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19-

 今まで当ても無く、ただ彷徨っていただけなんじゃないかと思い始めてきた。記憶の中で今の自分の存在はなんなのか、現実の私は別の私と感じてさえいた。

 ゲームなのかゲームじゃないのか、そんな事を気にしていても今は仕方ない。巡り会えたのは偶然ではなく必然だったとしても、何かに利用されている。

 壊されていく世界を知ったからといっても、自分が何ができるかは小さな事か大きな事なのか行動してみない限りわからない。


 馬車で移動していた、しかし、ユーリのおっさんは突然速度を緩め止めた。

「ユーリさんどうしました?」

 マップには何も映し出されてなく、敵影も乃陰も感知していない。

 恵那がユーリのおっさんに止めた理由を聞くとその答えは返ってきた。


「誰かに狙われてねえか?なンか、来るぞ」


『ミナさん、お前を狙っている月無が来るぞ」

(わかった、大丈夫なのよね?)

『ああ、話をした通りだ』


 突如、馬車の前方が歪みんでいった。空間の歪み、それは蜃気楼似ていたが局所的だったため蜃気楼ではないのがわかる。

 また、放電現象をしているわけでもないのに、バチバチンと音が鳴っていた。


「なんだあれ?」

 恵那が前方の違和感を見据え、警戒した。乃も馬車から降り、あたりを警戒する。眠兎もフルアーマー状態になり降りる。


 歪みは裂け目に変わり、そこから白髪の三人組が出てきた。

「エンゲージ!」

「ブレイクだ!」

 恵那と乃陰がそれぞれ交戦状態に入ったことを叫ぶ。


 恵那はカイトシールド型の盾を召喚し、馬車を守るように扇型に展開する。

 乃陰はその陰に隠れ、熊手のような手つきをし、相手を警戒している。

 眠兎はビーム刃を形成、いや精霊の刃を召喚しハルバード形態にする。


「ユーリさんは隠れていて下さい。こいつらはなぜか私たちを狙っ…」

 恵那が相手を見据え、違和感に気づく自分と同じ顔をした人がそこにいたからだ。


(眠兎、油断しないで!やつは月無よ、今はっきりわかったわ)

 もちろん彼らが来る事は想定済み、この後眠兎は白髪の三人の一人である空間を割って移動してきたやつと戦う事になる。

 彼らは急襲のつもりだったのだ、知覚不可能の空間を断絶し先制攻撃で終わらせるつもりだったのだ。しかし、事前に指定されたポイント前に止まることで回避したのだ。

 また、確認するためにその攻撃を利用して移動してきたのだが案の定、ユーリのおっさんはわかっているので先に止まったのだ。


「おい、オメガ…てめぇなぜ避けられてんだ?」

「知らない」

 白髪の一人がオメガと呼ばれた白髪と黒髪が混じった青年に毒づいた。

「はぁ〜、てめぇが外さなければ…この感じ?お前は…」

 白髪の青年は気付いた。恵那と同じ顔をしていることに、髪の色や服装、耳につけているアクセサリーは違えど同じ顔だ。


「お前、恵那だな?まさかお前まで見つかるとはな…アルファ、オメガこいつらは青の関係者だ、やるぞ」

「どの道、やるのでしょう…」

 アルファと呼ばれた女性は拳を構える。近接格闘系というのが雰囲気から醸し出されていた。

「うざってぇ…」

 オメガは刃がなく、奇妙なトリガーが二箇所ついたものを構えた。

(眠兎、気をつけてあの黒髪と白髪が混じってるやつは私でしか対応できない。他の二人だと致命傷になるわ、彼はあなたが…やるのよ!)


『わかった、生き延びよう』


 眠兎との会話をしつつ、私はパーティクルアーマーを起動させる。眠兎の周りに粒子状の不可視の防御膜が形成される。一定の流動性を持ち、自動で相手の攻撃を受け流す性質がある。相手の攻撃に対して不可を与える力場、一定値以上の攻撃以外は無効化にする。

 彼の武器の正体は先にユーリのおっさんから話を聞いている。とはいえ、このパーティクルアーマーでさえどこまで対処可能なのか聞いた話上なので不安はある。

 だが他の二人では対処するにも相性が悪く、被ダメ時にアーマーが反応する私との方がいい。恵那と乃陰では致命傷になってしまう仕組みがあの奇妙な武器にはある。


「恵那、乃陰、あの黒髪と白髪が混じってるやつは私が対応する!恵那は自分と同じ顔をお願い」

 眠兎は素早く動き、一番最前線に召喚されている盾の後ろに移動する。

「眠兎、何勝手に…お前もしかして何か思い出したのか?俺は出来れば女性の相手はしたくないんだが…」


「乃陰、女の勘よ。あいつの武器はヤバイ」

「ビーム刃は出そうだが、それだったら対処出来るぞ…」


(彼の武器は次元切断と呼ばれる防御無視攻撃よ。この武具じゃないと防げない)

『次元切断?なにそれ?』

(ビーム刃の上位版、しかも刃が見えないみたいなものよ)

本当はそんなものじゃなく、対象の完全に切断させる武器だ。恵那の心創剣では月無がいることで心が揺らぎ、召喚盾でも防げないことがわかっていた。乃陰ではそもそも防ぐ手立てがない。

次元刀と呼ばれているが事象が発生するポイントは見えない刀身分の斬った範囲分を切断させる。切っ先だけじゃないため、普通の刀よりも切断部分が多いので斬り合うならそこだけを気をつければいい…しかし、見えない刀身に絶対に切断するという武具だ。


 だったら、切断する対象を認知していないといけない。さっき移動としても使える攻撃手段は最初から座標を指定したものだ。通常戦闘時に座標指定型を使って攻撃してくる可能性もあるが、切断攻撃と同時には出来ないのは知っている。


「乃陰、さっきいきなり現れた攻撃みたいなもの知覚できた?」

「いやできなかった…それがあいつの攻撃か…じゃあ、頼んだぞ」


 切断する対象の前に粒子状の視認不可能の粒子状アーマーがあれば何度か防げる。悟られる前に恵那と月無がなんらかの決着がつけば、ユーリのおっさんが彼らは引くと言っていた。


 互いに死傷者は出ないと言っていたが、油断は禁物だ。


(眠兎、オメガと呼ばれている黒髪と白髪が混じってる奴の刀身は恵那の剣と同じくらいだけど、見えない分距離を計りにくいから気をつけて)

『瞬間移動みたいなことはさすがにしてこないよね…』

(してこないと思いたいわね…)


 アルファとオメガ、二人が間合いを詰め、恵那が設置した盾の近くまで迫ってきた。月無と恵那は動きがない。

「恵那!ボケっとするな!来るぞ!」


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