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白熱!国家安全保障会議

お久しぶりです

非常に遅くなってしまい、大変申し訳ありません

では、ぜひお楽しみください

2019年 11月8日 17:45 内閣情報集約センター

「うむ・・・」

松島から画像を見せられた荻久保は唸っていた。というか唸ることしかできなかった。

「確かに君たちの報告は間違っていなかったようだな。きちんと信じることができなくてすまない。しかし、本当に存在していたのだな。わざわざご苦労だった。下がってくれ。」

「は。失礼致します」


国家安全保障会議(NSC)を召集する」

荻久保は松島が退室したのを見届けてから秘書に伝えた。


十五分ほどで、国家安全保障会議(NSC)の緊急会合のメンバー(都々路山(つつじやま)外務大臣、公庄(くじょう)国土交通大臣、圃山防衛大臣、統合幕僚長の長岡陸将)が集まったので、議長である荻久保が開会を宣言。

「みんな、忙しいところ、集まってもらい恐縮だが、見過ごせない事態が地震と並行して発生しているという情報が入ったものでな。詳しい説明は長岡統幕長からしてもらう。」

総理の言葉と同時に、長岡は一礼し、プロジェクターを使って説明を始めた。

「現在わかっている情報のみ、簡潔にご説明させていただきます。本日16:30(ヒトロクサンマル)時頃、地球観測衛星(だいち)が小笠原付近に巨大な陸地を撮影。こちらの画像です。続いて16:35(ヒトロクサンゴ)時、小笠原へ被害状況確認のために偵察に向かっていたずいほうの艦載機が父島付近に巨大な陸地を発見しました。それがこの画像になります。そしてさらに、ずいほう艦載機の通報を受けて偵察に向かった百里基地所属の偵察機が17:30(ヒトナナサンマル)時、国籍不明機(アンノウン)と接触。この、国籍不明機(アンノウン)は巨大な鳥のようなもので、無線による意思疎通は不可能でした。現在、国籍不明機(アンノウン)と接触した百里基地所属機は帰投中ですので、巨大な鳥のようなものの画像はございません。私からは以上となります。」

この説明に、会議室内は唖然とするもの、魂の抜けたような表情をする者が多くいたのも、無理からぬ事だろう。なんせ、巨大な陸地が一瞬にして現れたというのだから、信じられないという反応をするのは、ある意味自然だろう。しかし、そんな彼らもここが国家安全保障会議(NSC)の場であり、これがすべて事実であることはすぐに理解できたのだから。混乱に拍車をかけたのはまさに彼らがそのことを理解していたからであろう。一番早く混乱から立ち直った公庄(くじょう)国土交通大臣が挙手して質問した。

「それで、総理はどう対応されるおつもりですか?」

「現地に国家もしくは国家レベルの共同体が存在するのは画像を見てわかってもらえたと思う。なので、まず、自衛隊ならびに各研究機関による先遣調査隊を編成し、現地の情報、疫病、環境等の情報を収集。特段問題がないと判断された時点で、外務省による国交開設チームを派遣。国交を開設する段取りで行きたいと考えている。」

すると、長岡統幕長が挙手してきた。

「統合幕僚監部としては、新たな調査部隊の派遣には反対であります。なぜならば、今は地震対応を最優先に行っているので、早急な部隊編成は困難です。仮に即応予備自衛官を召集して、地震対応に当たらせるにしても、新たな調査部隊の編制には時間が必要です。さらに、部隊展開期間によっては、補給が持たなくなる可能性が高いです。我々は予算が少ないために補給は干上がりやすいものですから。」

「確かに君の言うとおりだ。しかし、未知の大陸が我が国に対する安全保障上の脅威にならないよう、たとえ国家が存在しなくとも、現地住民との友好を築き上げるのは国益にかなっているのではないかね?追加の補給物資と部隊編成に関わる費用は今度の通常国会で補正予算に計上するから、好きにやりたまえ。ただ、国内の災害復興が最優先となるので、調査部隊は小規模で構わん。できたら調査は三週間以内に開始したい。これでよろしいか?」

「はっ」

「しかし総理、自衛隊を派遣するとなると、偶発的な衝突が発生する可能性があります。そこに関しては?」

都々路山(つつじやま)外務大臣の発言はその場をしらけさせるのに十分だった。特に長岡なんかは、これだから弱腰外務省はと思ったそうな。

しかし、質問を受けた総理としては答えるしかない。

「そうだな。それは向こうの出方次第だとしか言えないな。他に何か質問は?公庄(くじょう)国土交通大臣」

「今後、国境線の再確定をさせる必要が出てくると思われますので、今後、省内に国境線確定検討チームを設置します。できれば国交開設と同時に確定させたいので。」

「たしかにそれは重要だな。わかった。早急に頼んだ」

「他に無ければ今回は閉会とするが。」

「特にないようなので、これにて緊急大臣会合は閉会とする」

総理のこの言葉と同時に、長岡統幕長は、調査隊の編制案を考え始め、公庄(くじょう)国土交通大臣は国境線をどう引くべきか、随行員と話し、都々路山(つつじやま)外務大臣は国交開設にどういった条約が必要となるかを検討するよう指示を出した。

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