26話
「浅沼いえ〜い」
「いえ〜い」
僕はオークを倒したことに喜んだ。
「ビュウウ〜」
クロはふらふらに飛びながら僕の方に飛んできた
「クロ、大丈夫だった?クロごめん僕が足を動かせていたら」
「ビュウ?」
と、クロが生きていたこと、自分の情けなさに流した僕の涙をクロが舐めてくれた。
「ありがとう、クロ」
クロは僕が離すとオークの魔石を食べに、羽を使って魔石の元にいった。
オークを倒し気絶したので、オークの魔石の色とか知らなかったが、オークの魔石を改めて見てみると手のひらサイズの大きさでS級魔石よりかは赤い濃さはないが、まあまあ赤い濃さの魔石であった。
「ごめん、あぬみん....僕がすぐにいけなくて」
「いいのじゃ、誰にでも恐怖がある、それを克服してこそ本当の冒険者だ」
「あぬみん....」
あぬみんが僕を励ましてくれ、僕は罪悪感などの感情が消えた。
「クロは本当に美味しそうに魔石を食べるよな〜」
「浅沼も食べてみたいか?」
「無理無理、硬すぎてこの前、奥歯がかけたんだよ」
「魔石は噛むではなく、魔石にある小さな穴から吸うのじゃ、魔石を食べるのは魔物だけだ」
僕はそう言われると、ここまで来る途中に狩ったゴブリンの魔石を腰巾着から取り出した。
僕は魔石に空いてあると言う、小さな穴を探した。
すると、針で刺したぐらいの穴がポツンとあった。
「あぬみん、穴ってこれ?」
「そうだ」
僕は魔石の穴に唇を付け思いっきり吸うと、魔石の薄い赤を少しだけ吸い取る事ができた。
口の中に入ってきた感触はゼリーの感じがあり、なんとも言えないまずい味であった。
「まっず!!」
僕はそういい直ぐに吐いた。
「まずいだろ〜」
「知ってるなら教えてよ」
「あの時の罰じゃ」
っと言われた。
「そろそろ帰ろうか」
「そうだね」
僕は立ち上がりそう言うと、あぬみんも立ち上がりこの部屋から出ることにした。
「クロ〜帰るぞ〜」
「ビュウウ!!」
僕がそう言うと慌ててオークの魔石を食べ終わり僕の元に来て、リュックの中に入った。
ダンジョンに出た時は夕方だった。
僕たちは当然人型アンドロイドに冒険者カードを渡した。
あぬみんの冒険者カードを一度読み込んだから、読み込みが早かった。
『浅沼様、クロ様、あぬみん様、お疲れ様でした。あなた方はランクアップ申請ができますので冒険者ギルドに行ってみてはどうですか」
っと言われた。
「あぬみん、明日ランクアップ申請しに冒険者ギルドに行ってみる」
「うむ、100年ぶりに行ってみてもいいの」
っと規格外の言葉を発し、僕とクロはあぬみんの家で集合することを決めた。




