角が生え、男は青髪、女は赤髪として人間に近い鬼人になっていた。
「じゃあ、誕生の祝いとして名前を与えよう」
「じゃあ、青髪の君は虎之介次に赤髪の君は百地だな」
「ありがたき幸せ」
「ありがとうございます」
忠実を示す為に、膝をつけ感謝を示した。




