表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/21

十六



 ガーン…――。


 「女同士…」


 ショックだ。

 私は超絶イケメンに、女が好きなんじゃないかと疑われたらしい。

 不本意だ!

 大変不本意だが、言われてみれば納得も出来る。


 『彼氏が男友達と浮気していた』

 これを何も知らない第三者が聞いたり、または文章で見たりした場合、まず最初に彼氏が男なのか女なのか疑問に思うのが普通だろう。


 それに超絶イケメンの言う通り、彼氏の性別で話は大きく変わってくる。

 もし女同士であったなら、私が彼氏を攻めるのは間違ってると思うしね。

 だって不毛な関係より、親に孫を抱かせてあげられる相手を選んだ彼氏の気持ちは推して知るべしでしょ。

 彼の選択を私が激怒したとしたら、男友達を選んだ彼氏の判断は英断としか言えない。

 この場合、相手の祝福を願えるような人間じゃないと、一緒に居ても幸せにはなれなかったはずだよ。

 私は好きになった人の幸せを願える女だから、最終的には笑顔でお別れしただろうけどね。


 まぁ今回は、馬鹿殿の気持ちを推し量る必要は一切ないけどね。

 ばっちり男同士だし。

 あっ、念のため勘違いして欲しくないから言うけど、浮気相手が女だったらOKってことじゃないからね。

 個人的に、男が相手よりまだ女のほうが万倍マシってだけだで、そもそも、相手が男だろうが女だろうが浮気は浮気だから、許すつもりは毛頭ないのであしからず。


 ん?馬鹿殿の幸せを願わないのかって?

 願わないね。

 私も願いたくないし、馬鹿殿だって私に願われても嬉しくないでしょ、きっと。

 でも、ずっと根に持つつもりもない。

 だって怒るのって体力使うじゃん?

 馬鹿殿のために、そんな無駄な労力割くの嫌だからね。

 まぁ、散々不幸を経験させてやるから、私がスッキリした後に勝手に幸せになれば良いんじゃない?って感じかな。


 私自身、この根に持たない性格をけっこう気に入ってる。

 恵子も真澄も同じように根に持たない性格なんだけどね。

 だからこそ、親友になれたのかもしれないなぁ。


 「すまない。変な意味はない。ただの確認だ」


 本当にすまなそうに眉を下げたて、そう言ってくれる超絶イケメンさん。

 ショックは受けたけど、ただの確認だって言葉を疑ってはいない。

 私が同姓を恋愛対象に考えたことなんてなかったから、全く可能性に気付かなかっただけで、言われてみれば聞かれて当然の質問だったと思う。それなのに超絶イケメンさんに謝らせてしまった…。

 超絶イケメンさんは当たり前の質問をしただけなのに、私が至らないばかりに本当に申し訳ない。


 「いえ、気にしないで下さい。聞かれて当然の質問です。こちらこそ気を使わせてしまい、申し訳ありません」


 心をこめて謝罪し、頭を下げた。


 「俺も気にしてない」


 「ありがとうございます」


 眉の位置が元に戻ったのを見て、ホッとしながらお礼を言う。

 謝るのは大事だけど、謝りすぎるは駄目だからね。

 謝られるよりお礼を言われるほうが、断然嬉しいって恵子も言ってたし。


 「でも、それなら浮気と断定できないだろ」


 疑問系ではなく、超絶イケメンさんは言い切る。

 初対面の超絶イケメンに彼氏のヤッてるとこを見たと申告するのが憚られ、あえて浮気と濁したからこそ、超絶イケメンさんは言い切っているんだろう。

 普通に考えて、彼氏と男友達が浮気してるなんて有り得ない。

 勘違いだろうって思うよね、そりゃあ。

 私だって馬鹿殿のことがなければ、“彼氏と男友達が浮気?男同士なのに?ないでしょー”って言ってた自信あるし。


 ここは合体してたこと言うべきかな?

 でも言う相手、超絶イケメンだよ?

 初対面の超絶イケメンに“彼氏と男友達が合体してるとこ見ちゃったんです”って申告するのもどうなの?

 超絶イケメンとしても困らない?

 初対面の親戚の知り合いに“彼氏と男友達が合体してるとこ見ちゃったんです”って申告されたら、俺にどうしろと?みたいな雰囲気になんない?

 なりそうだよね?


 …まぁ、なっても良いか!

 なるようになるよね!


 「実は彼氏と男友達が合体してるとこを見ちゃったんです」


 「…えっ?」




日付を跨いでしまった…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