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Indelible Flame  作者: ユペソ
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第1話 はじまりと出会い

20XX年、人類は遺伝子操作技術の発展により動物と人間の遺伝子を持つ「獣人」の発明に成功を遂げた。その後、獣人は瞬く間に増えていき、一つの村ができるほどまで生息していった。しかし、全世界に広がってまもなく、獣人と人間の領域争いで亀裂が入り、戦争が勃発した。その戦争の兵器として人間の技術を利用して悪用し、我々はそれを「悪魔獣(デ・ビースト)」と呼んだ。 終戦後は平和言い難く、多くの悪魔獣が世界中に散らばり、多くの被害を受けた。


ーそれから1世代への時が経ったー


この話の主人公であるリクは悪魔獣討伐協会の一員である。そこではその名の通り悪魔獣の討伐し報酬をもらうという日々である。悪魔獣は全国に多種生息している。リクが担当する区域では男女でタッグを組み、2チームで討伐に向かう。


リク「...なのになんで俺だけ一人なんだよぉ〜...」


そう言ってリクの先輩、リュウトと食堂で話をしている。


リュウト「まあ隊員がいないんだ。仕方ないだろ」


そう。リク達が担当する区域は隊員不足なのだ。だからといって依頼や悪魔獣の出現率が少ないわけではない。討伐協会の核となる区域が隣の区域(現在の東京付近)にあることから他の隊員はそっちに流れていったことが原因かと考えられている。


リク「リュウト先輩はいいっすねぇあんな綺麗な人がパートナーだなんて...」


リュウト「シズクのことか?誰にも貸さんぞ?」


まるで自分のもののような言い草でますます羨ましくなる(二つの意味で)。


シズク「なんの話をしてるんです?」


ひょこっと二人の間に彼女がはいってきた。


リュウト「いやぁリクがお前のこと綺麗だって話してたんだよ」

シズク「ふふっいい後輩をもちましたなぁ」


そういいながらシズクはコーヒーを一口飲んだ。

二人はこの区域を約7年悪魔獣の討伐をしているベテランで、今は新人チームの指導者として活動している。しかしチームのほとんどが獣人ということで人間の指導者が有り余ってしまっているのだとか。今はソロであるリクの指導を3年間行なっている。


リュウト「お前さんも三年間ソロしてりゃそこまでパートナー欲しいって思わんだろ?」

リク「いや、今パートナー欲しいみたいな話ししてたじゃないですか。」

リュウト「まぁそのうち来るだろ。気長にまとうや」


リクは気長に待ち続けている方なのでそう言われてグッタリと机でうなだれた。

すると突然食堂の電気が切れた。


リク「...!」

シズク「停電?」

リュウト「おれはなんもしとらんぞ。」


緊急事態なのか獣人、黒狼の司令官から連絡が来た。


司令官 [リュウト!西南の古い発電所で事件発生だ。電気のベテランさんのリュウトとその二人で事件解決してほしい。健闘を祈る]


リュウト「了解!」


張り切った声を聞き司令官との通信が切れる。切れた途端リュウトは「今日オフなのに〜」と言わんばかりの顔をしながら席を立つ。


リュウト「...二人とも...お仕事でっせ」

シズク 「りょーかい」


シズクもコーヒーをぐいっと飲み干して出撃室へ。リクもそのあとを追う。


出撃室では、悪魔獣の情報と自分たちの情報があり、そこで対策などを練って出撃室する。少し遠いところまで行けるように転送システムが設置されているため、すぐに目的地に到着できる。


リュウト「ハカセっ今どんな状況だい?」


ハカセはここの隊員の武器やメカのデザインを作ったり、討伐に行った隊員の状況通信機器といった大体の機械が彼の手によって作られている。ハカセはリュウトより前に属していて、元々ハヤセという名前だったが、リュウト達がハカセというものだから皆そう呼んでいるらしい。彼も満更でもなさそうだ。


