表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/50

0-

「創星記戦:私がリビングアーマーになるまで」の続きになります。

 一人で遊ぶゲームというのは、現実の記憶を持った状態で異世界に飛ばされているようなものだと思う。昔は物語やイベントが決められていて、それに沿ってゲーム内の主人公が考え行動してそれを追体験するもので異世界に飛ばされるというのは違った。


 選択肢もいくつかはあるが、マルチエンディングといっても限られたエンディング。二周目以降も話の展開がわかってるからこその違う選択肢や死んでしまうヒロインを死なないように先回りするといったことも出来るわけじゃない。


 現在、そういったことがわかりきっているイベントなくなく現実の記憶を持ってしてプレイできるゲームがあるとしたら…それは別世界、いやもう一つの人生と言ってもいいんじゃないかなと思ったりした。


 自分でキャラクターを操作できるならだけど


 私はため息をついた、といっても肺やら心臓やらそういった器官はない。自分自身がどういった状態なのか改めて確認しようと思う。多分だけど、私はリビングアーマーだ。私自身の性別は女だ、そしてそのアーマーを装備しているのは女だ。アーマーだが感触というのはなく、装備してるのかされているのかわからないが装備という状態の感覚はある。もしも嗅覚とかあったとしたらそれはキツイなと思う。汗の臭いなどあったとしたら、それは泣きたいし、耐えられないと思う。


 今、私を装備しているキャラクター、いやアバターの名前は咲真さきま眠兎みんと、腰くらいまで髪があり、黒髪。今は変速ツインテールになっていて、光に反射すると若干赤みがかかる。胸のサイズはまあ、それなりにあるとは思っている。

 ファンタジー異世界のゲームで性別というのは世界観によるけれど、女性アバターというのは命の危険以外に身体の危険もある。レーティングなど設定されてゲームによってはそういったイベントは起きないか、対策はいろいろされている。もちろん、このゲームでもそれはされているのか、仲間が守ってくれたりするというのもある。


 その仲間というのが二人いて、生き別れ姉を探し当てるものの、姉からお前は弟でないから弟と会って確かめてみろと言われた青年、飛翔ひしょう恵那えな

 もう一人は常にゴーグルをつけている盲目、眼はどうやら盗られたらしく取り戻すために旅をしている。名は香月かづき乃陰のいん


 二人のおかげで私、というよりも眠兎が結構安全に冒険が出来るようになっている。眠兎は記憶を失っていて、その記憶を取り戻すために世界を旅し、記憶の手がかりとなる遺跡めぐりをしている。


 遺跡といっても黄金の民と呼ばれるすっごい文明力を持った民の遺跡だ。その遺跡のどこかに眠兎の記憶に関する手がかりなりがあると思われる。確信が持てないため、手探りになっていてもどかしさを感じる。


 今、世界は眠兎みたいな記憶喪失者が遺跡から溢れかえっている。単純にゲームが正式にロンチされてプレイヤーが遊び始めてきてる為だ。私はβテスターとして遊んでいたのでこの世界の情勢や知識を知っている分、今のこの記憶喪失者たちが遺跡からわんさか出てくるのはかなり異様だと感じる。


 このゲームの世界は文明が中世より少し進んだ中に、技術力が圧倒的な国が世界を平和にした後にその国が消えてしまった状態だ。世界は侵略や領土戦争、平和だった状態から混沌に戻った中で自分の目的を見出し楽しむゲームだ。

 ただし、プレイヤーは擬似記憶喪失状態でプレイするため、純粋な自分の心理構造がどういうものなのか体験できるようになっている。今までの経験や知識に基づいた行動ではなく、それを制限された状態でのプレイが可能となっている。自分のEQ指数と呼ばれる心の知能指数を客観的に見ることが出来るようになっている。

 

 リージョンレイテッドワールドと呼ばれるゲームシリーズの4作品目の今作「ソーディアー」

 化学反応が現実と違い減衰される為、違う法則が働いているファンタジー異世界だ。


 そんなゲームの世界に意識を閉じ込められたといっても過言ではない私、ミナの物語である。


 本来だったら現実の記憶がない状態なのに現実の記憶を持ち、キャラクターが操作できず…キャラクターが装備してる武具になってしまっている。運営に連絡しようにも出来ず、この謎な状態を解明すべくゲーム内でもがくことを決意した私である。


 現実の私は、記憶障害状態になっていて今のこの状態を知らないという奇妙な状態だ。


 そんな私がリビングアーマーとなって、元は自分が操作していたアバターを助言したり、傍観したりして、時には本体の行動を強制したりする。くよくよしたって仕方ないし、前向きに行く。


 女は行動力って言うしね。


『ねぇ、ミナ?遺跡はまだ遠い?』

 黄金の民の遺跡が発見されたらしく、私達、3人はそこに向かっている途中だ。眠兎は私に話しかけてきているが恵那と乃陰、二人には聞こえないように脳内というか不思議な念波というか、そういう感じのもので話している。思念会話が一番しっくり来るかなと思った。私もよくわかってないというのが本音だ、自分自身がこの武具であるアーマーになっているのもごく最近の出来事だったからだ。


(うーん、この調子だとあとちょっとかな…ほら、がんばろ!)

『もうちょっとかー、がんばるー』

 眠兎が気だるそうに答えるが、周りの警戒はしている。


 町から離れ、町と町をつなぐ道から逸れた地帯を今歩いている。あたりは草原と岩が付き出ていたり、丘があるせいか見晴らしは良いとはいえない所だ。武具についてる機能で周りを索敵する機能もあるが、どうにもリビングアーマーになってからうまく機能しなくなっていた。

 今までは無意識に使えていたのだけど、周りに生き物がいるのか視認しないとわからなくなっていた。以前は視認しなくても他の人には見えないが自分には見えるようなマップが視界に表示されて、わかってしまっていたのだ。


 「3時の方向から何か接近してくる」

 乃陰が何かを感じ取ったらしく、私達は警戒態勢から戦闘態勢になり、陣形を変える。盾役としての恵那が前にし、三角形の形になる。恵那の右後ろに眠兎、左後ろは乃陰という形だ。


 「数は?」

 恵那が盾を構えながら、丘の向こう側を警戒する。

「5体、4足歩行…これは狼系か?」

 狼系…連携をとって襲ってくるタイプは非常にやっかいで陣形を整えて常に正面に向かい合って戦えるものではなく包囲されることがある。


 「くるぞ!」


 眠兎は武器を構え、ゴクリとつばを飲み込む。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