財務省の受難〜ずいほう調達編〜
ずいほう調達に関する主計官の苦労。
すべて想像で書いたので現実に即してるかはわかりませんが…
相変わらず拙い文章ですがお楽しみください。
2019年 11月9日 10:00 財務省主計局
ここ、財務省主計局防衛係のシマは溜息であふれていた。
しかし、配属されたばかりの新人官僚である中島爽太は、なぜこの係の先輩が揃いも揃って溜息を付いたのかがわからず、一番年の近い(といっても五歳離れているが)渋谷輝馬に聞いてしまった。
「あの、渋谷先輩、なぜみなさん溜息をついているのですか?」
その瞬間、シマが凍りついた。それこそ、庁舎の同じフロア全体に寒さが届いたほどだという。この事件は後に、財務省七不思議の一つとして数えられるようになったとさ。
「お前、今それを聞くのかね」と、渋谷が返したところ、「気になって仕方ないんです。だってこのタイミングだと、丁度海上自衛隊のあの部隊が遠洋練習航海に出たのと無関係ではない気がするんです。」
「そこまでわかっていて聞くとは。なかなかやるなあお前」
「お褒め頂き光栄です」
(いや、褒めてないの分かるだろ)と、その場にいた全員が心のなかで突っ込んだのはある意味必然といえる。
「まぁ、お前さんの言うとおり第一航空護衛隊群関連だ。」この言葉に、防衛係の面々は深くうなずいた。
「つまり、あれだけのデカブツの艦隊を整備するための予算確保をするのに走って回ったというわけだ。あんなのはもう二度と御免被りたいものだがな」
「自分は陸自担当なのでわからないのですが、そんなに大変だったんですか?」
「大変どころの話じゃないな最早あれは。分かるか?まず、空母の建造予算。これがないと話にならん。さらにそいつに付随する護衛艦隊の整備。半分は別の部隊(第四護衛隊)から引き抜いたが、もう半分は新造艦だ。つまり、空母と平行して四隻の建造予算の確保。しかもこの四隻のうちの二隻はイージス艦ときた。ここまででどんだけ予算がかかったことか。続いて空母にのせる艦載機の確保。こいつは三菱がノックダウン生産をしたF35を買ったが、この購入予算。さらにはE2Dの調達費。それから、艦載機パイロットたちの慣熟訓練のためにアメリカに渡航させ、基礎を一から学ばせるための費用。さらにはこいつらの維持費。そしてシースパローなどの個艦防空用装備の調達費。そして、艦の乗組員たちの育成費。ここまで調達して、ようやく今日に至るというわけだ。しかもこれらの装備とは別で既存装備の保守・改装費などの確保も行う。しかし防衛予算はそこまで多くない。すると陸海空の要望を選別しなければならん。かと言って、予算を削りすぎて国を滅ぼしたら話しにならん。じゃあ何をしたのかといえば、他の省庁の担当の連中から予算を引っぱり出させること。連中もなかなか首を縦に振ってくれなくてだな。情報本部と相談して」「あ、あのっ、大変さが言葉からひしひし伝わってきました。ありがとうございます。先輩のように精進していきます!」こう言って中島は無理やり話を切った。
「で、では自分は少し市ヶ谷の方と新装備の調達費の交渉をしてくるので失礼しますっ」
そして残された渋谷たちの間にはなんとも言えぬ空気が漂っていた。
「仕事に戻るか」と、つぶやき、仕事を再開した。




