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シーン13 緩衝材の到着が待たれる…〜シーン15 下手人は……

このお話はフィクションです、実在の人物団体等とは一切関係ありません。一応推理小説です。後半格闘シーンがありますし、人死にが出ます。ご注意ください。この話で描写されている内容を模倣しないでください。電気関係の法律に違反する可能性があります。


シーン13 緩衝材の到着が待たれる… 〜由美子のアパート、田辺の部屋〜



 捜査員の一人が報告に来た。


「田辺の昨日の足どりなんですが。午前10時から、午後6時までは、バイト先のレンタルビデオ店にいたようです。バイト先を出てからの足どりについては、目下、目撃者を捜しております」


 ついたままの電灯を見ながら、江戸川がつぶやいた。


「午後7時までの生存は、確認されている。殺されたのは、暗くなってからか」


 大山は、江戸川に疑問をぶつけた。


「何で強盗じゃないなんて思うんだ?」


 江戸川の返答は、こうだ。


「強盗しに来て、現場で武器を調達するはず無いじゃないですか。強盗する意志があったのなら、凶器は用意してくるでしょう」


 大山はしつこい。


「空き巣しに来て、田辺と出くわして、衝動的に犯行に及んだとは、考えられないか?」


 江戸川は、そっぽ向いている。

だが、大山は重ねて、


「空き巣が、居直り強盗になったんだよ」


 江戸川は、振り向きもせずに言った。


「夜に仕事する空き巣なんて、居るんですか?、明かりだって点いてたのに。それに、ガラスが割られてから乱闘になったのなら、当然田辺の体には、ガラスのかけらによる外傷が残されているはずですよね?、でも、そんな傷、ないですよ」


 江戸川は、言うだけ言ってしまうと、携帯電話を取り出し、事務所に電話した。絵美を現場に呼びだして電話を切り、心の中でつぶやいた。


「(大山さんと二人っきりじゃ、ストレスがたまる。それにしても何故ここまで部屋を荒らす必要があったんだ?、いったい何を探していたんだろう。捜し物は見つかったのだろうか?)」



シーン13.3 呼ばれて飛び出て?  〜江戸川探偵事務所〜



 電話を受けた絵美は、張り切っていた。


「先生のお召しだわ、急いで行かなくっちゃ。そうよ!、私は必要とされているんだから!。全然脈が無いなんてこと、無いんだから!!」



シーン13.5 英吉合流 〜由美子のアパート〜


 マウンテンバイクに黒いリュック、それから突き出した図面用のケース。護国寺英吉の登場である。が、たちまち駆けつけて来た三人の警官に囲まれてしまう。

それでも英吉少しもあわてず、名刺を取り出して、


「あ、おはようございます、私、こういうものです。大山さんは、いらっしゃいますか?」


 伝令が、大山の元へ走り、英吉は、やっと通してもらえた。江戸川に再会した英吉が、ことの顛末を話すと、江戸川は、


「(やれやれ、やっと大山さんと二人っきりの状態から解放される…)」


と、思いながらも、


「この時期そんなカッコでうろついているからだよ」


と、冷たく言った。


 大山が、捜査状況を知らせに来た。


「財布らしい物も、現金も見つからない。これは、やはり、物取りの仕業だろう」


 英吉は、それを聞いて不思議そうな、顔をした。


「田辺は、そりゃあ、たいしたガタイじゃなかったですけど、どうせ、強盗するんなら隣の部屋の、か弱い女の子を、ねらうもんなんじゃないですかねえ」


 大山は、顔をしかめた。


「…(こいつ、いつか、犯罪を、犯すかもしれんな。)…」


雑然とした現場の中で江戸川の注意を引いたものがある。メールボックスと呼ばれるものだ。昔風の呼び方をすれば集合ポスト、ダイヤル式の鍵の付いた、なかなかしっかりした物だ。一階の廊下の道路よりの壁に取り付けられている。


「(鍵が付いているのか?、小さい物なら隠しておけそうだな)」


 江戸川は、英吉をメールボックスの前に呼んで、205号室のポストを指さして言った。


「英吉君、こいつを開けてくれないか?壊さずに、だよ」


 江戸川は、しっかり釘を刺した。



シーン13.7 大迷惑?  〜由美子のアパート〜



 絵美が、張り切ってタクシーで乗り付けると、そこは、絵美が想像していたのとは、少し状況が違った。普段、見慣れたマウンテンバイクがおいてあったのだ。


「大山さんはともかく、もう、護国寺君まで来てたのか…」


 絵美は、少し落胆したようだったが、すぐに気を取り直して、現場の中に入っていった。アパートの一階の道路よりにあるメールボックス(集合ポスト)の、前まで来ると、英吉が、205号室のメールボックスをあけようとダイヤルを順番に変えていっていた。


「3,3、違う。3,4、これも違う。3…,5…」


 そこに大山もやってきた。大山は、しばらく後ろで見ていたが、短気を起こした。


「護国寺くん!、そこをどけ!!」


 気合い一閃。見事なまでの後ろ回し蹴りが、アパートのメールボックスに炸裂した。


「どうだ、一発で開いただろう」


 得意げに言う大山に、絵美はあきれたようだ。


「開けたんじゃなくって、壊したんでしょ。修理代、警察で出してくださいね?。怪力自慢の護国寺君が、なんで、ダイヤルをいじっていたと思うんです?」


 大山はしかられた子犬みたいになったが、ともあれ岩戸はこじ開けられた。開いた扉の中からは、一枚のポラロイド写真が出てきた。夜に撮った物らしく、露光不足で、はっきりと解らないが、どうやら、常盤邸の写真のようだ。常盤邸の壁を背景に、髪の長さが腰ぐらいまである一人の人物の後ろ姿が写されていた。



