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甲殻の翼  作者: 月弓 陽
セントラル編
134/148

詩と数列

 三本ある階段のうちの一本を登ってゆくと別の階段の頂上付近に「しかし暑いのお」こぼす幼女ラフィーが別の階段に座っていた。

三角錐と階段は、神殿の底と分離していて尚且なおかつ回転しているのでどの階段を降りてきたのか分からなくなっていたのだ。

「中には入らない」

 と言っていたラフィーも暑さにはかなわなかったらしい。

 地上の石床に出ると足元には力強い影。暗がりに慣れた目には夏の日差しが眩しかった。

「強力に暑っついね。日陰に戻ろう」

 地上には日陰どころか大理石の床から隆起しているものは外壁の木と壁まで何もない。ノーラのピンクの髪も白むほどの強い日差しを浴びでラフィーが涼む階段の穴に向かう。

 幸い巨大マンホールの中はひんやりとしている。

「ここいら辺までなら良いことにしよう」

 ラフィーと一緒に階段を降りて各自腰を降ろし、水筒とサンドイッチを取り出して食べながらの午後の振り分けになった。

 合宿隊長のノーラが仕切る。

 まず警護体制にどれくらい人を割けば良いのかラフィーに尋ねると。

「イーシャの人間は侵入結界を越えては来られんじゃろう。人だけでは無理じゃよ。イーシャは龍神をあがめておるはずじゃのにかどわかして連れさるとは。地に落ちた、というか地獄にでも落ちればよい」

 暑さのせいなのか悪口あっこうがひどいラフィーは監視は自分ひとりで十分だと言う。

「それじゃ、私とノエルは地下の文字読みだね。ソフィーは書き取り、これはいいよね?」

 異論はなく、念のためにカッツェが警護につくことになった。

 

 他にやっておきたいことのほとんどをノエルが提案した。

 ノエルからは「術式を解析する手がかりに神殿全体の貴石の配置を書き留めておきたい」と提案が出た。

「貴石の配置や直線の意味を探す過程で、何か新しい貴石の使い方が分かるかもしれないから」

「けど、相当広いよな」

 うんざりとした顔を地上に出して広大な面積を見渡すマサル。夏真っ盛りの日差しの下、ひとつの街に匹敵する面積をつぶさに歩いて地面の模様を書き留めて欲しい、と言われて喜ぶ人はいないだろう。しかも飛甲機とアバターシュは使えない。それでもこれまでのノエルの努力を知っているハルトは「俺はやるよ」と快諾した。

「僕もやろうかな。僕は古代語に精通してないから神殿の中のことは後でゆっくり考えればいいし」

「じゃぁ俺も地上をやるよ。けどなぁ」

 げんなりしながら地上に出ようとするマサル頭の横をフレーネが抜けていった。

「ねぇ、ノエル。模様が同じなら色が分かればいいんだよね?」

「そうだね。模様が変わったり何かあったら別だけど」

「近所の妖精に手伝ってもらおうか?」

「ほんと!?」

「その代わり~、ねっ」

「はいはい、はちみつはご進呈しますよ。全部」

「オッケー!」

「じゃあ、わたしはサジウスに戻るね、古文書も持ってこないとだし」

 重いからわたしも行くよ、とノーラも水筒を持って立ち上がった。

「古文書まで持って来てんのか。さすがだな」

「あったり前じゃん、ハルトぅんのこれからの開発の役に立つかもしれないんだから」

「出たな、ノーラのいい女房アピール」

 ひゅーひゅー、マサルの冷やかしにノーラは、えっへん、と胸を張り、マサルは「やりづれぇなぁ」と肩を透かした。

 ぽつり、綾乃が呟くように。

「そうやってノーラはハルトくんを支えてきたのね……」

「――わたしだけじゃないよ。ハルトぅんが飛甲機を作ったときに支えてたのはノエルだし。それに地下の文字を解析したいのは綾乃ちゃんのためでもあるの。ルドラと綾乃ちゃんが関係ないことを証明したら気が楽になるかなぁって……」

