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第3話 魔王と勇者……(10)
でッ、ないと。今迄放置を続けた夫に対して面目が立たないから。儂は必ず自害して果てる。
まあ、それまでの演技だと思い。この場は勇者に観念をして捉えられることにする。
まあ、そんな色々な計略を思案しながら、勇者の許へと急ぎ足──。
と、いうよりも?
儂は空中を飛行しながら勇者の許へと向かう。
「きゃぁあああ~」
またまた儂の可愛い娘の絶叫が聞こえてきたのだ。
だから儂は、自身の顔色を変える。
そして勇者へと怒号を放とうと試みるのだよ。
「先程儂と交わした約束が違うではないかぁあああ~」と。
まあ、そういった訳なので、儂は慌てふためきながら声のする方へと視線を変える。
我が娘が無事かどうかを確認するために。
すると我が娘は、地上へと落下──。
命の方はあるのか? ないのか?
遠目からではあるのだが。儂は、自身の紅の瞳を使用して注意深く。落下していく娘を観察してみると。
どうやら、娘の命は大丈夫そうだよ。
う~ん、どうやら、勇者は、儂との約束を守り、娘を解放してくれたみたいだ。