序章
その日は雲一つなく静かな日本晴れの夏の日の朝だった。約五年前から始まった寒冷化の影響で気温の低下が早く、八月に入ったばかりなのに最低気温が十五度を下回る日が続いている。北風が吹く中、セミロングの少女と浅葱色の瞳の少年は、学校への通学路の緩い坂を上り始めた。
「うー、今日も寒いなー」
「そうだねー。今日も最高気温が十三度以下になるってお父さんが言ってたよ」
「うえっ、今日もそんなに寒いのかよー」
少女の言葉に少年は気だるげに空を見上げた。
「わっ!」
突然の横からの音に少年は驚いた。
「わっ、なっ、あ、お前か、脅かすあよー」
「あはは、おはよう二人ともっ」
脅かしたのは金髪の少年だった。
「あ、ケンちゃんおはよー 」
「だーかーらー、チーちゃん、俺をケンちゃんって呼ばないでよ。子供じゃないんだし」
「ケンちゃん十分子供でしょ、小学生なんだから私たち。」
「・・・それを言われると反論できない」
「ハハハ、その会話何回目だよ」
「笑うなよ!」
そんなたわいのない話をしている間に彼らは目的地である小学校へたどり着いた。いつもは登校してきた生徒たちでにぎわっていた校門や下駄箱は夏休みのため、しんと静まり返っていた。
下駄箱でセミロングの少女が上履きに履き替え終わるのを待っている間、金髪の少年は浅葱色の眼の少年に話しかけた。
「今日の講習終わったら、博士のところ行って飯食べるか」
「おう、そうすっか」
浅葱色の眼の少年はうなずいた。
「お待たせー」
と少女が合流し、三人は階段を上り始めた。
to be continued...
こんにちは。must,マストです。文章が拙く、読みにく申し訳ございません。今後の勉強のため、もしご意見、誤字等がありましたらご指摘していただけるとありがたく思います。よろしくお願いします。