27話
僕は11時頃に、あぬみんが居るダンジョン屋に向かった。
徒歩で行き、ダンジョン屋の扉をまだ眠そうな顔をしながら「ガラガラ」っと開けた。
「おはよ〜あぬみん」
「ビュウウ〜」
「おはよ〜」
と、暖簾の奥から挨拶の声がした。
あぬみんは相変わらずの服装であるゴスロリを着て右手で目をこすり、今さっき起きたばっかりの様子であくびをしながら左手に杖を持って、空いている右手で暖簾を避け、段差の降りる場所にある靴を履き僕のところまで来た。
「浅沼、もしかするとダンジョンに入るかもしれない、ポーション10本をお主の皮袋の中に入れといてくれ。」
「分かった」
っと僕は店の棚に並んでいるポーションを10本を僕が腰にかけている皮袋に入れた。
「では、行くのだ」
原付はは二人乗りを禁止されているので、電車で冒険者ギルドに向かうことにした。
冒険者ギルドは西駅という大きなホームの近くなので、歩いて数分で行けるので楽だ。
僕たちが今から乗る駅からは、10個くらい駅が離れている。
「電車がきたよ〜あぬみん」
っと僕たちは電車に揺られ、30分も経つとクロは初めての電車でリュックからヒョコッと顔をだし興奮し疲れ眠って、あぬみんは200年前と変わっていなく感動してはしゃいでいたのか椅子に座りよだれを垂らしながら寝ていた。
『次は〜西駅〜西駅に止まります〜』
っと僕たちが降りる駅のアナウンスをされたので、僕はウトウトしていたが、アナウンスで目を覚まし、あぬみんを起こし西駅に降りた。
「おおおお!!駅デカイ!! 人がいっぱいいるのだ〜」
あぬみんは駅のホームから少し出て、駅のホームを見上げそして、あたりを見渡した光景に驚いていた。
西駅はかなりの都会で、ビルやマンションが立ち並ぶ第二の東京都も呼ばれている。
僕は冒険者ギルド目的でそんな光景は全く目に入らなかったが、改めてみてみるとほんとに人が多く栄えていた。
「あぬみん人が多いから迷子にならないでよ」
僕は娘を持った父親の感じを味わいながらあぬみんに注意をした。
あぬみんがある程度、街の光景を堪能したところで僕たちは冒険者ギルドに向かった。
「ほへ〜冒険者ギルドでっか〜」
あぬみんは冒険者ギルドの大きさにびっくりしながら、冒険者ギルドの中に入った。
「中も広すぎ〜」
もう、あぬみんは何にでも興味が湧いて仕方がない子供にしか見えない。
見た目も子供だし....
僕は受付でランクアップ申請とパーティーの申請を行った。
パーティーの申請は、別に行わなくてもいいが、個人よりパーティーを組んだ複数の方がボスを倒しランクアップのする条件ではなくなり、ランクアップがしやすくなるメリットがあるので行うことにした。
「あら、浅沼くん久しぶりじゃない」
「久しぶりです、エリさん」
「浅沼くん、パーティーを組むんですって」
「はい、そうです」
「どんな人なの」
エリさんに僕がどんな人とパーティーを組むのか聞かれたので、未だ冒険者ギルドの中の広さに圧倒されているあぬみんを持ち上げエリさんに見せてあげた。
「な、なんだ!?」
あぬみんは冒険者ギルドをみるのに夢中で急に僕に触れられあぬみんはびっくりした。
「僕がパーティーを組む人はあぬみんです」
「浅沼くん....こんな小さな子とパーティーを組むなんてこのロリコン!!変態!!」
僕は冒険者ギルドじゅうに響くような声で罵倒された。
「いや、あぬみん説明してあげてよ」
僕は困り果て、あぬみんに説明をしてもらうことにした。
「そこの娘よ、我は子供ではないぞ!!我は500年くらい生きてるのだぞ!!子供扱いは困る!!」
「子供ではないんですか?」
あぬみんは異常に子供、またはロリなどのワードに反応して怒るので、エリさんにかなり強めの声で言ったつもりなのだろうが、エリさんはキョトンとした顔で、エリさんは僕に顔を見合わせ僕に聞いてきたので、「はい、そうです」っと答えた。
「じゃあ、冒険者カードを見せてくださいよ〜」
っとエリさんはあぬみんに向け手を出した。
あぬみんは魔石がゴロゴロ入った腰巾着から古い冒険者カードをだした。
「はい」
エリさんはあぬみんが出した冒険者カードをジッと眺め、どこかにあぬみんの冒険者カードを持ってどこかに行った。
「浅沼さんと、あぬみんさんちょっときてください」
っと、行き慣れた個室に呼び出された。
個室の中には久々に会う大男のゲイルさんがいた。
「久しぶりですゲイルさん」
「うん」
ゲイルさんは悩んだ顔で返事をしてきた。
僕たちが座ると、ゲイルさんが口を開いた。
「浅沼、その子は500年以上生きているのか」
っと、唐突に聞かれたので「はい」っと二文字で答えた。
「あぬみん、に聞くお前は古代人か?」
「そうだが?」
ゲイルさんはあぬみんに古代人が聞くとあぬみんは「そうだ」っと答えた。
古代人は謎が多く、古文書の物語にしか出てこない伝説の存在である。
古代人は色々な魔術が使えたらしい、あぬみんが歳を取らないのもそのせいなのかもしれない。
その伝説の中に出てくる中で最も謎なのが、禍々しく描かれた物を『魔王』神々しく大きな女性が描かれ『女神』と呼ばれている。
歴史博士の人たちからは『女神』と『魔王』が存在したと解釈しているらしい。
「あぬみんって古代人だったのか....」
「知らなかったのか」
僕は驚いていると、あぬみはノーリアクションで答えた。
「このことは俺たち冒険者ギルドは口外しない、もしこの事を話すとお前らの命の危険があるからだ」
確かにそうだ、クロといいあぬみんといい、珍しい存在には違いがない。
もしかすると、力を悪用する悪い人達が襲ってくるかもしれない。
「ありがとうございます」
「パーティー申請とランクアップ申請はしといた。あと、あぬみんの冒険者カードは古いから新しい冒険者カードに作り替えて置いた。今日からお前らはBランクパーティーだ!!」
僕は急激なランクアップにも驚きもしたが、Bランクの冒険者カードを受け取った瞬間、胸が高ぶった。




