80話
車に向かっている最中何かを忘れている気がした、ふと、お腹に違和感があるので触っていると、何か肩透かし感がした。
浅沼は数秒立ち止まり考えた。
「クロ!!」
浅沼は、まだ眠っているクロを連れてくるのを忘れていた。
買い物などかれこれ3時間ほど経過している。
まあ、クロの事だからまだ眠っているはずだろうと願いながら、美奈たちには先に行くよう伝え、クロのいる浅沼の部屋に向かった。
「クロ~」
恐る恐るのぞいてみると、部屋が荒らされていた。
ベットなどは切り刻まれ、机などには鋭い爪でひっかいたと思われるあとがあった。
これは、相当怒っている...
そう思いながら、部屋に入ると一人の女の子がいた。
浅沼はすぐにクロではないかと思った。
前にもクロが女の子になったの覚えていたからである。
浅沼は何で進化したのかとフトベットの下に合った、魔石が入っている袋が空っぽになっているところを見つけた。
魔石が入った袋は、10個くらいありどれも、珍しい魔石で魔力の密度が濃い魔石ばかりである。
あぬみんに会った時、魔石についても聞いていたのだが、黒色の魔石はどの色にも劣らない強い魔力を持っている魔石を聞いていたので、何となく集めていたが、あぬみんはこの市場ではどこも買い取ってくれないと言うので、放置していたが、クロが来てからはクロがぐずったときにあげようとひそかに隠していた魔石である。
だからか、少ない魔石でも魔力が強いので一気に進化したのだろう...
「クロ、悪さをしてはだめだろう」
少し強い口調で言ったが、クロはこちらを振り向き、「ビュイィィ」っとかわいい声でと涙目な顔でこちらを見て、ついつい許してしまった。
「クロ、とりあえず早く服を」
「ビュイ?」
「そっか、いつもウロコに包まれているから服の存在知らないんだった」
っと浅沼は理解をして、元の姿に戻ってもらおうかと思ったが、ここで元の大きさに戻られると大変なことになるので、とりあえず合う服がないので、ぶかぶかの自分の服を着せて、美奈たちが待つ車に向かった。




