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第2話 過去の記憶……。 (3)

 俺のことを監視するといった言い方は変かもしれないが?


 要するに俺と共に暮らし、老いてくれるまで側に居続けてくれる女性……。


 まあ、妻という名の者を早く娶って欲しかったのだと思う。


 う~ん、でも? 家のお袋が癌を患い。床に臥せ、他界をするまでの期間に、俺は彼女すらできない状態だった。


 となれば?


 俺と生涯を共に暮らし、過ごしてくれるような妻などは、尚更現れる訳などないから。


 家のお袋には、安堵した状態で他界をさせてやることができなかったから。現世に未練が残ったと思うのだが?


 まあ、俺はこの通り、お袋の遺言通……。最後の俺への諫めの言葉……。


「新太~。頼むから~。母さんが死んだ後も。家に引き篭もるようなことはしないでおくれ~。必ず外に出て~。出歩き~。人と交わり。楽しく話しをしながら~。暮らしておくれ~。あんたは~。元々~。勝気で目立ちたがり屋の性格だったのだから~。必ず外に出て~。働いていれば~。良い女性ひとが、現れる筈だから~。家に引き篭もるようなことはしないで~。開放的に暮らしておくれ~」と。


 家のお袋は、息を引き取る寸前に遺言書として、俺にこんな台詞を告げてきた。


 そして最後にこの世を去った。


 だから俺は、お袋の遺言通りに、外に出て働くことに決めた。


 それも~? 人と交わる機会が多いい。販売の仕事を始めたのだ。


 と、いっても?


 この販売業は?


 俺の親父の代からしている商いなのだよ。


 でッ、親父の死後……。お袋が親父の代わりに後を継ぎ、続けた販売業──。


 今度は、二人の息子である俺が、後を継ぎ続けている。


 そして今は、先程も告げた通りで、俺の住む県の隣である岡山県は備前市、日生町の五味の市へと商いをしにきたのだ。


 でッ、早く、今日の仕事を終わらせて、只今隣の兵庫県……。


 と、いっても?


 備前市の隣の市が、兵庫県赤穂市だったと思うから?


 俺の仕事のパートナーに乗り──走らせれば、二十分そこらで、赤穂市のショッピングモールへと着くから。


 そんなに距離はないのだよ。日生から赤穂市まではね。


 だから俺は鼻歌交じりで……ではないか?


 何故か? 過去の記憶を走馬灯が回るように思い出し。『ハァ~』と嘆息を何度も漏らしながら上り坂を上がるのだよ。


 俺の愛車、ハイエースでね。


 でッ、登り坂を上りきると──。


 今度は坂道……。


 まあ、当たり前のことだけれど、長い下り坂なので、事故には気をつけないといけないと俺は思う。


 だからできるだけ、ハイエースのスピードを控えながら坂道を下ることにするからね……ッて?


 あっ、あれ? あれは何……?


「あっ、危ない~」と。


 俺は咄嗟に思うと、自身の右足で力強くブレーキペダルを踏む──。


 すると? 俺のハイエースから、タイヤとブレーキが。


〈キィ、イイイ~〉


 と、鳴り響く──!


 でッ、その後は、ハイエースに


〈ガシャン~!〉


 と、衝撃音が響くのだよ。


 と、いうことは?


 俺は車で事故という名の大変なことをしてしまったのだよ。


 だから俺は「どうしよう?」と、声を漏らしながら落胆をするのだ。



 ◇◇◇◇◇









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