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デート?

真夏を過ぎてはいるが、暑さは衰えるところを知らず、

今だに、汗は止まらない。

光を煌々と降り注ぐ太陽は

地表に生きるものを許すつもりはないらしい。

最近はジメジメとした湿気を手に入れ、営業中であろうOLは、

こまめに汗を拭きながら目的地に向かってひたすらに足を進めていたらしい足を止めて、こちらを見ていた。




ただ、そんな天の気も知らずに、るんるんで腕を絡めてくる人間(宇宙人)が一人




「あき、何食べる?」

「あき、ごはん食べたら何する?

 ショッピング?ゲーセンでも行く?」

「あきは結婚式するなら着物それともスーツ?」

「ねぇあき?聞いてる?だから、行くなら、

 海王星?それとも冥王星?ねえ、生きてる?」



必死に私の肩を揺らしているが

この人、一体何が聞きたいのだろうか?

どんどん規模がでかくなってる




ていうか、なに?行きたい惑星聞いてるの?

なんで、その二択になったの?

い、行くなら天王星かな…神様の王様?みたいだし




しかし、緊張してたけど、手を握ってるこの人のおかげか、

かなり落ち着いて周りを見られるようになってきた、




テーマパークに来たみたいだぜ、テンション上がるなぁ




辺りは、夏休みが終わったのか、

歩いているのは仕事中の大人か、

大学生くらいだった




「この辺りって閑静な住宅街って感じなんだ」

「そう、お母さん、子供産むってなった時、評判聞いて決めたって」

「さすが、才色兼備、しかもしっかり目的通り」

「わたしは?」

「…すごいと思ってるよ、ほんと」

「アバウト過ぎるもっとかっこよく言って」

「よっ、歩く姿は百合の花!」

「へへっえへへー」




そんな喜ぶ?こんなフワッとした誉め言葉で?

見た目しか褒めてないのに……

ちゃんとした一節にもなってない気がするけど、

ちょろいなー





どこ行こうか、

個人的にはやっぱり外食は一人が好きだ

好きなとこ行けるし、

誰かに食べさせると言う、プレッシャーもない




しかし、今回は気を使わなくてもいい(友達)みたいな相手ではある、

ではあるんだが…ただねぇ…




こう周りから見られると、別の意味で気を使う

すっごい、自分が有名人の気分なんだが




『すっごい、美人カップル』

『声かけたいけど、勝てる気がしない…』

『あの女じゃなければ…』

『相手の方あれ、この前の特集のYukIじゃない?』




こういうのってさぁ、ふつう男側がキャアキャア言われるもんじゃない?

なんで私より目立ってんだあんたは?




初の異世界探索は転生者よりも元の住民の方が強いという結果に終わった

ここに俺つえーは存在しません

______________________

そんなこんなで、隣の有名人をもてなすような飯を

考えなければならなくなったのである

今日普通に、マクド行きたかったんだけど…




「姉ちゃんいつも外食する時って、どこ行くの?」

「うーん、そんなに行かないかな、行っても、スタバとかドトールとか飲み物だけかな」


「さすが、有名モデル、ちゃんと食事管理してるんだ」

「ううん、気にしたことない」

「天才タイプかー」

「最近は早くあきの部屋行きたかったし」





知ってた、ですよねー

あなた、この落ち好きね




「でも、おすすめはある」

「そうなの?」

「この前、モデル仲間がいいお店教えてくれた」

「おおー」

「男の人も通ってるって」




「すげぇ、ほんとにあるんだ、そういう店」

「予約一年待ちだって」

「ダメじゃん」




選択肢極端すぎない?

スタバか一年待ちかの二択って…

何のために外出たんだよ、

選択肢に今すぐ食えるものがないんですが

この後すぐ食べたいんだって




もう気にせず行くか、

注目されてるのこの人だし




「ファストフードの気分だし、マクド行くか」

「ん、そうする、」

「この時間なら混むだろうし、モバイルオーダーにするか」

「うん、そうした方がいい」

_______________________

「あ、ありがとうございましたー!」

「どうもー」

「ありがと」

「あぁ…行っちゃった……」





さ、帰ろ、帰ろ、目的は達成した

私は基本お持ち帰り派、お店ってねぇ

落ち着かないし、イス合わないこと多いし

お家最高!愛してる!




はい、今デリバリー使えよとか言ったやつ

手を挙げさい、いいですか

デリバリーというのは恐ろしいものなんです

配達員に食べられて、なくなっているかもしれない

ポテトは冷え切って、凍ってるかもしれない

もしかしたら、落したことに気づかずに

袋だけ置いているかもしんない

ねっ、怖いでしょ(一部フィクションです)




「さ、帰って食おうぜー」

「え、帰るの?」

「え、帰るよ」

「デ、デ、デ、デ、デートは?」

「あなたは付き添いですよ」

「この後の水着選びは…?」

「シーズン終わったのに⁈」




思わず叫んじゃったよ、めちゃめちゃ人いるのに

今何月だと思ってんだ?

水着の季節は過ぎたよ、1カ月前に…




「あきと一緒に海、行きたかった……」

「きっと今頃はクラゲがいっぱい浮かんでんじゃないかな」




「わぁーすごい!見に行きたいっ」

「そ、そうだね、きっと、、綺麗なんじゃないかな」

「だね!入ってみたいなぁ」




見る分には綺麗なんじゃないかな

入ったらまぁ、想像通りだと思うな




「より行ってみたくなった、やっぱり見に行こう」

「もう、並んでないんじゃない?水着」

「あ、そうか残念…」




露骨に落ち込んじゃった

いつもはほぼ表情筋が動かないのに

今日は朝から活発なせいか、顔に出ている

なんか、悪いことした気分だ



「うーん、じゃ、じゃあ、今度の休み、買い物付き合うよ」

「えっ、ほんと!」

「ほんと」

「ほんとにほんと⁈」

「ほんとにほんと」

「ほんとにほんとにほんt!」

「絶対!付き合うよ」

「ありがとう、あき!愛してる!」




……

うーん、うん、普段わがままな姉ではあるが

やっぱり、笑顔の方がこちらも気分がいい




ところで胸のあたりでギュウギュウ押し付けてるものを早くどけてほしい




ほんとに!はやく!急いで!

家に帰ったら襲われちゃう!!




「ありがとう、あき」

「どういたしまして」

「次の休みは……いつだっけー…再来週だ」

「まあ、その日のプランは任せるよ」

「えっ、いいの⁈」

「ラブホフィニッシュだけは勘弁で」




「スタートならいいの?」

「却下で」

「そっか…だったら、ミョウガミュージアム行きたい」

「え?」

「友達から教えてもらった」




なにそれ、ミョウガに博物館なんてあるの?

そんなに種類あるの?

ソーメンの薬味でしか見たことないんだけど

現代JDの流行りってよくわかんないね




「……帰ろっか」

「うんっ」




行きしと同様、こんなにクソ暑いのに

腕を絡めてルンルンで歩いている

まぁ、いっか




久々のジャンクフードにワクワクしながら

同じくルンルンで帰る、二人であった






え、まだ、手あげてたの?下げていいのよ







うめぇ

寿司食いながら書いてました

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― 新着の感想 ―
[良い点] デリバリーへの偏見(事実含む)のとこ大好き
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