雑文ラノベ「清涼殿の牡丹一輪~コロンディーナ~」
作中に表示される画像はアカウントNo:2124503 作者名:コロン様より使用許可が下りています。
ダウンロードしてパソコンの壁紙に使ってもいいはずだけど、イタズラ描きはするなよっ!
コロンディーナ・コロンデールはおじ様さまである。否、お譲様である。その生家はウロナ王国内でも辺境の地と言われているエッセイセ領を治めているコロンデール伯爵家だ。
まぁ、辺境とは言ってもエッセイセ領はそこそこ豊かな土地であった。なので昔はやんちゃなお子ちゃまたちが、家の手伝いもせずに竹槍担いで野原で模擬戦をして遊んでいたくらいである。
しかし時代は変わった。特に領民たちの高齢化問題は深刻で、おかげで最近の話題と言ったら疾病の話と隣近所とのトラブルの話が殆どだ。
勿論ジジイたちは政治の話が大好きである。更に話し相手がいないジジイたちは最近流行しているAIを相手にあれこれ話しかけているようである。
そんな環境なので希望に燃える若者たちは、皆ある程度の歳になるとエッセイセ領を出て『都会』へ行ってしまう。
まぁ、出て行った先で成功するのはほんの一握りの者たちだけではあったが。それでも若者たちには人で溢れ返っている『都会』が魅力的に見えるのだろう。
で、話を戻すがコロンディーナ・コロンデールはエッセイセ領を治めているコロンデール伯爵家のお譲様である。そして御歳17歳と8千888日のぴちぴちギャルだ。
その美貌足るやジジイとババアしかいないエッセイセ領では群を抜いた存在である。
しかしコロンディーナ・コロンデールにはちょっと困った悪癖があった。それは『浪費』である。
そらもう気に入ったものにはヤカンひとつにも大枚をはたいてしまうくらい物欲に制動が利かなかったのである。
なのでコロンデール伯爵もこのままでは伯爵家が破産してしまうと、知り合いのS級冒険者に相談したらしい。
そしてS級冒険者が提示してきた解決策が、人買いに売っぱらっちまえというなんとも物騒なものだった。
しかし娘の浪費に困窮していたコロンデール伯爵はこの話に乗ってしまう。そしてS級冒険者が紹介してきた貿易商人へたった33万ギールで娘を売ってしまったのだ。
勿論コロンディーナにはそんな事は言わない。ただ東の方にお前の事を聞いて大層会いたがっているお金持ちのハンサムボーイがいるらしいので会いに行ってはどうか?と持ちかけたのである。
そしてジジババしかいないエッセイセ領に辟易していたコロンディーナは疑う事もなくこの話に乗ったのであった。
かくしてコロンディーナは貿易商人であるタマゴポーロと供に東方へ向けて旅立ったのである。
因みにこの旅はその殆どが陸路を馬に乗って進むキャラバンだったので目的地に到着するまで4年の月日を要した。
だがコロンディーナ・コロンデールは永遠の17歳と8千888日なので歳はとらなかったようである。
更に4年も旅をしたのならば話す事も沢山あるのだがここでは割愛する。何故ならばロンディーナの旅の目的は東方のハンサムボーイに会う事だったからだ。
なので途中の絨毯などの産地として有名な現トルコやイランといった地域で男たちにモテモテだった話は内緒にしておかなければならないのだ。
で、漸く到着したモンスターゴル帝国で、コロンディーナは帝国の武人で本当にハンサムボーイだった男性に気に入られイチャイチャしまくった。
ここら辺はさすがはエッセイセ領随一の美姫と言われたコロンディーナと言えるであろう。
しかし蜜月は長くは続かなかった。そう、モンスターゴル帝国の皇帝、エビフライ・ハーンが小生意気な極東の島国へ2回目になる征討を行なうと宣言したからだ。
なので帝国の武人であるハンサムボーイも当然ながら戦いへ行く事になったのである。
しかしここで諦めないのがコロンディーナ・コロンデールであった。なんとコロンディーナは男装して兵士に紛れ込みハンサムボーイについていってしまったのであるっ!
だがここで運命の歯車が大きく回転する。そう、極東の島国へ到着し一戦を交えた晩に嵐がやって来てコロンディーナとハンサムボーイを乗せた船が転覆してしまったのだっ!
