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 目を覚まし、ホムンクルスに朝食がとれるか確認し、とれることがわかり3人でとる。黄金の民の遺跡と呼ばれるだけあり、高性能だ。

 まあ、プレイヤーのセーブポイントでもあるから、ある程度快適に作られている。冒険中にプレイヤーが死亡するとセーブしたポイントからやり直しが可能だ。とはいえ、死亡した際の装備や持ち物はその場に放置になる。

 唯一、初期装備だけは失われずに済む仕様になっている。もちろん死んだら、ただ生き返るだけではなく直前の戦闘行為を覚えている状態なのだ。デスペナルティというのはもちろん存在するがそれは装備品が失われるのとセーブしたポイントまで戻ってしまうという点だ。

 私と眠兎の場合は、ホームポイントとなる最初の遺跡そのものがわからない状態のため、死亡した場合はちょっと特殊な状況になった。ゲームがロンチされてから死亡した時の仕様が変わったのだ。

 以前と違うのもあるが、私がリビングアーマーになってからは眠兎は死亡していない。何が起きるかわからないのもあるし、何よりも怖い。本体の眠兎だけ消えて私だけ置き去りになる場合もある。


 眠兎の初期装備はこのアーマーだという確証が持てないからだ。


 そういえば、どこかの国が記憶喪失者を捕らえて拷問し、死亡させたことでその死亡した当人が生きていた事で問題が起きたこともあったのを思い出した。そうならないようにギルドは遺跡調査など積極的に冒険者へ依頼したりしている。

 国は国で信用を取り戻そうとしているが、国の数だけいろんな考え方があるから静観を決め込んでいる国もあればフォローに回ってる国もあり様々だ。


「眠兎、世界の縮図をこの遺跡を利用して見れるか?」

 世界の縮図、私が持つ3D世界地図だ。遺跡と連動させるとリアルタイムにどこで何が起きてるのかわかるようになるのだ。

(眠兎、この遺跡は可能よ。ゾンビの件もあるし、見ておいた方がいい)

『うん、わかったわ。じゃあ、部屋を借りてそこで見よう』

「ああ、大丈夫だ。部屋を借りてそこで確認しよう」

 恵那と乃陰は頷き、私はホムンクルスがいるカウンターへ向かい朝食を食べた後に部屋を借りたいことを伝えた。


 朝食を食べ終え、会議が出来るような小部屋に案内される。遺跡の中はどんだけ広いのだろうと眠兎も思ったのか現実で調べてみたら最大1000人収容可能らしい。一度にログインする人数だったりそういう理由なのかなと思ったりした。


 記憶喪失者が遺跡から目覚めて数ヶ月、様々な地域でいろんな事が連鎖的に起きている。そのため、今どういう情勢なのか、どこで戦争が起きそうなのか、そういったリアルタイム性が重要だと私達は感じていた。そのため、遺跡の力を借りれるなら使うのが習慣になっていた。


 眠兎は背もたれを逆にし、椅子にまたがる形で座る。世界の縮図を発動させる際に、背中の部分が変形するためだ。

「じゃあ、机の上に表示させるね」

 眠兎の準備が出来たので、私は世界の縮図モードに移行させた。もうリビングアーマーと化してからだいぶ慣れてきた。まるで映画を見ているような感覚が徐々に侵食していってるのが感じていた。


 世界の縮図を起動させると頭部が変形し、アンテナのような突起上のものが天井に向かって伸びたり、背中に円形の輪っかが出たりする。この状態になると身動きできなくなるのが情報収集モードで使う時は限られている。

 机の上に表示はされるが乃陰は盲目なので見えないのだが、このアーマーの特性で思念共有が可能で見えない乃陰でも見せることが可能になる。これを使うことで乃陰にも同じように見せることができる。

(眠兎、乃陰にも共有かけておいたからあとの操作は任せるね~)

『ありがとー!このモードになると身体が固定されてる感じになって肩が凝るのよね…』

(文句言わないでちゃんとやりなさい)

 眠兎が気だるそうにし、マップを展開させ恵那と乃陰と状況確認を行っていった。


 この子は情報収集やこういった作業は苦手で身体を動かしていた方が好きなのだ。考えるのが苦手というか気分とノリで行動することが多い、自分が行動していた時を元に作られている為、見てて恥ずかしくなってくる。


 このソーディア―という世界はほぼ地続きで形成されていてる。サイズは地球よりも少し大きいくらいの広さを持つ、世界の縮図で確認できるだけでもその大きさなのでその他の見えてない部分はまだ未拡張になっていると思う。


 自然豊かといえば聞こえはいいが、ほとんどが手付かずで未開拓地域が多いため、町も主要な貿易地点、資源地点、安全地帯などに転々とある。国の首都になるとかなり大きいが私はまだ行ったことがない。


 前に一度、恵那にどんなところなのか聞いたことがあるが、慣れないと迷子になるから必ず地図を買わないと後悔する程いろいろあると言われた。


 町や集落、遺跡を転々としながら北を目指しているので大きな都市というのは楽しみだったりする。


 なんだかんだでこのゲームを楽しんでいる自分がいる。操作は出来ないけれど、ドキュメンタリーを観ながら景観や戦闘など楽しめている。


 自分は本当はこんな環境に居たかったのかなと思ったりもする時もあるくらいだ。


「眠兎!ゾンビが発生してるのは俺たちが目指す国の大分北じゃねぇか!情報収集としてどうなんだよ」

「うるさいわね、ちょっと地理感覚が無かっただけじゃん!小さい事にこだわってるとハゲるわよ、クソ天パ」


 こ、こいつらは暇さえあれば口喧嘩しているな…


 恵那はため息をつきながら、マップを見ている。操作は共有化されているので、眠兎以外でも拡大したり動かしたりできる。


 喧嘩するほど仲がいいとは言うけれど、眠兎は恵那のことが気になっている。戦闘中、眠兎は向こう見ずな行動が多いので危ない目になるため、恵那はそれを見越してフォローに入ることが多い。

 乃陰はそんなフォローしなくても眠兎なら大丈夫だろという感じで結構ぞんざいだったりするが、戦闘で眠兎を認めているからこその対応だと思う。それにこのアーマーはやわじゃないので意外と大丈夫なことが多いからだ。

 ただ、恵那が言うにはそういうのが癖がつくとよくないからもっと周りを見て動こうと諭してくれている。そんな事でキュンときたのか眠兎は恵那が気になっているのだ。


 だが、気にはなっているがどうしたらいいのかわからず普段通りになっているのだ。まあ、そういうもんだし、恵那も恵那で鈍感系だというのがわかる。乃陰は恐らく感づいているだろうが特に何もせず我関せずだ。


 私も同じように傍観してる。何か助言なり眠兎にしようかなと思ったりしたが、見ているだけでなんていうか面白いからだ。


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