「関係ないことの証明って、疑ってないの?」

「当ったり前だよ。綾乃ちゃんは絶対そんなじゃない。私が証明してみせる」

 ノーラはぐっと視線を強めて、持ち前の強気を綾乃に向けた。

「……分かった。私も一緒にやるわ」

「じゃあ、僕と胤月も地上チームで。カッツェ以外の男性陣は妖精チームと地上の調査だね。日が暮れる前に終われるように頑張ろう」

「焚哉くんと胤月さんは近いところにいてくれる? 訊きたいことができるかもしれないから」

「オッケー」


 結局、カッツェと、焚哉、胤月がサジウスまで往復して古文書を運ぶことになって、ノーラ、ノエル、ソフィーは地下に戻った。外周壁面の模様の模写を担当することになったハルトはフィレーネが連れてきた妖精を一番多くあてがってもらった。作業が終わったチームは手が足りていないところに応援に行くことになっているのだがハルトが一番手間がかかるだろう。単純に距離が長い上に貴石の並びの変化も見逃せない。

 貴石を使った強力な結界を解読できれば蟲の侵入を防ぐのに役立つかもしれない。もしかしたら飛甲機やアバターシュを作って来たことよりも貢献できるかもしれない。

 そう思うと俄然やる気が湧いてきた。

 フィレーネ以外の妖精はラフィーから許可が出ず中間地点より先には入れないのでハルトと中間部を担当するマサルとで応援妖精を振り分けた。中間部の床の模様を見て回ってもらうだけなら結界内に入らなくても可能だ。

 ハルトは様々な色の髪やレオタードの妖精たちに散ってもらい、受け持ち区域の調査が終わったら木陰で休んでいてもらうことにした。聞き取りを終えてはアバターシュで移動する。ある時、壁の模様を確認しながら飛んでいると床の色が変わる順番がに違和感を覚えた。

「あれっ、さっきの線が赤だったのに、ここが赤になった」

 高度を上げて確認するとやはり時計の針がズレたようにスキップした瞬間があったようだ。ARコンソールに時計を出して時間をチェックしておいた。

 最終的に地上調査組はハルトが担当する区域に合流した。

 けれども妖精の扱いに一番苦労したのはマサルだったようだ。外周には木陰がある。中途半端に広く逃げ場のない中間部で妖精から「暑くて、やってらんない」と文句が出て、オーレイを森に降ろして盾に水を汲み、即席の妖精用プールで休ませながら妖精をなだめるのが大変だっと嘆いていた。それでもはちみつ効果は高かったようで妖精たちは満足して森に帰って行った。


 一通りの調査が終わり、日が傾き始めた頃に外周近くの駐機ポイントに集合した。アバターシュにタープを待たせて作った即席の日陰に入っての報告会が開催。

 まずノーラからア地下施設の調査報告がなされる。

「その前に地下の施設に名前を付けよう。セントラルも真ん中って意味だし、神殿じゃ分かりづらいから。アカシックレコードでいいかな」

「意義名無し」

「じゃあ次は赤い貴石の三角錐はアガルタ、これもいいよね」

 金色の回る物体の名前らしきものはなかったという。アカシックレコードの中にある貴石は巨大な赤い貴石のアガルタを除いて金色の浮遊回転する物体と底の床にあり白ドーナツに配置されているものだけだ。「重要なものだと思うから」と《ルドラの指輪》と《マーブルドーナツ》と名付けられた。

「では、全て文献から見た総合的な解釈が発表します」と言った後。ノエルが真剣な眼差しでハルトを見た。

「ハル、ロダの教会の地下にあった壁画を覚えてる?」

 飛甲機を作る元になった壁画だ。忘れるはずがない。

「もちろん」

「蟲に乗った騎士の周りに小さな虫に乗った小人が飛んでたよね――あれは実は小人の方が人間で飛甲機に乗ってる騎士はアバターシュなんじゃないかって思ったことがあるの。――妖精の森に行く前に奥森で戦うアバターシュと飛甲機に乗った人達を見て、あの壁画は過去のことを描いた絵じゃなくて予言だったのかもしれない、って。それを踏まえてノーラお姉ちゃんの話を聞いてほしいの」

