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生き残る術


「最近罠に掛かる獲物がいないから新鮮な肉が手に入らないね」


「オイ! 皆! 車が来るぞ用意しろ」


1台のワゴン車が田舎道を走っている。


車には3人の男女が乗っており、荷台やキャリアには食料やガソリンなどがぎっしりと詰め込まれていた。


高い塀に囲まれた大きな家の前を通りすぎた車が急ブレーキをかけ、バックで家の閉じられた門の前に戻って来る。


門には文字が書かれたボードがぶら下げられていた。


「私の不注意でゾンビに噛まれました。


自分の始末は自分でつけましたからお願いです、墓に土を盛りつけてください。


お礼に残っている食料を差し上げます。


だって、どうする?」


助手席の女が読み上げ男達に問いかけた。


後部のスライドドアが開き散弾銃を持った男が降りて来る。


油断なく周りを見渡した男が門に手をかけ押すが開かない。


「オイ! 手を貸せ」


車の中の男女に声をかけ、キャリアに括り付けてある脚立を下ろし始めた。


それを聞き男女は鉈やクロスボウを手にして車から降り脚立を下ろすのを手伝う。


脚立が門の前に立てかけられ鉈を手にした男が上に登り門の向こうの広い庭を見渡す。


「玄関の脇に墓標らしい木が立てられた穴が掘られている」


コケ!


彼を見上げている男女に中の様子を話している男の耳に鶏の鳴き声が聞こえた。


「鶏もいるみたいだぞ」


「久しぶりに肉が食べられるね」


脚立の上の男が門の内側に飛び降り続いて2人も脚立を登る。


男達が門を開ける作業を始め女はクロスボウを構えて墓穴に近寄った。


墓穴を覗いて警告の声を上げる。


「これ、マネキンよ!」


その声が合図になったのか、門を開けようとしていた男達の背に矢が3~4本ずつ刺さり女の胸にも2本の矢が刺さった。


3本の矢を背に受けながらも息があった男が倒れたまま家の方を見る。


クロスボウや洋弓それに散弾銃をそれぞれ手にした15~6人の男女が家の中やその周囲から姿を現す。


彼等は動いている男を見て矢を射り殺した。


最年長の男が他の男達に指示を出す。


「奴等の服を剥ぎ武器を回収しろ。


お前達は車を中に入れろ、ゾンビに気を付けるのだぞ」


続いて10人程の女達に指示を出した。


指示を受けた男達は服を剥ぎ取り散弾銃などの武器を回収し、女達は武器を構えて敷地の外に出て道や周囲の草が生い茂った田圃に警戒の目を向ける。


他の女達が周囲を警戒する中年長の女が車を敷地内に入れた。


門を閉め閂を掛けてから女達は車に積まれていた物資をお喋りしながら倉庫に持って行く。


「久しぶりに獲物が罠に掛かったね」


「罠に掛かる奴がいなくて狩りに行かなくちゃならないと思っていたから助かったわ」


「この近辺の奴等は警戒して私達の身体を餌に接触しようとしても問答無用で攻撃してくるようになったから、狩りもやりずらくなっていたからね」


「今日はお肉が手に入ったから焼肉が食べたいな」


「「「それ賛成」」」




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