13 『エルフの行方』
ダークエルフに神の元へ案内してもらう約束をとりつけた僕。
案内役は引き続きクノがやってくれるようだ。
「ありがとう、クノ」
「なに、プリメーラ様からの命令だ。それにお前なら……」
「ん?」
「いや、何でもない。さあ、エルフ共を拾って出発するぞ」
「ああ。それにしてもエルフ達はどこに行ったんだ」
プリメーラの屋敷を出て周りを見渡すも、エルフは見当たらない。
それに妙に静かだ。
「おかしいぞ、石動シオン。仲間の気配もない」
「ダークエルフも?」
エルフとダークエルフの間には休戦協定及び友好関係が築かれたはずだ。
しかし、僕の脳裏には不安がよぎる。
「石動シオン、あれを見ろ」
クノが少し離れた小屋を指さす。
「あれがどうしたんだ?」
「あの小屋の扉が開いている。どうしてだ?」
クノは動揺しているようだった。
「あそこは何なんだ?」
「あそこはな……地下牢だ」
それを聞いて悪い予感しかしなかった。
開いているはずのない地下牢への扉。
姿を眩ませたエルフとダークエルフ。
これはつまり……。
僕はいてもたってもいられず、全力でその地下牢へと向かった。
「待って、私も行く!」
扉の先は地下への階段が続いていた。
じめじめして気味が悪い。
暗いその階段を降りていくと、開けたところにつながっていて、そこに目的の存在はいた。
およそ二十名のダークエルフ。
彼らは山のように積み重なった何かを囲い、立っていた。
僕はその正体を確認するため、クノと一緒に階段を降りて近づく。
そしてその正体がはっきりする。
「どうして!?」
そう、それは横たわっていた。
そう、それは重なっていた。
動かない、動かない。
そう、それは死んでいた。
突き刺され、痛めつけられ。
そう、彼らはみんな殺したんだ。
震えるエルフの震えが止まる。
代わりに震えだしたのは、僕だった。
「あなた達、一体何をしているの? そんな命令は受けていないはずよ!」
「あらクノちゃん。そうね、あなたは受けていない。でも私達はプリメーラ様から命令を受けた。エルフを殲滅しなさいと」
どういうことなんだ。
プリメーラにはめられたということなのか。
そもそも、ここへ来るよう指示したのは神だ。
ならば神の仕業か?
それを判断する材料はない。
ただ、これだけは分かる。
かなりヤバイ状況だと。