「分かった」

「じゃぁアカシックレコード話に戻すよ。いろいろ総合するとするとですね。この世界は二回滅亡していて今回が三回目、今の文明が最後だ。っていうのが地下で文字読みをしたわたし達の見解。それとやっぱりルドラと綾乃ちゃんは別ものだね」

「そっか、よかった」 

「でもね……三つの計器があったでしょ」

「あれが何なのか分かったのか?」

「たぶんだけど。あれ終末時計のような気がする……この世界は残り少ないのかも。王宮に戻ったら詳しく調べないとだけど」

 確信ではなくとも他にもそれを匂わす記述があったとノーラは言う。

「これが関係あるかどうか解らないけれど、デジタルな方の数字。上の段の、12437、13721、12049は全部素数だわ」

 ノーラの見解を肯定するように綾乃は言う。「だけど」ノーラが続ける。

「悪いことばかりじゃないよ。終末を回避する方法らしい内容が書かれた詩があるの。誌というか戒めというか予言? みたいなのなんだけど、解釈が必要になる感じだから’詩’ということにするね。ソフィー、原文を読んであげて」

 真剣な眼差しをノートに落としたソフィーが厳粛な口調で読みはじめた。



 終末の時

 封印されしもの、天の目に向かう

 昼と夜、天と地、赤と黒、ひとつとなりて災いとなす

 三つの光走り、聖地に水を呼ぶ

 

 火の魔女放たれるは定められし道

 夢となりて異物は帰る


 三度目は戻らず

 二組の父と子と精霊、星をつくりて永遠なる終焉を呼ぶ

 

 流れを望む者よ、繋ぎ留めよ

 分け合う魂、混じりて集え

 求めよ、さらば与えられん


 命の根源たる炎

 闇を照らす光

 怒れる軍神

 旅する錬金術師

 全知全能の雷神

 戦の乙女

 時を刻む恵みの神


 螺旋を描いて無に向かへ

 絡みあいて絆を繋げ

 叩けよ、さらば開かれん

 

 蒼きものが力

 天なる地を打ち、時を取り戻さん

 探せよ、さらば見つからん

 伝えよ、さらば救われん



「うーん、さっぱりわからん」

 カッツェとマサルは文字通り両手を上げた。

「これから解釈をして考えていくしかないんだね。お経みたいなものかも」

 焚哉は興味しんしんだ。

「《求めよ》とか《探せよ》とのところ、ねだるな勝ち取れさすれば……みたいだな」

 ハルトのアニメネタにノーラが反応する。

「それはこれに出てくる言葉の方が元なんだよ。元は新約聖書、マタイの福音書に出てくる有名な言葉だよ。でも《伝えよ、さらば救われん》は聞いたことない。それと《叩けよ、さらば開かれん》は数列の上にも出てたの」

「これね」

 綾乃が出したメモの前に頭が集まった。

『38.63.16.41.74.27.52.85=30.63.16.41.74.27.52.05=30. 30×7>0』


「数式としては破綻してるね。イコールになってない」

「焚哉くんの言う通りだわ。でもとても重要な鍵になるのは確かだと思う。さっきの詩が立ち上がった状態で数列の前に立ったら光の色が変わったのよ。透明感のある真っ青な文字っていうか、強い光なんだけど眩しくはないっていうか。上手く言えないのだけれど」

「なんていうの? 意識に訴えてくるような光り方、っていうのかな? そんな感じだった。――それでいろいろ試してみたけど、そんな風に繋がってるらしい文献は二つだけだったから、さっきの詩とこの数列が大事なのは間違いないと思う。――詩の話に戻るけど、父と子と精霊は三位一体さんみいったい、父は神で子が聖なる人なのはいいよね? これはやっぱり三角形を意味するんじゃないかと思う。本来は三つの心がひとつに合わさることを意味したりするんだけど、二つの三角が星になるっている、解釈すると三角形が重なって六芒星になる、ってことじゃないかな、と」

