魔法使いさんと猫さん
魔法使いさん 人類最後の魔法使い。雑貨店を営む、貧乏生活だが、あまり気にしていない。
猫さん 魔法使いさんを注意するか、本ばかり読んでいるかのどちらかである。名前はまだ無いが、居候とは呼ばれる。
今日は朝から黒猫の「猫さん」に怒られていた。
「だいたいお前は起きるのが遅すぎる!もっと早くから開店すれば少しはお金に困らないんじゃないのか?もう11時だぞ!分かったら早く朝ごはんを用意してください。飢え死にそうです。」
「はい~…。」
私はなるたけしおらしく返事をした。一体猫さんの立場は私の上なのだろうか…下なのだろうか…。そんなことを考えながら猫さんの皿にキャットフードを盛った。
次に怒られたのは昼すぎだった。
「お前は少しは店を整理したらどうだ!こんなんじゃ始めて来た人間が困惑するだろう。それが終わったらお昼にしてくれ。」
「えー。猫さんも手伝ってよ。」
私はなるたけめんどくさ気にぼやく。だが、猫さんが手伝ってくれないのはよく知っていた。
「バカもの!この猫の手でなにを手伝えと言うのだ!ぶつくさ言わずにやれと言われたらやる!」
その理屈だと猫さんは一体なにが出来るのだろうか…。そんなことを考えながらトーテムポールを隅に動かした。
最後に怒られたのは就寝時だった。
猫さんは私の部屋に入り、お腹の上に乗ってきた。今日はここで寝る気のようだ。
「おい、魔法使いさん。」
「なにー、猫さん。もう寝るからお説教は聞かないよ~…。」
私はなるたけ眠たげに答える。
「お説教ではない…。なあ、魔法使いさん。今日は沢山怒ったがな…あれはお前の事を考えて言っているだけなのだ。」
猫さんが珍しくしおらしく話すので驚いた。
「愛が重いねぇ…。」
「愛されないよりはいいだろう!分かったらさっさと寝ろ!あと、明日は起こしたらすぐに起きてください。お願いします。」
「はーい。お休みなさい。」
私は卓上ライトを消して目を閉じた。お腹の辺りがすごく暖かかった。
お恥ずかしながら文章の仕事を目指しています。先はまだまだまだ遠いですが、一生懸命1歩ずつ頑張りたいと思います。アドバイス等をどしどし下さると助かります。
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毎日1話以上の投稿を目指していて、今日で6日目、今日2個目の投稿です。