ハカセ 「発電所を中心に電気量がみるみる吸 収されて街にも停電の影響を受けてる。なにかしでかそうとしてるんじゃない?」


リュウト「了解した。転送システムは使えるか?」

ハカセ「無理だねぇ停電してるのもあるし。エアジェットカー使っていった方が早いね。あそこ平原だから。」

リュウト「わかった。よし!いってきまぁ〜す!」

ハカセ「いってら〜」


そう言ってリク達は出撃した。


出撃してから時速200km以上出るタイヤの無いエアジェットカーでも平原から目的地まで10分かかった。


リュウト「あれが入り口か。」


入り口らしき場所にロボット兵が二体立っているのが見える。他の入り口は見当たらなかった。


シズク 「やっぱり何か企んでる悪党ですかね?」

リュウト「かもな。多分あのロボットが破壊されたら侵入がバレると思う。用心して侵入するぞぃ」


「「了解」」


合図と共に入り口前のロボット兵を流れる様に破壊していく。案の定、サイレンが流れてくる。三人は一気に駆け抜けた。彼らはもちろん素手で侵入したわけではない。一人一人能力を持っている。人類は、古来からの力を再び目覚めさせることに成功した。

リュウトは電気を司り、その電気を利用した剣で何年も前から悪魔獣を屠り倒してきた。左目の周りが酷い古傷が残っており、瞳孔も小さくなっているのでリクは初めヤバイ人と当たったと思ったが、実際は優しい先輩だった。

シズクは水を使うが主に鎖を使っている。彼女の水の能力は水から水への移動ができ、それを利用し鎖で縛りあげるようにリュウトのトドメのサポートをしている。

そしてリクは炎、熱を扱い体術で相手を翻弄する。リクは人間と獣人のハーフなのだが、リクはそれを信じていないのである。なぜなら、獣人にはその動物の特徴がある。例えば、猫の獣人には、猫耳と尻尾といった特徴があるのだ。それにくらべリクにはその特徴が一つもないため、それを信じていないのだ。

発電所を探索してしばらく、リュウトの止まれの合図が来た。


リュウト「止まれ、今度は人だ。」


なにやら今までロボット兵を相手にしていたのでリュウトにはすぐに人の気配に気づくことができた。相手も自分に気づいたのか、リク達の近くに寄る。白衣を着た女性だ、しかも怪我をしている。


??「あら...ごきげんよう...侵入者さん...電力が原因で来たのかしら...その元凶はこの奥よ...」

リュウト「やけに親切だな。罠とかなんてないよな?」

??「私の名はカナ...奴に兵器実験だとかいって私をサンドバッグにしかけたから...逃げてきたの...というか裏切るつもり」

リュウト「じゃあなんの兵器かもいってくれるか?」

カナ「...人間がたどり着けなかった...「風」の力を使った兵器...しかもその源が...風狼族の子なの...」


風狼族。強力な風の力を持つ獣人の族である。今は森の中で密かに暮らしているらしいが。


リク「もしかしてその子も協力者?」

カナ「いいえ...アイツが外で捕まえてきたらしいわ...あの子の力を無理やり使ってるの...急いだ方がいいわ...このままじゃ力を使い果たして死んじゃうかもね...」

リュウト「わかった。あんたはどうする?」

カナ「私は...逃げるから...じゃあ」


カナはそう言ってフラフラと外へ向かっていった。

そうこうしているうちに元凶の元へたどり着いた。風狼族の子はガラス張りの奥で機械に拘束されてグッタリとしている。


??「なんだ貴様らぁ」

リュウト「悪魔獣討伐隊だか区域の原因を突き止めにきた。そしてその子を解放してもらおうか、たとえあんたの性癖だとしても女の子にそんなハードなのはいけないと思いまーす。」


リュウトはこの場で話すかというような感じの説得をする。


??「確かに私の性癖であるな、だが私の快感と計画を邪魔するものはこのガリオが許さん」

リュウト「意外とノリがいいのね!」

ガリオ「はぁっ!!!」


間髪入れずにガリオは攻撃を仕掛けてきた。

その攻撃は風の刃となりリュウトの頬をかすめる。


リュウト「なるほど、だいぶ切れ味がいいな。俺の剣と...どちらが上かな!」

シズク「援護します!」


リュウトはすかさずガリオの前まで行き、剣を振る。

ガリオも腕に風の剣がまといリュウトの剣を受け止める。

ガキィン! キィイン!と剣と剣がぶつかり合う。

その時リクの脳に少女の声が聞こえる。


少女(...けて...だれか...助けて...苦...しい。)

リク「...!」


リクはその声が風狼族の子の声だとすぐにわかった。


リク(大丈夫...まってて...今助けるから!)


