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白き死神のGディバイド  作者: 河原 机宏


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格納庫にて

 格納庫は高さが30メートル以上あり、全高が15メートル程度であるオービタルトルーパー2機分のスペースがある。

 また、オービタルトルーパー専用のハンガーが8つ設置されており、現在そのうちの4つが使用されている状況だ。

 その他予備パーツなどが詰め込まれたコンテナ類がいくつも固定されていたり、メンテナンス作業用のロボットが複数搭載されている。

 そんな格納庫では、戦闘が終了した4機のオービタルトルーパーのメンテナンスが行われており、活気に満ちていた。

 心なしかメカニックマン全員の目がキラキラ輝いている様に見える。4人が格納庫に来ている事に気が付いた男性が近づいてくる。

 男性は30代半ばほどで頬や作業着の所々にオイルが付着しており、つい先ほどまで機体のメンテナンスを行っていた事が窺える。他のメカニックマンと同様に、その目は活気に満ちていた。


「おう、戻ってきたか4人とも。艦長ベッピンだっただろ? あれがうちのボスだと思うとただでさえやる気があるのに、さらにやる気が出るよな!」


 彼は、<エンフィールド>オービタルトルーパー整備班班長のカズヤ・サワタリ曹長。機械いじりが好きなメカニックマン達の中でも群を抜く機械好きであり、ユウ達が着艦した直後、少年のような眼差しで彼らの機体を眺めていた。

 コックピットから降りてきた彼らとは会話を少し交わした程度であったが、既に旧知の友のように接してくる。

 カズヤの話では、4機の簡易的な機体チェックは既に終了しているとの事であり、その仕事の早さに4人は驚いていた。


「初めて扱った機体のチェックがもう終わったのか? 失礼だが、ちゃんと確認はやったのか? いくらなんでも早すぎると思うんだが……」


 彼らの仕事内容が適正であるのか不安になるマリクではあったが、彼の言動にカズヤは不服に感じながらも、その理由を語る。


「俺達の仕事が不満だっていうのか? 全く、これだからパイロットは……。いいか? よく聞けよ。俺達整備班1人1人がこの日をどれだけ待ちわびたと思ってるんだ? それこそ、各機の整備マニュアルを頭に叩き込んで、機体をバラシては組み立て、バラシては組み立てるという妄想を何度もやっていたんだぞ! 肝心かなめの機体がないから妄想で済ましてたんだ! 何日も! そこにようやく本物が来たらどうなると思う? 一気にいじり倒すに決まってるだろうが! 皆嬉しくて作業に没頭して気が付いたらもう整備が終わっちまったんだよ、ちくしょう! 少しぐらいどっかぶっ壊して来いよ、色々改造するからさぁ……」


「……何か、すみませんでした……」


 口早にまくしたてる整備班班長の鬼気迫る訴えに、気圧されるベテランパイロット4人。気が強いルカでさえ、その異常な熱気を前に萎縮し怯えている有様だ。

 そんな中、ユウが自機である<Gディバイド>の方に目を向けると、そこには1人の女性が立っていた。髪はショートヘアーで長身のスレンダーな体格をしている。

 カズヤの訴えに他のメカニックマンも同調する中、彼女だけはその輪に入らずにずっと白い機体を眺めている。その事をカズヤに問うと、彼は彼女を呼び出し、パイロット達と対面させる。


「こいつは、うちの紅一点で俺と一緒に<Gディバイド>のメカニックを担当する。若いが腕は優秀で他の連中が舌を巻くほどだ。ほら挨拶して」


「ケイト・アンダルシア伍長です。よろしく」


「………………」


((((えっ、もう終わり?))))


 カズヤが手短に彼女を紹介し、挨拶を促すと彼女はほんの一言でそれを済ませる。あまりパイロットには興味を持ってはいないようである。

 ユウ達が挨拶をしようとすると、いつの間にか彼女は元の位置に戻っており、再び<Gディバイド>に熱い視線を送っている。それを見かねたカズヤがフォローを入れる。


「なんか……すまん。あいつは、変わり者でその……なんというか、生身の人間にはあまり興味が無いようでな。メカニックとしての腕はいいんだが、相当なロボオタクらしくてな……メンテが終わってからずっと<Gディバイド>を見てるんだよ」


「班長、ちょっと違います。ただ見ているんじゃないです。視姦しているんです」


「………………」


 耳を疑うような彼女の発言に、言葉が出ないパイロット達とメカニック達。特に自分の機体をそのような目で見られるだけでなく、メンテナンスで実際に触れられるユウの心中は不安でいっぱいになる。

 こうしてパイロット4人は、着任早々とんでもない所に来てしまったと、先行きが不安になるのであった。

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