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 恵那は自分が何も出来なかった不甲斐なさ、そして芯のない自分に向き合おうとしていた。あれほど手痛いヤラれ方をし、無様だと罵られたことすらも告白している姿は潔いと感じた。必死に自分と向き合おうとしている姿は、眠兎の心に突き刺さっていた。見た目ボロボロだけども…


 私は恵那がここまでヤラれるのは見たことがなかった。乃陰も同じく手ひどくヤラれている感じだった。そしてこの結末をユーリのおっさんからは聞いていなかったのもあった。聞いていたら私は眠兎を通して何かしら行動していただろうと思う。


 ユーリのおっさんからコンタクトが入り、応答するか表示されたので応答すると意識を向けた。

『彼らには辛いことをさせてしまったが、必要なことなンだ。言わなかったことを許してくれ』

 どうやら私が思っていることもわかっているようで、コンタクトしてきたな

(別に、予定調和ってやつなんでしょ…)

 タイムループをしているのならどうすればどういう結果になるのか結果がわかっているのでそれを察した。

『いや、微妙な違いがある。今回、眠兎が無傷というのは今まで無かった…今までどこかしたら怪我、もしくはアーマーに傷がついていた』

(え、そうなの?)

 私は少し驚いた。ある程度確定した未来をわかっていると思ったからだ、ループしているので何がトリガーになってどんなフラグが立ち、検証をし確信を持っていると思ったからだ。

『何を彼女に言ったンだ?』

(なんだろ?ビーム刃の使いようかなぁ…それぐらいしか思いつかないかも)

『多分、それかもしれンな…オメガの野郎は近~中距離がもっとも得意とする空間使いだ。眠兎の武具も同じくらい、防御面でアドバンテージがあるからなンとか退けるレベルだったンだ』

 そうなると彼の中で今回の戦闘は一番良かったという事になりそうだ。相手はかなり不機嫌そうだったし

『まあ、無事ならいいさ…さてこれからの事なンだが―』


 馬車は町へ向かい、恵那、乃陰、眠兎はそれぞれ反省会をし、二人は恵那を慰めていた。恵那は自分自身どうしたいのか、こんな状態になっている原因は何かをわからない限りダメだと痛感もしていた。


 私はユーリのおっさんからこうなっている原因とこれからのことを聞くことになった。

(そろそろ何が起きてるのか教えてくれない?)

 殺す、と言われたのに殺されずに奴らはどこかへ行った。それに恵那と月無の関係について何か知っているはずだ。このまま知らないままだとどうなるんだ…いやいずれわかるようになってくるのか?


『そうだな…この前、話をした世界への負荷について、そしてその根拠を話そう…』

 ユーリのおっさんが話すということは、意味があるのだろう。

『最初に青という存在を見たのは、月無と恵那という二つの存在にわかれた所に居合わせた。その後に胸に刻印があらわれてループを繰り返すようになった、その時見たものが夢か何かだと思ったンだがな…確かめていく内に違う事がわかった』

(ちょっとまって!二つにわかれたって?!えっ?!)

 最初から話がついていけなかった。


『今、そこにいる恵那は、青に造られた何かなんだ。月無の身体から何か取り出し、それをわけていた。わけたものを造られた何かに入れ、その何かが月無と同じ背丈、容姿に変化していったンだ』

(そういうことね…)

 話を聞いてわかった、目の前によくわからない現象に遭遇したら説明するにも説明できない。


『その後、その時のことを月無に聞いたのだが彼の記憶にはなかった。青という存在も彼は知らないままだった。彼が青という存在を知るようになったのは、奇妙な夢を見てからだ。その夢というよりも彼が寝ている間、恵那の身体に入っているというものだった―』

(なにそれ、それってまるで―)


『ミナさんが思っている通りであっている。ミナさんがこの世界にログインをしていンのと一緒だ』

(で、でもアレは特別な機器がないと出来ない)