シーン14 由美子帰宅  〜由美子のアパート〜



 アパートの住人の尋問が一通り済んだ頃、由美子が帰ってきたと、大山の部下が伝えに来た。時刻は、もう午後6時を回っているのだが、夏の日は長く、まだ暗くならない。由美子は、アパートの回りをとり囲んでいる警官たちに驚いたようだ。


「何があったんですか?」


 英吉が説明した、


「ちょっと殺人が」


 由美子は、少し飛び上がったように見えた。


「殺人って、人殺し?、誰が、誰に?」


 英吉は、一通り説明してやった。由美子が落ちついたところで、大山が由美子に尋ねた。


「昨日の晩、何か不審な物音を聞かなかったですか?」


 由美子は、首を振った


「いいえ、特に何も。」


 大山は、質問を変えた。


「由美子さんが昨日、自分の部屋に帰ってきたのは、今ぐらいの時間ですか?」


 由美子は、昨日のことを回想した。


「いいえ、昨日は、会社で残業をしていたので、九時過ぎだったと思います」


 江戸川も質問する、


「九時に帰っていらしてからはずっとこの部屋にいらしたんですか?、コンビニとかにも行かずに?」


 由美子は、頷いた。


「ええ、何処にも出かけず部屋にいました。」


 大山は、あごに手をやりながら、


「となると、犯行が行われたのは、由美子さんが、帰宅する前、九時以前ということになるのか」


 江戸川は、腕を組みながら


「その可能性もありますね、でも……」


「あー、はいはい、解りましたよ、まだ結論を出すのは、早いってんでしょ」


 江戸川は、頷いて言った。


「とりあえず、今日は、引き上げます、何か新事実が解ったら知らせてください。帰ろうか、絵美ちゃん、英吉君」


 帰ろうとする絵美に大山が、声を掛けた。


「あ、大塚君、パトカーでよかったらだけど…駅まで送ってってあげるよ」


 江戸川は、大山の方に向き直って言った。


「その必要はないですよ。絵美ちゃんは、私がちゃんと送りますから」


 絵美、感動のあまりなにも言えない。

英吉は、驚きを表情にこそあらわさなかったが、内心では、


「(おおーっと、ライバル宣言って、やつッスかー?)」


と、思っていた。


 三人は、石化した大山を残し由美子のアパートを後にした。英吉はマウンテンバイクで走り去り、江戸川と絵美は、二人きりになった。


 江戸川は、片手を、胸にあてて、うやうやしく一礼した。


「さあ、参りましょうか、お姫さま」



シーン14.7 お節介? 〜由美子のアパート近くの路上〜


 英吉は、マウンテンバイクを止めて夜空を見上げていた。町の灯りの上には、夏の大三角形。琴座のベガと鷲座のアルタイル、そして白鳥座のデネブ。

英吉は、白鳥座を相合い傘に見立てて、そっと彼らの名前を書いてやった。

そして、はたと気付いた。


「あ、ベガとアルタイルと言ったら……。織り姫と彦星みたいに年に一回しか逢えないなんてことになったりして?」



シーン15 下手人は……  〜由美子のアパート、田辺の部屋〜 8月31日(日)



 翌日の午後、江戸川探偵事務所ご一行様は、大山に呼び出されて由美子のアパートに来ていた。


 江戸川は、大山を見つけるなり、尋ねた。


「何が見つかったんですか?」


 大山は、透明のビニール袋を差し出しながら言った。中には、30cm位の長さの茶色っぽい髪の毛が入っていた。


「髪の毛だよ、この長さから見て、女の物じゃないかな?、田辺の右手に巻き付いていたんだ」


 英吉が尋ねる。


「第一発見者の女友達のじゃないですか?」


 大山は、首を横へ振った。


「その娘は、ショートカットなんだよ。だから別人の物だな」


 大山は、手帳を取り出して、読み出した。


「第一発見者で、自称ただの友人の北野妙子によると…彼女の知る限りでは、男友達に髪の長いのは居ない。他に女も居ないそうだ。ただ、隣の部屋の、OLが彼に色目を使っていて、嫌な感じがしたとは言っている」


 英吉は、205号室の隣に目を移し、


「隣の部屋って言うと、由美子のことですね?」


 大山が頷く。


「ああ、もう一度事情を聞いてみる必要が、あるみたいだな」


 大山は何か思い出したらしい


「あ、それからもう一つ。凶器は、間違いなく田辺のナイフだ。田辺の指紋が検出された。ただ、田辺の指紋しか発見されなかった。だから犯人の手がかりらしき物は、いまのところ髪の毛だけだ」


 ここで、沈思黙考していた江戸川が、口を開いた。


「大山さん、今晩、ここに事件の関係者を集めてくれませんか?」


 大山は、請け合った。


「構わないけど、何か解ったのかい?」


 江戸川は、何も言わなかった。




今回ちょっと短いですね。

次のシーンから謎解きの大詰めです。

次回完結部分までアップします。

文中の

「この時期そんなカッコでうろついているからだよ」

というのは、

執筆当時、棒状の凶器を使う通り魔が頻発し。

話題になっていたことから書いたものです。


【アイス】物を書いてアップしたいんですけど。

【ストレートヘア】娘は無口すぎて話を進ませづらいし、

【ツインテール】娘は暴走した挙句に最後は、

「いぢめてフェロモン」を放出しまくるし、

【ポニーテールに眼鏡】娘は、話を進ませやすくて楽なんですが、

ちょっと油断すると一気に「18禁」の領域まで突っ走ってしまうんですよ。

話を練りこむのでもうちょっとお待ちください。


2作目の「〜レモン味?」はちょっと練りこみが足りなかったかなとも思いますんで。


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