大波に翻弄されながらも樽につかまり沈む事を免れたコロンディーナであるが、周りを見渡しても何処にもハンサムボーイの姿はなかった。
そして夜明けと共に海岸に打ち上げられたコロンディーナは極東の島国の武者に発見され、その見た目の美しさにより戦利品として都へと送り出されたのである。
で、嵐により恋人を失った傷心のコロンディーナであったが、都で天皇の息子でありながら臣籍降下という不遇な扱いを受けていた宮廷のスーパージゴロ『光源氏 ひかるげんじ』に会った途端、一目ぼれしてしまったのだっ!当然光源氏からも熱いラブラブ光線が放たれていたのは言うまでもない。
だが、話は更に混迷する。なんと光源氏のライバルであり、尚且つイケメンでスーパーエリートだった『頭中将 とうのちゅうじょう』からもアタックを受ける事になったのであるっ!
そう、コロンディーナはふたりのイケメンからオトナな交際を求められたのであるっ!
因みに宮廷内のランクでは光源氏の方が頭中将よりもワンランク上です。そして光源氏の最初の奥さんである『葵の上 あおいのうえ』は頭中将の妹でした。
更に現在光源氏は『六条御息所 ろくじょうのみやすどころ』という女性と付き合っています。
しかも光源氏には本命が別にいて、その女性はなんと義理の母親っ!お名前を『藤壺 ふじつぼ』とおっしゃいます。
はい、さすがはスーパージゴロ。見境がありません。しかも話はこれで終わらない。なんと光源氏くん、藤壺の姪である『紫の上 むらさきのうえ』にまで手を出しますっ!
しかも紫の上ってまだ子供ですっ!これを持って光源氏くんは後世ロリコン呼ばわりされる事となりました。
更に歳取ってからも光源氏くんはお盛んで25歳も年下な『女三宮 おんなさんのみや』という女性を正妻に迎えます。
おかげでこの時、既に歳取っていた紫の上は正妻の座を奪われてしまいました。でもまぁ、その話は時期が違うのでコロンディーナ・コロンデールには関係ありません。
で、このようにツラの良さとマメさだけが取り得とも言える光源氏くんですが、一応天皇の息子なので宮中でもそれなりの影響力があります。
なのでコロンディーナは光源氏くんの口利きで、いきなり『御匣殿 みくしげどの』として天皇の側に仕える事になりました。因みにこの地位は今の感覚だと新入社員がいきなり部長職に抜擢されるようなものです。
当時これより上の地位は女性としては『御息所 みやすどころ』『更衣 こうい』『女御 にょうご』『中宮 ちゅうぐう』くらいしかありません。
因みに中宮とは皇后の別称です。つまり天皇の正室です。女性としてはトップです。いや、女性が天皇になった時代もあったけどそこはスルーしましょう。別になりたくてなった訳ではないみたいだし。
と言う事で、イケメンに言い寄られて尚且つ人が羨むような立場も得たコロンディーナは宮中でこれまでの波乱万丈な人生を振り返り、それを日記にしたためます。
こうして書き上げられた物語が『コロンディーナ・コロンデールの毎日』であり、趣味で集めたものを紹介した随筆が『ものものしいもの』です。
因みに書かれている文字はひらがなです。はい、そこら辺は突っ込んではいけません。確かにコロンディーナは外国人設定ですが、人間、努力すれば外国語だって修得できるんだからっ!デス イズ ア ペン?おぁ、あぽぉ?
で、本来ならばここからコロンディーナを巡るイケメンたちの恋の鞘当てや、嫉妬渦巻く宮中での陰湿なイジメなどが始まるんですが、それを書き始めると源氏物語張りに長くなるので後はご想像にお任せしましょう。
因みに清涼殿とは内裏にある天皇のお住まいの事です。つまり生活の場。そして内裏には中宮や女御などの天皇に関係した女性たちが住まう屋敷が清涼殿の奥、つまり北側にあり、それらは『七殿五舎』と呼ばれていたそうです。
そして、牡丹の花は古代中国で『百花の王』と呼ばれ尊ばれていました。さて、コロンディーナは異国の宮中で牡丹のような存在になれたのでしょうか?
それに関しては資料が残っていないので誰にも判りません。でも想像する事は自由です。
立てば芍薬、座れば牡丹。歩く姿は百合の花。
だけど何故か何もないところで転んでしまうのがコロンディーナ・コロンデールなのでした。
さて、かなり尻切れトンボとなりましたが続きはありません。そこら辺は『生暖かい目で見逃して下さい』。
また『こんな馬鹿な作者がいるわけないと思っていた』ならば自称『男子小学生に説教して』ください。
それではみなさんごきげんよう。
-お後がよろしいようで。-