忘却の彼方に
幼い頃から人と関わるのが苦手で気弱な性格の主人公・北条 歩。その性格から学校でも友達という友達もあまりできず、孤独なスクールライフを送っていました。
そんな彼が出会ったのは一匹の捨て犬。誰にも相手されず、ただ悲しそうな目を向ける犬に、彼は自分との境遇を重ね、救いの手を差し伸べる一方で自分も救われたい一心で飼うことを決意しました。
犬はソラと名付けられ、それからというもの、少年は今までよりも少しづつ元気になっていき、学校でも以前より話すことができるようになります。少年はその犬を可愛がり、ソラも少年にとても懐いていました。
しかし、そんな幸せな日々も長くは続かず、ソラは交通事故でこの世を去ってしまいます。
ソラは今わの際に願いました。
―――人間に生まれ変わってもう一度ご主人に会いたい。伝えたいこともあるんだ
哀れに思った神様は、ある条件の下にソラの願いを聞き入れることにしました。
それから数年が経ち、高校2年となった少年のクラスに一人の少女が転校してきました。
「初めまして。私、桜空 春奈といいます」
こうして止まっていた物語が再び動き始めたのです。
プロローグ
2014/05/09 18:50