27 『エルフのための偽装神格』
「実にお姉ちゃんらしい戦い方だったね」
「僕はいつまでお姉ちゃんなんだ」
ダークエルフを撃退し神殿に戻った僕はまだ魔女っ娘のままだった。
「じゃあ解除するかい? 偽装神格解除って言えば元に戻るよ」
「偽装神格、解除!」
元の制服姿に戻る僕。
良かった、服はちゃんと戻るんだな。
「女の子の体はどうだった?」
「どうって、カノンは興味あるのか? 意外とエロいな」
「え~、ごく自然な疑問なんだけどなぁ」
「そんなことよりさ、そもそもこの偽装神格って何なんだ?」
「それはカノン様の神格をコピーしたものです」
ドクターが答える。
「神格のコピーか。それを戦闘に使える武装として加工したわけか」
「はいです。しかしコピーとはいえその力は偽物。本物には劣るです。だからエルフの力を使うことで戦闘力をアップさせてるです」
それでエルフを武器にしたり出来るわけだ。
「基本的には耐久力の無さを、数で補う戦法が主体となるんだな。でもエルフ達への負荷はどうなんだ?」
「それは気にしないでいいです。エルフ製の武器がすぐに効力を失うのはダメージを受け過ぎないようにする保険なのです。それにダメージはエルフ全体で若干分散共有してるのです」
周りにいるエルフも言う。
「シオンのためなら我々頑張るです~」
「また篭絡して欲しいです~」
何とも可愛いやつらだ。
そのセリフだけ聞くと特殊性癖の変なやつだけどな。
「聞きたいことはそれくらいかな、お兄ちゃん。他にも何かあればドクターに聞くといいよ」
「もう一つある。最も重要なことがな」
「なんだい?」
これだけは聞いておかないといけない。
改善の余地があるのかどうか、確かめないと。
「なあカノン。偽装神格が戦いに必要なのは理解できるよ。でも、魔女っ娘じゃなきゃダメなのか?」
「嫌いなの?」
「嫌いというか恥ずかしい」
「僕は可愛いお兄ちゃん、もといお姉ちゃんを見るの楽しいよ? お兄ちゃんも姉ちゃんもいるみたいでお得だし。お兄ちゃんだって女の子の体も堪能出来て嬉しいでしょ? 変身後にちょっと胸とかお尻とか触っちゃっても自分だからお咎めないし。何だったらもっとすごいことしちゃっても……」
「ストップストップ! そ・こ・ま・でっ!」
何言ってんだこのブラザー。
「ちょっと楽しくなっちゃった、えへへ。でも、通販で買った魔女っ娘アニメの映像を参考に、一生懸命デザインしたんだよ。気に入ってくれると嬉しいなぁ」
「つまり譲る気はないんだな」
「もちろん!」
はぁ。
困った弟だ。
「あの格好、クノはどう思う?」
クノなら客観的な意見を述べてくれそうだと思い、僕は聞いてみた。
「可愛い石動シオンか? いいんじゃないか」
あまり興味が無さそうな返答だった。
「そう?」
「可愛い石動シオンと神のカップリングはノーマルでつまらないからな。……でも、そうか。可愛い状態の石動シオンとなら、私と一緒に百合百合イチャイチャしたりできるのか」
え?
しないよ。
何言ってんだこの隠密変態ダークエルフ。
「ぐへへ、それはなかなか良いな。石動シオン、私はその衣装デザインに賛成だ」
「ああ、そう。なんか聞く相手間違えてたよ」
結局なんだ。
僕はあの姿で戦うしかないんだな。




