69話
「浅沼さん!!」
「どうしたんですか?」
浅沼はあぬみんの部屋から扉を開けると、美奈さんが浅沼に飛びついて来た。
「浅沼さん少しだけでいいので恋人同士として演じてくれませんか?」
「え??どうしてですか?」
浅沼は状況が読み込めず混乱している。
「私はまだ結婚したくないのに、お父さんがお見合いを言いつけてきたんです。私はまだ結婚する気はないので、私には恋人がいることにして欲しいんです。」
「なんかこんなこと前もあったような...」
浅沼は小声でつぶやいた
「ま、まあいいですよ...」
「ありがとうございます。あと、気になっていたんですが浅沼さんの横にいる子供は誰なんですか?」
「この人は、美奈さんに紹介してくれたあぬみんさんですよ」
「え!?こんな小さな人があの、あぬみんさんなんですか!?」
「そうですよ」
美奈さんはあぬみんの姿が見たことがないんだろうか、僕が驚いた時と同じくらい驚いていた。
「ほお~なんか面白そうじゃの~」
「え!?」
「我も行くぞ」
「いやいや、別に来なくてもいいんですよ」
「我も暇だったから行く」
「いや」
「行く」
あぬみんは涙目になった。
「いいじゃないですか、浅沼さん」
「うん...」
「で、何をするんじゃ?」
「そうですね、明日私のお見合いなので今日は私の部屋に来てください。」
浅沼、美奈、あぬみん、クロは扉を閉め美奈さんの部屋に行くことにした。