『ああ、それも知っている。その上でタイムループ時に検証してみたが機器がなくても出来ていた。そもそも機器が本当に必要なのかという事にミナさんは言っていた』

 機器が本当に必要かどうか…ユーリのおっさんが言っていた言葉に、私がこの世界に機器を使っていたが使っていない時があったということを言っていることになる。


『うつらうつらしている時にログインしていた時がそういえば合って、それをメモしてカバンの中に入れたままだったと言っていた』

 急激な頭痛が遅い、忘れていたことが思い出された。今の私には頭がないが、奇妙な感じだが頭が痛かった。


(そ、そう…)

『それで、だ。月無は恵那を通して物事を経験し、成長している。見た内容がそのまま月無の力となり、恵那が経験したことで月無も強くなる。が、逆はない…』

 でも、それじゃあ恵那が絶対に月無に勝てないということになる。

『だが、恵那には可能性という力が備わっている』

(可能性?)

 可能性って成長とかありえるかもしれないとかそういう可能性?


『心創剣、この力は心を具現化する力だ。心の力を具現化するのではなく、心を具現化する。元よりこの心創剣は、そんなに強くない。武具レベルAに届くか届かないかくらいのものだ。だが、恵那は違う…限界がない』

 無限に強くなっていってるってことなのか、すごいな


『そしてその限りなく強くなっていってる力が月無へいくンだが…じゃあそれの何が問題なのかって所なンだが…月無は恵那に入っていることで恵那の魂を定着させ、恵那をこの世界に認めさせている』

(認めさせちゃダメなの?別に問題ないんじゃないの?)


『世界に同じ魂は2つとして存在しない、クローンはいたとしても魂だけは2つあってはならない。もし二つの魂が出会った場合、片方が消滅、片方に取り込まれる、両方が消滅のどれかなンだ』

(そのどれかが問題ってことなの?)


『どれも問題なンだ、一つの消滅でもかなりの力になる。世界はその負荷を抑えている、その負荷がいきなり消えたらその反動で世界は崩界する。両方でも一緒なンだ…じゃあ取り込まれるはどうかと思ったンだが…お互い認めることはなかった』

(二人が互いを認めって一つになるという事が今まで無かったってこと?)


『ああ、魂の形は一緒でも中身は違う時もある、だが一緒の時もある。だが、一緒に二人がいる場所では別人同士だ。どうやってお互いが同じ存在だと認識する?未来の私が俺はお前だと言われれば納得するものがあるが…すでに同じ時間軸で別の生き方をしている同士だ』

 魂の形は一緒でも中身は違う時…月無が恵那の中にログインしていない時だろう…一緒の時はログインして恵那を見ている時ということだろう。私自身、眠兎と同一人物だからと言われても多分、出来ない。別人だと違いに認識しているし…今まで見てきた物といった経験が違う。

(じゃあ、どうするの?まさか二人とも殺すとか…)

『二人のどちらか、両方を殺してはいけないし、死んでもいけない。私がタイムループされるだけだ…』

 すでに試した、ということなんだろう。

『全てを話そうとした瞬間にタイムループされた、もちろん暗殺をしたこともあったが行う寸前でタイムループした。それは絶対にやってはいけない事で何者かが望んでいないンだろうな…』

(何それ、意味がわからないし!何者かが望んでないとか、この世界は崩界へ向かっててそれを止めたいと思う誰かがいる…でもそれってさ世界の意思じゃないの?)

 その世界を人格化したものが青って奴だってわかってる、でもそんなの矛盾しているし…

『その何者かが世界の意思だとして、青はなぜ自らを自壊させる行動をとってるンだ?』

(ユーリさんは青について、私に話してない事で何かある?私はあまり青のことについて知らない…だからわからない)

 黒幕、何を企んでそんなことをしているのか?結局はそこなんだ、よくある事で世界が上手く構築されないからリセットする神に似た存在がいた、故郷の星が戦争で滅び生き延びた人たちが別の星でもしあの時滅びなかったらどうなるのか、そういった物語を古典文学で読んだことがある。


 青、世界を人格化した存在…青は自殺したいのか?


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