熱いぞ!ダメージコントロール訓練
未だ異世界の気配は一切ありません
つ、次には登場させます(汗)
《まや》はあたご型護衛艦3番艦という架空の護衛艦です。
F3は、F2の後継として開発が進められている機体です。よって、F3のメインのお仕事は対艦攻撃です。
AAM4は中距離空対空ミサイルです。詳しくはグーグル先生に聞いてください。
では、お楽しみください
2019年 11月8日 15:15 三宅島より南南西に68kmの海域 第一航空護衛隊群旗艦 ずいほう艦橋
《CATCC艦橋、全機発艦完了》
この艦内放送により、ずいほう各所から歓声が上がったのは言うまでもない。特に整備隊員は感動のあまり、涙するものまでいた。なんせ、日本が待ちに待った洋上航空戦力が、ここに完成したのだから。この情報は直ちに横須賀の護衛艦隊司令部、そこから自衛艦隊司令部、さらには海上幕僚監部を経て防衛大臣まで情報が上がった。この報告を受けた上級司令部からも歓声が上がった。
なお、財務省主計局防衛係のみなさんはこの報告を聞いてなんとも言えない顔になったそうだ。それこそ喜びと苦味とをあわせたような」…
それから十五分後。艦隊幕僚にのみ知らされていた、ダメージコントロール訓練が始まった。
【訓練、訓練、本艦は後部に被弾。被害状況知らせ】
【艦橋より各所、艦橋より各所、後部格納庫付近に被弾。火災発生。ダメージコントロール急げ!!】
この緊急の艦内放送は、乗組員の、F35ライトニング編隊の発艦成功の喜びと、若干の浮かれを打ち消し、緊張感を呼び戻したのは当然である。
そして歓声に代わって怒号が飛び交うようになった。
「消火急げ!」
「航空燃料に引火しました。航空消火剤の散布が必要です!」
「航空消火剤持って来い!」
「手で航空消火剤散布するより天井スプリンクラーから航空消火剤を散布したほうがいいのでは?」
「よし、スプリンクラーを作動させろ。スプリンクラーにより火の手が弱くなり次第、手で航空消火剤を散布、鎮火する」
「了解っ」
後部格納庫で航空燃料に引火した火と隊員が格闘している頃、艦橋には被害状況がかなり伝わってきた。
「被弾時に転倒し、軽症を負ったものが12名。被弾時、後部格納庫で作業していた4名が重症です。物理的損害は、後部格納庫がまるごと破壊されたのみで、航行及び発着艦には支障がありません。しかし、後部格納庫が使用不能になったことにより、収容能力が低下しました。現在任務にあたっているトビウオ編隊に関しては、2機は収容可能なものの、2機は収容できません。よって、トビウオ編隊は硫黄島にダイバートさせるのがいいでしょう。」と、発言したのは、ずいほう艦長の宮浦一佐。
そこで、艦隊幕僚長の有明海将補が「しかし、そうすると本艦隊のエアカバーはどうするのです?」と、質問したところ、宮浦一佐は「F3にAAM4を装備させましょう」と、提案する。
航空幕僚兼統合航空団司令の千歳空将補は異論はないとばかりに頷き、そして口を開く。
「それでは、司令、任務中のトビウオ編隊は硫黄島へダイバート、第九二航空隊のF3にAAM4を装備させ、エアカバーにつけるということでよろしいですか?」
「ああ、問題ない。それとは別件なんだが、ずいほう以外の各艦の被害状況はどうなっている?」
この質問に答えたのは有明海将補。
「現在、各艦ともに混乱しており、正確な被害情報ではありませんが、これまでの情報をまとめますと、第八護衛隊の各艦は被害が小さく、戦闘及び航行に支障はないとのことです。しかし、第十六護衛隊はかなり被害が大きく、少なくとも《まや》は、SPYレーダー破損により戦闘不能、速力も最大13ノットまで低下しており、戦闘継続は不可能とのことです。」
「ただちに詳細な被害報告をまとめよ。それから、《まや》には《しまかぜ》をつけて横須賀まで撤退させよ」
「了解しました。そのように連絡します」
ここで、緊急の会議はお開きとなり、各自持ち場へ戻った。
もちろん、トビウオ編隊に対する硫黄島へのダイバートはダメージコントロール訓練の一環での指示であり、実際にそのような指示が出されることはなかった。
それは《まや》《しまかぜ》も同様である。
今日はここまでです。
続きはまた明日いっぱい投稿できると思います。
こんな作品ですが、お楽しみいただけていますでしょうか?
では、失礼します。