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震えるエルフと復讐を  作者: 焼魚あまね
エルフの国編
13/41

13 『エルフの行方』

 ダークエルフに神の元へ案内してもらう約束をとりつけた僕。

 案内役は引き続きクノがやってくれるようだ。


「ありがとう、クノ」

「なに、プリメーラ様からの命令だ。それにお前なら……」

「ん?」

「いや、何でもない。さあ、エルフ共を拾って出発するぞ」

「ああ。それにしてもエルフ達はどこに行ったんだ」


 プリメーラの屋敷を出て周りを見渡すも、エルフは見当たらない。

 それに妙に静かだ。


「おかしいぞ、石動シオン。仲間の気配もない」

「ダークエルフも?」


 エルフとダークエルフの間には休戦協定及び友好関係が築かれたはずだ。

 しかし、僕の脳裏には不安がよぎる。


「石動シオン、あれを見ろ」


 クノが少し離れた小屋を指さす。


「あれがどうしたんだ?」

「あの小屋の扉が開いている。どうしてだ?」


 クノは動揺しているようだった。


「あそこは何なんだ?」

「あそこはな……地下牢だ」


 それを聞いて悪い予感しかしなかった。

 開いているはずのない地下牢への扉。

 姿を眩ませたエルフとダークエルフ。

 これはつまり……。

 僕はいてもたってもいられず、全力でその地下牢へと向かった。


「待って、私も行く!」


 扉の先は地下への階段が続いていた。

 じめじめして気味が悪い。

 暗いその階段を降りていくと、開けたところにつながっていて、そこに目的の存在はいた。


 およそ二十名のダークエルフ。

 彼らは山のように積み重なった何かを囲い、立っていた。

 僕はその正体を確認するため、クノと一緒に階段を降りて近づく。

 そしてその正体がはっきりする。


「どうして!?」


 そう、それは横たわっていた。

 そう、それは重なっていた。

 動かない、動かない。


 そう、それは死んでいた。

 突き刺され、痛めつけられ。

 そう、彼らはみんな殺したんだ。


 震えるエルフの震えが止まる。

 代わりに震えだしたのは、僕だった。


「あなた達、一体何をしているの? そんな命令は受けていないはずよ!」

「あらクノちゃん。そうね、あなたは受けていない。でも私達はプリメーラ様から命令を受けた。エルフを殲滅しなさいと」


 どういうことなんだ。

 プリメーラにはめられたということなのか。

 そもそも、ここへ来るよう指示したのは神だ。

 ならば神の仕業か?


 それを判断する材料はない。

 ただ、これだけは分かる。


 かなりヤバイ状況だと。

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