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RIO傭兵団、レンツ団長が率いる傭兵部隊が集結した旅団だ。レンツは身長が低く、子供のような体型だが、ビームソードを使う。そこに恵那のお姉さん…といっても正確には月無の姉である那美がいる。
傭兵団は世界の敵が侵攻してきている壁に近いエリアにいる。そして那美がいるところへ向かうのだが彼らがどこにいるのか傭兵ギルドで問い合わせ、場所がわかったところで向かうことになった。
さすがに徒歩だと時間がかかるが、丁度RIO傭兵団が滞在してる近くの町へ向かう定期馬車がありそれを利用することが出来た。プレーンバレイよりも東、山を超えた先にある平野が戦場らしい。その近くにある斜面上に町が形成されていてプレーンスロープにまずは向かい、壁に近い平野にキャンプ場を設置しているらしい。
RIO傭兵団、前回会った時はすんなりとはいかなかったが、今回はそんなに問題が起きることはないと思いたかった。前回会った時は、恵那がレンツがなぜか力比べという名前の本気の攻撃だったし、いやあれが本気だったかはわからないけれど…
「恵那、二人っきりになるのは初めてだね」
「確かにそうだね、2対1で乃陰相手に稽古した時のように動けば2体多数でもやっていけないことはないから何かあっても大丈夫だ」
「あ、うん…そうだね」
眠兎が言いたいのはそういうことじゃない。恵那よ、せっかく二人っきりになったんだから、ちょっとは違う雰囲気というか意識してくれってことなんだよ。恵那よ、お前はやはり鈍感なのか?
考えてみたら、いつもこいつらいい雰囲気になることがないな…眠兎はちょくちょくアタックしているが、恵那は気付いてないことを思い出した。
私も眠兎の行動に何か言ったりはしてなかったが、丁度乃陰もいないしチャンスだ。
(ちょっと眠兎、今いい?)
『ん、なに?なんかあったの?』
(恵那のこと好きでしょ)
『な、な、な、なんでそうなる!?ちょっとそれおかしくない?』
いや、バレバレだから…まあ、元は私だったわけだし何度か助けてもらったりしてればそら落ちる。恋にな!
(眠兎、ずっと一緒にいるんだ。私がわからないわけないだろ)
慌てっぷりが見てて恥ずかしいけれども、なんか嬉しいような…いや楽しい。
『な、な、な…うう…いつから気付いてたの?』
(いつなんて重要じゃないわ、大事なのはこれからよ)
まさか最初からなんて言ったら恥ずかしさのあまりに暴走はしないとは思うけど、眠兎のことだから口を利いてくれなくなりそうだ。場合によってはいい雰囲気にすらならないことがありそうだ。
『これから?』
(そう、これからよ!恵那は鈍感というかそういう経験してこなかったんだから、もっと押して、押して、押しまくっていかないとダメよ!)
『で、でも嫌われないかな…』
こいつ、普段戦闘だと凶暴な癖にしてどんだけ乙女だよ。恋愛も凶暴な感じでも別段恵那にらイケる。ウブだし、乃陰が女買いに行ってるのも恥ずかしくていけないくらいなんだから大丈夫だろ。
(大丈夫よ!)
私も現実では…彼氏いたし、恋愛の話や経験もある。
こうしてRIO傭兵団のキャンプ場に行くまでの間に親密な関係になるべく、眠兎はより行動的になることになった。
そういえば、元は私だった眠兎だけど…この世界に来てから男性経験ないから処女のはずよね?私はもう経験してるけど、眠兎の時はまだだし…まあ、その時になったらわかるか。どうせ恵那も童貞だと思うし、なんとかな…るよね…
『ね、ねえミナ…でもいきなり前に襲ってきたやつがまた来たらどうする?』
確かにこんな状況で恋にうつつ抜かしてる時に襲われたら大変だ。しかし、ユーリのおっさんがなにも言ってなかったし、何かあったら教えてくれるはずだ。そう考えてると大丈夫なのではないかと思う。なんかあったら文句言えばいいし、私が本気を出す!
(大丈夫よ、何かあったら私が本気出すし)
『もー調子いいんだから…』
町に着くまでの間、山道中でモンスターと出くわすものの特に問題なく処理し、定期馬車を運営する人たちや利用する他の人たちも喜んでいた。山道で会うモンスターは大型のカラス系、狼系といった集団で連携をとってくるものだった。手練れと言えど油断すれば、一気に押し込まれやられてしまうため、それを一対多数で無双状態だったのだ。
「眠兎、オメガと戦ってから武具が変わった?」
恵那は疑問に感じていたのは、ビーム刃の形状や戦闘スタイルそのものが型にとらわれないものとなっていたのだ。
「ああ、より自在に、柔軟になった。今まではこういうものだという固定観念に囚われたのだが既存に囚われないことで開けてきた」
周りに他に乗っている人もいるため、眠兎はフルフェイスでボイスチェンジャーを使い声を変えている。
この状態だと、二人の関係が進展するかと考えれば、まず無いなと答えが浮かんだ。いい雰囲気も何もこれじゃあ側から見るとBL路線になってしまう。いやそれでも、別に中身は女性なのだから問題は無いか…
「その武具はある程度まで自在に変えれるものだと思っていたけれど、使用者の力によっていろんな変化をするだね。すごいね」
恵那の言い方に私は何か奇妙なものを感じた。
「そうそう、こんなことできるかもしれないと思って試してみたら出来たんだ」
「それはすごい才能だな、羨ましいよ」
才能?いや、それは想像力…そういえば恵那の盾も心創剣の力としては、剣なのに盾を使ってる…
「恵那も無数の盾や敵の攻撃に合わせたものを生成してるし、それと一緒だ」
「そうかなぁ、それでも才能だと感じずにはいられないよ。会った時からそんなに経ってないし、あの時と比べると随分とね」
「あの頃かぁ…いろいろありがとう。恵那がいなかったら私はここにはいなかったよ」
「乃陰も居ただろ」
「そうだったな」
二人は笑いながら、ある意味いい雰囲気を出していた。ロマンチックではないが、これはこれでいいのかな?
終始和やかな中、二人は談話しながら無事にプレーンバレイの町に到着する。到着した時にユーリのおっさんから連絡が入り、RIO傭兵団がどのあたりにいて、レンツと那美がいる場所を教えてもらった。だが、向かうのは一日休んでからにした方がいいと言われたので眠兎を通して、一日休息をとって会いに行くことにした。
荷物の護衛は順調らしく、乃陰の鋼糸による1対多数戦が味方を気にしない戦闘方法であるため、難なくモンスターを狩っているそうだ。そしてユーリのおっさんは気になることを言っていた。
『乃陰には気をつけろ、タイムループを毎回していて、こいつは何か隠している。それが何なのか、いつもわからない』




