第3話 魔王と勇者……(4)
だって儂が殿に逢い許しを乞うても。我が殿は酷い女だと罵るだけだと思う?
またそのように儂自身も脳裏で思えば、この先に希望がない。
となれば? 儂の魔力は低下……。
そして、気落ちをする一方なのだ。
またそうなれば~? 尚更儂は、優さに対して、劣勢になるばかり。
だからそろそろ自害の覚悟をしようと思う?
儂自身は先程も告げた通りで。自身の愛する殿以外の雄と交わり、尽くしながら。自身の命を永らえるような行為はしたくはないのだ。
只気がかりなのは? 儂と殿の一人娘である姫……。
できれば~? 儂の命の灯が消えたら。直ちに姫には、城を抜けて逃亡を図って欲しい。
それと? 重臣の中には、異世界にいる殿の存在を知っている者もいるので。その者から話しを聞き──。勇者や争いのない平和な世界……。
そう~? 姫の父が居る、日本と呼ばれる国へと逃走して──。父と二人で仲良く暮らして欲しいのだよ。母の分まで……。
まあ。儂は自身の脳裏でこんなことを思案し続けたら。儂自身の覚悟も決まった!
だから儂は、今から冥府へと旅立つつもりだよ。
だから自身の持つ大鎌仕様の戟の刃を自身の喉元へと当てたのだ。
「勇者~。我が母を離しなさい~! 今度は、母に代わりに妾が相手をしますから~」