 そこまで言ってノーラは止まってしまった。沈黙を破ったのは焚哉だった。

「《地下に封印されしもの》はルドラで、それを捕らえた牢、赤い貴石の三角錐の名が《アガルタ》になってるんだけど、アガルタがあるんなら《パンゲア》もあるはずなんだ。二つはセットになってる。昼と夜にも対応してるし」

 焚哉って博学だな。さすが聖人様。

「1と2と3……1は2を生じ3は無限を生じる。これは陰陽道の聖なる数字の考え方なのだけれど、2はペアだとも取れる。それとノーラも言ったように3は重要だと思うわ」

 綾乃を交えて解釈談義が始まった。綾乃は素数や定数、フィボナッチ数列が幾何学に大きな影響力を持っていると話す。「幸福定数なんていうのもあるのよ」談義が続く中で、あまり話に入って行けないハルトは焚哉に訊いてみた。

「アガルタとパンゲアって何?」

「アガルタは地下都市って感じかな。パンゲアは大陸を指す名詞だね。ガイアとか大地の女神って感じ。パンゲア・アガルタっていう昼と夜のライブをまとめたサイケデリックなジャズのアルバムがあるんだよ」

「サイケデリック?」

「幻覚剤を用いた意識変容のことさ。幻覚キノコにも同じ効果があるらしい。視界が歪んで時間が伸びたり縮んだり、色彩が強烈になって幾何学模様が見えるのが特徴なんだ」

「それって俺達が転移した時の状況と似てるな」

「そうだね――他にも神の出現って見るむきもある。宇宙との一体感とか。ポップアートや音楽、原始信仰なんかに興味があると避けては通れない概念だよ」

 ノーラが話に食いついてきた。

「サイケデリックはラノベで言うネズミーランドのオリジナルのお話にも関わってるよ。よく赤い水玉のキノコが出てくるでしょ。作者一族は南米の広大な森に住んでてそのキノコがあるらしいよ。それとアガルタが地下だとすると『天の目』はホルスの目のことじゃないかな。エジプトの目の模様。太陽神ラーの象徴だし。プロビデンスの目って可能性もあるけど」

「プロビデンスの目は、ドル札の中にある三角形の中にひとつ目があるやつだね。フリーメーソンがどうこうっていう」

「そうそうフリーメーソンのマークは六芒星だったりするよ」

 盛り上がる焚哉とノーラ。胤月のニヤニヤが止まらない。綾乃も話についていけるらしい。オカルト的な興味と知識がないハルトはとてもじゃないがついていけない。カッツェとマサルは「考えるのは任せて相撲でも取るか?」と言い出す始末。

 それでもソフィーは一言も聞き漏らすまいと一生懸命にメモしている。ノエルが暑さにぐだっとしている幼女に声をかけた。

「飛龍さんに訊いたら何か教えてくれませんか?」

「なにか知っておるとしても答えてはくれんじゃろうな。ここに入るだけで大きな譲歩を引き出しているんじゃ。無礼を重ねて機嫌を損ねん方がいい」

「そうですか……」

「皆、そろそろ時間じゃ。木の根本に転がっとる貴石を回収して日が暮れる前に時計塔に戻ろう」

 赤い貴石以外にも全ての色の貴石を採集することができた。広大な奥森付近を探索したら一生掛かってもお目にかかれないくらいの貴石を袋に詰めて時計塔に戻った。


 出発したのと同じ塔に戻ると、正直に採集した貴石を全て飛龍に見せて盗掘された水晶の件も話した。飛龍は「約束を守ったならそれでいい」と少し疲れた様子だった。

 気になったハルトが「何かあったんですか」と訊くと、時計塔を守る飛龍の配置換えが行われたのだという。古参の飛龍が身罷みまかまり、双子の若い飛龍が連れ去られた故の対応だった。若い双子は修行を兼ねて、古参の飛龍の寿命に備える意味を込めて二人一組で守護者としていたらしいのだが、その体制はもう取れない。

