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⑤テレビドラマ製作会社からの要望
運動会の余韻に浸った。
凄かった。
知らない町の、知らない小学校。
そこの、知らない生徒たち。
全く知らないのに、愛が生まれた。
優しい心が生まれた。笑顔が生まれた。
プルルルルルルル・・・・・・
プルルルルルルル・・・・・・
電話だ。
また、依頼だろうか。
「はい。本当の雨男です」
「あっ、こんにちは。ドラマ関係なのですが、イケますか?」
「はい」
「雨のシーンの依頼をしたいのですが」
「あっ、はい。大丈夫ですよ」
晴れからだんだんと、雨に移りゆくシーンが撮りたい。
そういう電話があった。
もちろん、引き受けた。
面白そうだから。
都会の公園、みたいな場所だ。
自然と街の融合、みたいな感じの場所だ。
小さなプレハブに入れられた。
そのシーンのときだけ、出ることになった。
カメラの後ろなので、気が楽だった。
スタッフの手を上げる合図と共に、外に出た。
ぬるっと出た。
やさしく出た。
傘を差しながら、ただ突っ立った。
ずぶ濡れの男女が、いい感じになっている。
いい体験だ。
その後、監督に呼ばれた。
また、依頼されるのだろうか。
それとも、クレーム関係だろうか。
「ドキュメンタリー風の映画の、主演の話なんだが。どうかね」
「主演ですか? 僕がですか?」