とそう心の中で話しかけた。しかし少女からの反応はなく未だ助けを求めている。

リクは戦いに夢中の三人の間を通りガラスに拳を叩きつけた。しかしガラスは少し割れたぐらいだった。

ガリオはリクが少女を助けようとしているのを悟り、リクに強い向かい風でガラスから距離を遠ざけさせた。


ガリオ「仕方ない...三人相手してやる。最大出力!!」


ガリオはそう告げると少女を拘束している機械から電気が走り、少女の風のエネルギーをガリオの兵器に吸収していく。


少女「あああああああ!!!!」


少女は、電気で身体がガクガクと痙攣しながら失禁をしている。そして少女は意識を失い、リクから聞こえていた声も途絶えてしまった。


その光景を見たリクは怒りと許せない気持ちが混ざり合う。どんな悪い奴でもたとえ悪魔獣であってもこんなに憎らしい気分にならなかったのは何故だろうと思う。ただ、目の前で少女を苦しめたガリオを倒すと強く思った。


ガリオ 「どうやら、やる気になったようだな」

リク「当たり前だ、ぶっ倒してやる。」


シズクはガリオの周囲に水を巻き、鎖で水から水へ転移し縛り上げる。ガリオは身動きが取れなくなっている。


シズク 「リュウトさん!今です!」

リュウト「ナイスゥ!」

ズガァアン!


リュウトはガリオの背後へ回り兵器に剣をはばきまで貫く。刃は前方からでも見えている。


ガリオ「......見事なコンビネーション...だな」

リュウト「まじか?!心臓を確実に刺したとおもったんだがな」

ガリオ「サイボーグでよかったと思えるぞぉ!!」


ガリオはそういうと風の力で三人を壁に押し付ける。リュウトは勢いに負け、剣を兵器に刺さったまま飛ばされてしまった。


ガリオ「ふぅ...危ない危ない...主電源、操作性、共に正常っと...さて、次はどんな攻撃がくるのだ?...それとも兵器の練習台になってくれるのかね?」

リク「お前の...目的は...なんだ。」

ガリオ「簡単だ...この力を使って人も、獣人も、悪魔獣をも超える。そして世界を統べる。私の発明が一番なのだとな...!」


ガリオはリクの前に立ち、風の力の刃を溜めて放とうとしている。


ガリオ「もう何者も恐れないように」


刃を放とうとした瞬間。兵器は完全に停止した。


ガリオ「なにっ!?なぜだ、なぜなんだ!」

リュウト「わりっ俺の剣であんたの兵器の電力とエネルギーを吸っちまってたわ。」


リュウトがそういうとガリオはその武器の存在を初めて知る


リュウト「お前がもっと世界に役立ついい発明しておけばよぉ、一番になれたんじゃないか?そんな人を殺意沸かすようなものより、世界を統べることなんざ考えてねぇでよぉ!

リク!やっちまえ!」

リク「ウオオオオラアアアアア!!!」


リクはガリオに炎の拳を腹に殴り、真っ二つになった。

それでもガリオは意識を保っていた。


ガリオ「俺は...間違ってたようだな。だが私はそれが一番の方法だと思っている!そのためなら自分の体だろうとほかの奴らだろうと犠牲にしてやる!私の計画を滅茶苦茶した貴様らも!...全部...全部台無しだぁ!!!!」

カチッ!

[まもなく3分後に自爆します。速やかにこの場を離れてください。]

ガリオ「もう何もかもおしまいにしてやる...。お前らも道連れだ。」


リュウト「二人とも早く逃げるぞ!」

リク「でもあの娘が!」

シズク「私が鎖の先に鉄球を作りますっ!これを使ってください!」


リクは少女を怪我させないようにガラスに鉄球を投げつける。

ガシャーン!見事に割れ、リクは少女を抱えて走った、発電所から脱出することに成功した。

発電所は爆発で跡形もなくなった。きっとあのガリオも助からないだろう。


こうして事件は解決した。そして風狼族の少女の謎が新たに始まろうとしていた。


つづく。







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