 二つの時計塔の守り主がいなくなった今、まだ幼子おさなごの飛竜を一体、無理やり塔の守護者に据えたのだという。

「それでも塔がひとつ空席になる。予言通りになってしまった。双子が戻ってくればいいんだが……」

 予言という気になるワードについてはそれ以上語られることはなかった。しかし「お前達を信用することにした」と、空席の塔はハルト達が最初に着いたグランノルンの方角にあたる西の時計塔になったという。

 ハルトが時計をチェックした、神殿の直線の色が入れ変わった瞬間に配置換えが行われたらしい。そう見当を付けたハルトは一応把握している事実を報告しておいた。飛龍は黄色と黒の瞳にゴツゴツとした赤いまぶたを閉じただけだった。


 日が落ちる前に時計塔の外側の森に降りてキャンプ地を作り、食事の準備をしているとカナブン型を中心にした輸送機が降りてきた。ダイオウヤンマ型の大型機には二個小隊、八機のロッキ型戦闘機が直掩ちょくえんにつく大部隊だった。

 カナブン型の中にはアントナーラ騎士団の識別マークが塗装された機体もある。直掩機としてまた改良の進んだ戦闘機に乗ってきたジョナサンとユージンとも再会を果たした。ハルト達が出発したのと同時にアントナーラを出て王都で待機していたとのことだった。

 ハロルドと珠絵もカナブン型に便乗してやってきた。船をジュリアンと稲穂達にまかせての合流だ。

「ジュリアンは船を接岸できそうな場所や入り江や海岸線を熱心に調べとる。船乗りのさがじゃな」

「でっかい洞窟があったのです。そこにいたカニちゃんたちを口説くのに成功しました。グランノルンでカニちゃんライフが始まるのです!」な珠絵は強力なご機嫌っぷりを発揮していた。

 合宿最後の夜は大所帯になった。輸送部隊と積込み作業の打ち合わせをしながらのキャンプになった。

 ノーラとノエル、綾乃が、「定められし道は運命のことだろうね」などと夜が更けるまで神殿の詩と数列について話し合うのを、ソフィーが眠そうな目を擦りながらも頑張ってメモを取り続けていた。


 翌朝、夜が明ける前からまだ生身のワイバーンや飛龍の亡骸を引き上げる作業になった。

 サジウスとそう大きさの変わらないカナブン型にアバターシュがワイバーンの遺体を乗せてゆく。飛龍の遺体はダイオウヤンマ型でも引き上げられず、カナブン型が前後左右に加わってやっと空中に浮いた。

 珠絵が出力を調整した冷却ライフルをこまめに撃って竜の遺体を冷凍する。肉も無駄にしたくないが飛龍の前で食べるわけにもいかない。

 

 イーシャの侵攻があった区域の時計塔を守ることになった赤い飛龍にラフィーやハルト達が礼を述べ、地図作成任務から戻った戦闘機群に囲まれて帰路についた。

 グランノルン近海で大型船団にワイバーンや飛龍の遺体を降ろし、陸地に辿り着く前に日が暮れた夜間飛行を経てコロシアムに着陸した。

 

「妙に慌ただしいな」

「そうだね」

 控室に入ったハルト達にキザイアの出迎えはなくラフィーの姿も消えている。

 いつになく緊張感が漂う騎士団員の様子を不審に思っていると、ノーラ、ハルト、マサル、焚哉、胤月にキザイアの執務室への呼び出しが来た。

「俺達なんかやらかしたっけ」

「そんなことないと思うけど。お手柄ではあっても」

 足早にキザイアの執務室に入ると何人もの参謀達が目まぐるしく立ち回っている。

「戻ったか」

「どうしたんですか? お姉さま」

「セントラル探索に出た全員に労いの言葉をかけてやりたいのは山々なのだが……軍事的、政治的に可及に伝えねばならん状況なのでな」

 キザイアの言葉を待つ。

「イーシャが我が国に宣戦を布告。同時にニンディタから同盟破棄の通告があった」

 キザイアの執務室では参謀達が慌ただしく動き続けていた。



気になる神殿の記述と飛竜の予言。

グランノルンに戻ると、きな臭い事態になっていました。

次回 「戦時体制」

明日の投稿になりますっする。

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