表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/50

9-

 現実でやったら犯罪だけどゲームの中ならそれは現実じゃないからいつもと違った自分を出せる。どちらが本性なのか?ゲーム内の制限はあったとしても、ゲームの自由度が高ければ高いほどその制限は失われていく


その人に合った武具が支給され、その武具はその人しか使えない。そして、使っていくうちに成長していく、その武具は初めてみないとわからない。


 私達は盗賊たちに囲まれていた、いや正確には挟み撃ちにされているといった方がいいが丘と丘の谷間なので丘の上には誰も居ない。


 人数は11人、それも全員が遺跡から目覚めた者だとわかる特有の武具を持っているのがわかった。前と後ろに5人ずつ居て、1人は隠れて見ている。こいつはさっき私達を見ていた奴だと思われる。

 距離が近いのでレーダーにうつっているからだ、眠兎の周りにリング上に敵の位置や大体の距離感を伝えるリング状のものがレーダーとして表示されている。

『ミナ…この人達って…』

(おそらく遺跡から出てきた記憶喪失者よ)

『ど、どうしよう…』

(気にしないで、ただ生きるために犯罪行為に手を染めているクソどもよ。気にせず、集中した方がいい)


プレイヤーたちが徒党を組み犯罪行為をしている。それはそれでこのゲームの楽しみ方なので、ゲーム内で討伐されればいい話だ。


それでギャングスターや裏世界のボスとか目指すのと楽しみ方の一つだ。私の知ったことではない、が立ちはだかるなら戦うまでだと思っている。


眠兎はビーム刃を展開させる、刃の形は斧。


リュックサックはすでに外し、地面に置いてある。盗賊どもめ、私たちを舐めるなよ…特有の武具持ちで浮かれた連中め…


ピリリとした緊張感が走り、彼らはジリジリと距離を詰めてきた。そして、その中でバチバチと奇妙な放電している音が聞こえてきた。


なんだこの音?今まで聞いたことがない…音からして雷とか電気系なのはわかる。音の方向は…隠れているやつからする。


「二人とも気をつけろ、ニードルガンを持っているやつがいる。音からすると大口径型だ、連射はできないタイプだ。音の方に注意」

 ニードルガン、確か内燃系…火薬による爆発力で発射される武器はこの世界では威力減衰され使えない仕組みになっている。となるとさっきのバチバチした音は、レールガンか!!!

(眠兎、音の方向に警戒。飛来する突起物が超速で来る可能性あり、方向指定で強化したパーティクル・アーマーを起動する)

『了解、そうならないように避ける』


 眠兎は戦闘状態になったことで精神状態が変わっていったのがわかった。元から私がこのアーマーを使っていた時は、アーマーが精神状態の緊張を安定させる何らかの薬品を投与していた。

 しかし、今は私がアーマーそのものになっている為、眠兎に対してはそういったことはしていない。よく思い返してみれば、昔の私は本当に向こう見ずに何やっていたんだろうと思う程の暴走っぷりだなと感じた。今はクールだ、うん、クール。


 今回の陣形は、乃陰が後ろ、恵那が正面、中央に眠兎という布陣。


 乃陰は武器を持っていない為、盗賊たちは乃陰から攻めていくと踏んでいる。それを捌くように私はハルバート状になっているビーム刃で薙ぐ、突くという感じだ。正面の恵那は確実に防ぎ、防御に徹するため今は盾と剣を装備している。

 恵那の盾を右手に持ち、剣は鞘に入ってる状態で狙われやすいようにしてあった。いつでも鞘状態から抜身に変更が出来るが盗賊はそれを知らないので油断していると思う。この状態で盗賊は数にしても装備にしても勝てると踏んでいるだろう。


 そして、交戦が開始される。


 恵那側の5人の装備は槍二人、剣と盾一人、双剣一人の構成。

 乃陰側の5人の装備は短い槍と盾持ち三人、ナイフ使い二人の構成。

 隠れている奴が一人で飛び道具、銃使いが一人になる


 隠れている奴の性別はわからないが、全員男だ。こいつらは油断をしていないのがわかる、確実に殺るつもりというのが感じられる。眠兎はフルアーマー状態なので性別がわからないため、相手は男だと思っているだろう。性別が相手に知れ渡ったら…それは厄介だ。


 シッ!


 掛け声にも似た音ともに乃陰側のナイフを持っている男からナイフが乃陰の太ももにめがけて投げられる。時間差による攻撃だが、乃陰はそれを左右非対称状になっている服のローブのように垂れている部分を持ち、いなした。

 私は、あの奇っ怪なデザインは防御用に使うのかというのが知り、驚いた。だってなんかダサくて、乃陰の悪趣味が服装やファッションににじみ出ている何かだと思っていたからだ。


 カランカランと音を立ててナイフが落ちる前に、乃陰に向けて盾を持った槍使いが三人それぞれ邪魔にならないように広がり、喉元、胸、腹を狙って的確に突いた。時間差の攻撃、防御した直後を狙った時間差攻撃だ。


だが、真横に避けることでその突きは空振りに終わる。黄色い残像がにゅるりと動いたように相手は感じただろう。


奇妙な顔つき、あれは驚いているんだろう。この戦法でいつも一人目を仕留めてきたのか、避けられたことに驚いて隙だらけだ。


 一方反対側の恵那は、連携された二人からの槍による攻撃を捌いていた。剣と盾を持っているやつは攻め込めてない。槍の攻撃をそれぞれの行動を阻害するように捌き、他の二人も加勢しにくいようにしているのだ。

最初の槍使いたちの連携攻撃後、盾持っているやつとスイッチして組ませ、その後に槍で再度攻撃すればいいのに、槍使いたちが必死になって攻撃していた。


眠兎は、二人から離れない位置から自由に戦ってみてそこから学べということだった。

一番の重装備が二人に守られているような形になっている。そして、どちらに加勢するか眠兎には瞬時の判断ができなかった。


少なくても私はどちらにも加勢しなくても終わるのが見えてしまった。


だが、懸念がある。ニードルガンを持つ銃使いだ…今まで対応したことのない武具だ。使い勝手がひどく悪く、弓や投石器といった方が主戦力として戦場に使われている。


そんなことを考えてるうちに、眠兎は乃陰に加勢することを決めて動き出した。


槍使いの三人、乃陰に攻撃が当たらずナイフ使いも投擲するにも狙いが定まらなかった。ナイフ使いは流石に重装備の眠兎に攻撃が通るとは思っていないため、投擲はしてこなかった。眠兎は相手のナイフが自分に対して有効ではないと思っているのがわかり、跳躍して乃陰側の5人の後ろ位置に跳躍し、斧状態のビーム刃でナイフ使いの一人を薙いだ。


「ぎゃああああああ!!!!!!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