表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白き死神のGディバイド  作者: 河原 机宏


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/52

合流

 工業コロニー〝ベルファスト〟にて行われた戦闘が終了し、機動戦艦<エンフィールド>は、早々にこの宙域を離脱した。

 このコロニーが巻き込まれたのは、『地球連合軍』が<エンフィールド>の奪取もしくは破壊を目的として攻撃してきた事が明白であったからである。

 自分達がここに止まれば敵の増援が送り込まれ、再び戦闘になりかねないと危惧しての事であった。

 そのため、『シルエット』の救援部隊の到着を待たずして、次の目的地であるエリア3(ドライ)にある『地球連合軍』の基地、資源衛星リザードを目指し出発したのである。

 ベルファストを離れた後、<エンフィールド>のブリッジでは、先の戦闘で合流した『アンデッド小隊』の4名が着任挨拶に訪れていた。


「――以上、『アンデッド小隊』4名着任しました。合流が遅れ申し訳ありませんでした」


「いえ、先程の戦闘ではありがとうございました、ドーソン大尉。もしあなた方が救援に来なければ、本艦は敵に撃墜もしくは奪取されていた可能性が高かったでしょう」


「艦長、気にしないでください。我々はこの艦のパイロットとして当然の任務をこなしただけです。今後もよろしくお願いします」


「はい、よろしくお願いします」


 艦長のアリアへの着任報告が済むと4人は格納庫に向かいながら、ブリッジ要員の若さ――特に艦長であるアリアが若く容姿端麗な女性であった事に驚きを隠せないでいた。


「それにしても驚いたな、艦長があんなに若い女性だったとはな」


「そうですね、まぁこっちとしては守る対象が嫌見たらしいおっさんよりも、ああいう綺麗な女性の方がやる気が出るんでいいんですけどね」


「ケイン、何度も言うが女性関係のもめ事は勘弁だぞ。この艦は<スプリング>に比べて女性クルーが多いようだし、とにかくお前のおかげで俺達も被害に遭うのはもう嫌だ」


 ユウの訴えは切実だった。ケインの女性関係のもめ事に巻き込まれ仲裁に入った際に、ボコボコにされた経験があったのだ。

 その後、ケインから何度も謝罪を受け、男性が喜ぶ素敵なブツを貰った事で手打ちとしたのである。

 だが、その時の修羅場は彼に軽いトラウマを植え付けていたのであった。それは、ルカも同様であり、同性がこんなバカな男に踊らされる姿を見るのは耐えがたいと思うようになっていた。

 パイロットとしての技術は当てにしてはいるが人間性の部分では全く信用してはいないのだ。

 しかし、彼女がケインを怒る理由はそれだけではなく、彼が女性達と仲良くしている姿を見ると、何故だかイライラしてくるというのもあった。

 それなりに経験のある女性であれば、その感情がどういうものなのか分かるのであろうが、如何せん彼女はブラコン故に異性と付き合ったり恋心を抱いた事が皆無であったので、齢20歳にして初めての感情に戸惑うのであった。


「ケイン、今度粗相したらひどい目に遭わすわよ。いつも迷惑を被るのは私達なんですからね!」


「……分かったよ。お前らに嫌われちゃ、俺もおしまいだからな……なるべく自重するよ」


(((あ……これ、またやるな……)))


 経験上、ケインの〝なるべく〟という言葉は信用には当たらない事を『アンデッド小隊』の3人は熟知していたので、今後も彼の行動には警戒する方向性となった。

 ケインの女性関係の話をしながら、4人は艦内のエレベーターで格納庫まで移動していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