HR(ホームルーム)
恐怖のあまり誰も声を発しない教室
だがピエロ先生は話を続けた
「皆さん、顔の血の気が無くなってますね。まあ無理もありません。平凡な生活を送ってきた皆さんにとってこれはあまりにも刺激が強いのでしょう」
先生は青山の父親の内臓をほとんど食べ終えるとフラフラと歩きながら話を続ける
「先生はもう満腹ですね。良ければ誰かいります?」
誰も答え無かった
「うっ」
異常なまでの吐き気がした
「そうだ、皆さん。怪談の前に学校気分を味わう為に皆さんの自己紹介はしてみてはどうですか?まずは出席番号順に青山仁君からどうぞ。」
青山はただぼんやりと自身の父親の亡骸を見ているだけで心ここにあらずだった
「返事がありませんね、仕方ありませんね、じゃあ先生が紹介しましょうか、彼は青山仁君、皆さんも知っての通りお父さんが議員です。まあ、もう死にましたが。」
そして先生は順番に生徒に手を差し伸べて名前を言っていっていった
「次に来生練君と来生鈴さん、お二人は双子ですね。」
凄いシンクロで双子は頷いていた
「それから千堂雫さん、君は由緒正しい陰陽師の末裔だそうですね。今回千堂雫さんには期待してますよ?」
(あの綺麗な人、雫さんっていうのか、陰陽師って本当にいたんだ)
「田村幸治君、君は中学時代常に学級委員長だった根っからのリーダー気質だそうですね。君にはこの壱組の学級委員長をお願いします。」
「はい、分かりました」
田村はとても堂々としていた
「次は猫田愛さん、女子高生アイドルだそうですね。このクラスに有名人が居てくれて観客の皆様もこれはお喜びになるでしょう。」
「…はい…」
さっきの惨劇を目の当たりにしてか涙目にすすり泣きで答えていた
(確かにかわいい、金髪ツインテールで猫耳をつけてとても目立っている)
「七人目は蓮池洸君ですね。特に目立ったところが無い普通の生徒ですね。」
(確かに僕に取り柄なんて無いけど普通って…)
「でも、先生は何故か君には期待してますよ?なんだか君を中心に物語が起こりそうな気がするので。」
そうピエロ先生は嬉しそうに言った
「そこで嘔吐したあげく失神している生徒が元木英君、気の弱いところがありますね。是非ともこの学校生活を通して強くなって貰いたいものです。」
「もう一人、失神してる眼鏡を掛けているのが吉田太郎君。とても頭がいい生徒で去年全国統一中学生模試で一位を取った将来が有望な生徒ですね。」
「最後は林道朱莉さん。とても静な子である意味暗い生徒だそうです。」
しかし、そんな林道に対して先生は少し弾んだ声でこう続けた
「でも、そんな彼女にも君たちには想像もつかない秘密があるそうです。教えませんけどね。」
ピエロ先生は淡々とクラス全員の説明を終えた
「先生の話ばかりでつまらないでしょうがもう少し我慢して下さいね。今からこの学校における怪談の説明をします。」
「皆さんには一年を通してこの学校における漆不思議を解決してもらいます。」
ピエロ先生から僕達はその怪談の大体の説明を受けた
僕らはこの学校の生徒としてあらゆる授業をピエロ先生の元で受けさせて貰えるそうだ
そして放課後の時間を使い一ヶ月に一つ漆不思議を一つ解決する
その方法はピエロ先生が用意してくれる武器でその不思議の主を…
「主を殺すか、皆さんの中で誰か贄になってくれれば解決とします。」
…だそうだ
つまり解決出来なくてもこのクラスメイトの誰かが一人死ねばそれで解決としてくれるらしい
その解決したら現場に居合わせ無くてもチャイムで知らせてくれるとピエロ先生は言った
それとどうして僕達のクラスが十人しかいないかというと十人一組ぐらいでやらないとどうやら観客から見えずらいらしい
そしてクラスは参組まであり僕達と同じ境遇の生徒が後二十人居る
因みに学校からはどうやっても出る事が出来ないみたいだ
学校における生活の費用は観客がスポンサーとなって賄われているみたいである
以上がこの学校における説明だ
(しかし、どうしたんだろう)
僕は内心、自身が思っているよりこの状況でも冷静だった
「では、皆さん今日は各々武器を選んで放課後の活動に取り組んで下さい。解散です。」
そう言って先生は黒板にチョークで何かを書いて立ち去った
そこには「理科室」とだけ書いてあった
こうして僕らの最初の放課後が始まった