62話
浅沼は木の扉を開け図書館に入った。
図書館は大きく、さすが図書館だ多くの本が陳列されていた。
図書館にある多くの本は魔力を増やす方法や魔法詠唱や魔法適正方法など魔法に関する本が多いようだった。
魔法の本が多く歴史の本が乗っている本がどこに分からなかった。
分からないので浅沼は図書館を管理する司書さんに聞くことにした。
「あの、すいません」
「はい?」
「あ!!」
「図書館の中ではお静かにしてください」
「す、すいません...知り合いに似ていたもんで」
「そうなんですか」
浅沼はつい大きな声を出してしまった。
浅沼が見た司書さんの顔がガイルが居た冒険者の受付をしていたエリさんが目の前にいた。
「それでなんのようなんでしょうか」
「はい、この世界の出来事が乗っている歴史の本ってどこにあるんですか?」
「え〜っと、少し待ってくだい」
「はい」
司書さんは紙をパラパラと見て調べてもらった。
「ありました。タイトルは『世界の出来事』です。本は2階を上がって右端にあると思います。」
「あ、はいありがとうございます」
浅沼は図書館にある階段を二階に上がり右端に向かった。
「水魔法の歴史、火魔法の歴史、風魔法の歴史...あれ...ないぞ...魔法の歴史しかない」
よく目を凝らし『世界の出来事』があるはずの本棚を探してみると、本1個分の空きの本棚があった。
もしかすると誰かに借りられている可能性があると思い司書さんの所に戻り聞くことにした。
「あの、魔法の歴史しか無かったんですが」
「すいません...借りられていました。なんせここの本を借りる人は大抵魔法の本なので歴史の本なんて滅多に借りられないっと思って調べてませんでした」
「そうなんですか...」
「急ぎでしたら、美奈様がお借りになっているそうなんです」
「美奈様って?」
「え?知らないんですか?冒険者ギルドをまとめ上げたお父様の娘さんですよ」
「そ、そうなんですか」
小声で軽く引かれながら驚き、浅沼は世間知らずっと思われた事に小っ恥ずかしくなった。
「美奈様ってどこにいるんですか?」
「多分ですが冒険者ギルドに聞けば分かるかもしれません」
「ありがとうございます」
浅沼は美奈様に本を借りるため再び冒険者ギルドに向かった。




