失恋記念日
ハルちゃんって、顔に出やすいよね。
だから、かほね、すぐわかっちゃったんだ。
3人は近所でも仲が良くて評判で……この関係がずっと続けばいいのにな、そう思っていた矢先の出来事でした。
近所に住むかほちゃんとわたしは女友達。
幼稚園も小学校も一緒。
そこへ引っ越してきたのがけんちゃんでした。
けんちゃんは3人兄弟の末っ子で、わたしの弟とよく仲良くしてくれてました。まだ弟が小さい時、うまく言葉が出せず弟は、ねんね!ねんね!とわたしのあとを追いかけてきます。可愛いな、と思うと同時にわたしは弟を全力で守らないと!と決意するのです。
弟に喧嘩?売ってくる悪ガキがいれば完膚なきまでに口論で成敗し、わたしは甘えん坊な弟にお母さんとお父さんの愛情を譲りました。
まぁ、これくらい、いいでしょう!
そう楽観的に物事を考えていたからです。
時が経ち、わたしは中学生、弟は小学校高学年に進級しました。習い事の習字教室に時々通いつつ、慣れない中学生生活は始動します。
ある日の昼休み時間のこと。
そういえば、ハルさんの弟さんってかなりのイケメンって聞きましたけど、連絡先教えてもらえます?
あー、これはまずいですね。
同級生の派閥でも上位層に君臨するだろう派手な制服の着こなしをした女子生徒に面と向かって言われて、内心ヒヤリとする私です。
対する私はというと、真面目な優等生キャラ街道まっしぐらです。度の入った薄い縁のメガネのたらを片手で押さえて、声のトーンを普段よりワントーン下げることを意識。
若干の間を開けて、ゆっくりこう答えました。
弟に直接聞いてくれます?
生憎、わたしが勝手に教えると機嫌悪くするのは彼なので(ニコニコ
す、すみませんでしたー!!!
ピューという風が吹く効果音が聞こえる勢いで脱兎の如く逃げていく女生徒。
邪魔者成敗完了なのです。
こうして私は、また昼休みの惰眠を机に突っ伏して貪るのでした。




