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2-

 遺跡につくと、新しく目覚めた冒険者たちを歓迎する冒険者ギルドと国から派遣されたと思われる人が冒険者と話していた。


 遺跡の近くには、ちょっとした集落ができていることが多い。ここは町から近いのもあってか、国から派遣された人もいる。このソーディアーと呼ばれる世界はいくつもの国がひしめき合いつつも大国が幅を引かせている。

 本来、大国が小国に戦争を仕掛け、領土を奪い更に国を大きくしていくのものだが黄金の民がそれをする必要性を無くし世界を平和にしてしまった。

 国同士の戦争が内政干渉や領土侵犯といった行為からは戦争はあるが、領土目的というのは抑制された。


 しかし、黄金の民が忽然と消えた今、それは時間の問題だろうと感じている。


 そのうち、ストラトジーゲームよろしく記憶喪失の冒険者がどこかの国を落とし、国を乗っ取り他国に領土戦争をふっかけていくだろうと感じている。


 いくら記憶を失っていたとしてもプレイヤーの性というのは失われない。その為、国から人が派遣されそうならないように囲いつつも彼らを把握しようとしているのだろう。


「なんか揉めてるわけじゃないがように見えるけれど、今丁度誰かが目覚めて立て込んでるっぽいね」

 恵那は不機嫌そうにつぶやく


 今まで無人だった遺跡にホムンクルスが出現し、遺跡の管理者と名乗るようになった。

 遺跡から一歩も出れず、無理に出そうとすると溶けて蒸発してしまう。しかし、すぐにホムンクルスは復活する。戦闘能力はなく、遺跡の使い方を教えてくれるが聞かれないと答えない。遺跡の関係者には協力的だが、それ以外の人にはあまり協力的でない。


 遺跡から記憶喪失の冒険者たちを起こす、記憶が無いのは原因不明だが、目覚めたのは何かしら意味があるとホムンクルスたちは口を揃えてそう言うだけだ。


 なので、私もあまり期待してなかったりする。眠兎もそのあたりわかってはいる、じゃあ何の為に遺跡を巡っているかのか、単純に私のアーマーのアップデート探しだ。


 遺跡から起きた冒険者は自分専用の武具を持ち、それを違う遺跡からアップデートし武具を強くしていくことが可能なのだ。


 この世界の武器、防具はどうも手に入りにくい。秩序が形成されていたからか、国の武具管理が厳しく制限されているのだ。今ではモンスターの活発化や情勢の変化などから段々と緩和はされているものの、軍が装備しているレベルの装備が店に出回る事もない。

 そのため、冒険者は必然的に仕入れるとしても黄金の民の遺跡から発見される武具がメインになってくる。しかし、装備できるからといって武具の本来の力を引き出せるかは別でだったりする。 

 どうにも適正かどうか武具そのものが判断するため、装備しても遺跡から出ると消えてしまったりするのだ。武具の持ち主が店に売った時に所有権を破棄した瞬間に消えてしまい、探したら最初に目覚めた遺跡に合ったことで発覚した事だった。


(眠兎、一応フルフェイス状態かつフルアーマーで外見上は性別がわからないようになってはいるけれど、言葉遣いには気をつけてね。)

『了解、ボイスチェンジャーもONにしてあるし、大丈夫』


 眠兎の格好は全身武具で覆われている。全身武具型で重装から軽装まで変形する武具だ。体格こそは変わらないが、頭もすっぽりと覆っている為、素顔がわからなくなっている。

 現実の世界と違い、人権が保証されていない異世界ゲームだ。女性というだけで狙われやすくなる。通常女性アバターで始める人は、護衛NPCが私のように配置はされるがそれに出会うまでの危険な目に遭遇する確率はゼロではない。


 とはいえ、男性女性ともにこのシリーズのゲームは人気なので性別を変えてプレイする人もいるのでその点は考慮されているが、自分と同じ性別でプレイする方が推奨はされている。


「理由を説明し、さっさと遺跡の中に入り用事を終わらせよう」

 恵那は少し焦った感じで言った。ここのところ、遺跡のほとんどが謎の記憶喪失者が起きてくる遺跡ばかりだからだ。


「そうだな、長居をしても時間の無駄だしな」

眠兎はすでにボイスチェンジャーをオンにし、恵那に同意する。いきなり慣れない声が聞こえて二人は驚くが、気にする様子もなく遺跡に近づいていくことした。いわゆるイケメンボイスにチェンジし、口調もそれらしく使う眠兎だ。

 私が元になってるとはいえ、実は恥ずかしかったりする。


 黄金の民の遺跡は、見た目は様々だ。とはいえその国の文化にそった見た目をしていることが多い。今まで何も無かった場所にこつ然と現れる建造物であったり階段だったり、ドアだったりするのだ。

 それが視認できればいいのだが、光を屈折していて近寄らないとわからなかったりするものもある為、基本的見つけにくいものとなっている。


 起伏が激しい丘を超えたらそこに石がいくつも立っていて、ストーンヘンジ風の遺跡だ。中央に地下へ行く階段があり、その周りに大きな石が結界のように立て並べられていた。

 ストーンヘンジ内にはテントなどがあり、モンスターが近寄れない結界の役割もしているのだろうと推測ができた。だがそれでも不安なのか、出入口を一箇所にしぼり、他の隙間は簡易的ではあるが柵が作られていた。まあ、ちょっとした集落よね…


「すみません、遺跡の中に入りたいのですがちょっと大丈夫ですか?」

恵那は大人な素振りで遺跡の外側から門にいる人達に断りをいれる。


 すると遺跡前に居た人たちがこちらに気づき、彼らは驚いた。どんだけ新しく目覚めた冒険者の卵に夢中なんだよと思った。

「き、君たちは?!3人で来たのか!?」

 国から派遣されたと思われるガタイのいいおっさんが驚きながら聞いてきた。

「ああ、まあ…ところで遺跡の中に入ってもいいかな?」

 乃陰と恵那はこの手のことを言われるのは慣れているらしく、めんどくさそうに対応することが多い。それほど、冒険者で5人以上ではなく4人以下というのは稀有なのだ。

 今まで生き延びてきたのは運が良かったのか、あるいは相当な実力があるかの二択だ。ソロで冒険者を続けている人もいるにはいるが、討伐時にはどこかのパーティを組むのが常識だからだ。


「ああ、すまない。邪魔して悪かったね、どうぞ」

 ガタイのいいおっさんは道を空けてくれた。私達は遺跡へと足を踏み入れる事になった。遺跡内に入るには許可が必要なところもあるがここでは必要はなかった。

 許可が必要な遺跡は国の方針によって変わってきたり、国が見つけるのが先かギルドが見つけるのが先かによって変わってきたりもする。私達は運が良かったと思った、今まで入ろうとしたら断られた遺跡もあったからだ。


『断られたら面倒だなと思ったけれど、入れてよかった』

(そうだね、国が最初に見つけると基本許可が必要になってくるし、結構面倒だしね)


 国が最初に見つけると面倒事が起きる…国境付近だったりするともっと大変だ。どちらの国がそこから目覚めた者を取り入るかで争いが起きるからだ。そのための冒険者ギルドなのだが、国によっては冒険者ギルドという土地を持たぬ国として見ている節があるため厄介なのだ。


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