表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新宝島  作者: たかたか
3/5

第3話:宝の地図

その夜、民宿の二階の部屋で、ランプの灯りが揺れる中、トムはジムにすべてを話した後、独りで残った。

ジムが寝床についたのを確認すると、トムは古い革の袋から地図を取り出し、テーブルの上に広げた。

インク壺と羽根ペンを手に、慎重に線をなぞり、島の輪郭、座標、目印のすべてをメモ用紙に複製した。

「これで、万一の時にも……」

トムは独り言のように呟き、複製した地図を小さな木箱にしまい、部屋の隅の棚の奥に隠した。

本物の地図は元の場所に戻し、床板を元通りにした。

外の海は静かで、星がカリブの空を覆っていたが、トムの心は重かった。

シルバーの影が、すぐそこに迫っている気がした。


翌朝、陽光が民宿の窓を照らし始めた頃、ジムは祖父の頼みで近くの市場へ買い物に出かけた。

新鮮な魚とパンを籠に詰め、潮風に吹かれながら民宿への道を急いだ。

「おじいちゃん、今日は一緒に網を直そうか」

ジムはそんなことを考えながら、玄関の戸を開けた。


だが、そこに広がったのは、血の臭いと荒らされた部屋の惨状だった。


カウンターが倒れ、椅子が散乱し、床には赤黒い染みが広がっている。

そして、トムが――祖父が、胸にナイフの傷を負い、息絶えて倒れていた。

ジムの籠が落ち、魚が床に転がった。

「おじいちゃん……! おじいちゃん!」

ジムは駆け寄り、トムの体を抱き起こしたが、すでに冷たくなっていた。傷口は深く、争った形跡が部屋中に残っていた。

床の近くに落ちた木製の義足の欠片――それは、ジョン・シルバーのものに違いなかった。

買い物に出ているわずかの間に、シルバーが訪れ、トムを殺し、地図を探し出したのだ。

床の下の床板が剥がされ、古い革の袋が空っぽになっている。

本物の地図は、シルバーに奪われていた。


ジムは膝をつき、涙をこらえながら叫んだ。

だがすぐに、近所の住人が騒ぎを聞きつけ、駆けつけてきた。

誰かが保安官を呼びに行き、間もなくして官吏の男が数人の兵を連れて現れた。保安官は厳しい顔で現場を検証し始めた。

「これは殺人だ。海賊の仕業か? 義足の男の目撃情報があるぞ」

兵たちが部屋を調べ、トムの体を布で覆い、証拠を探す。

ジムは震える声で、昨日の男のことを話した。

「ジョン・シルバー……片足の男です。おじいちゃんを、トム・ゴールドと呼んで……」

保安官は眉をひそめ、記録を取った。

「トム・ゴールド? あの伝説の海賊か。生きていたとはな……だが、証拠がない。捜査するが、シルバーはもう島を離れたかもしれない」

現場は封鎖され、ジムはただ茫然と立ち尽くすしかなかった。


検証が続く中、ジムはふと、二階の部屋へ上がった。

祖父の棚の奥を探り、木箱を見つけた。中には、昨夜トムが複製した地図が入っていた。

島の輪郭、X印の場所、座標――すべてがそこにあった。ジムは地図を広げ、指でなぞった。

「おじいちゃんが残した財宝……宝島の宝」

胸に熱いものが込み上げた。

シルバーが本物の地図を奪った以上、あいつは宝島へ向かうだろう。

だが、この複製があれば、自分も行ける。シルバーより早く見つけ、祖父の仇を討つ。

いや、祖父の望んだ平穏を守るために、宝を沈めるか、隠すか――いずれにせよ、動かねばならない。

ジムは地図を握りしめ、窓から見える海を睨んだ。

「絶対に、シルバーには渡さない。おじいちゃん、僕が守るよ」

そう誓うジムの目には、少年の無垢さと、海賊の血が宿る決意が宿っていた。


保安官の検証が終わり、民宿は静けさに包まれた頃、ジムは行動を決意した。

港へ行き、船を探す。

宝島への旅が、始まろうとしていた——

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