表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
震えるエルフと復讐を  作者: 焼魚あまね
エルフの国編
12/41

12 『エルフを殺す理由』

 なぜエルフを殺すのか。

 その問いにプリメーラが答える。


「あの境界を越えてきたのじゃ。その疑問が出てくるのは当然じゃな」

「エルフはともかく、あなた方ダークエルフは知能も高く聡明なはずです。エルフ達が弱いとはいえ、その行動は疑問視せざるを得ない」

「ではまず、本質的なところから説明しよう。君はエルフを生命体としてどう見る」


 僕はプリメーラの質問の意味がよく分からなかった。

 エルフに対する見方がどうあれ、生命を奪う行為が肯定されることなど無いのだから。


「単純にエルフという種族と認識しています。能力は全盛期より著しく下がっているようですが」

「そう、能力は低い。しかし情報共有の能力を発現させた。それゆえに生命体でありながらも、感情というものが機械的な信号のようになっている」


「それは見ていて思います」

「彼らはね、いわばプログラムなんだよ」

「プログラム?」

「そう。彼らだけじゃない、彼らから一定の割合で生まれてくる我々ダークエルフも例外ではない」


 そういえばそうだった。

 ダークエルフも元はエルフから生じた希少種だ。


「生命としての性質を持ちながらも、その実はプログラムに近いと」

「この国は神が作った。神によって生み出されたプログラムと解釈しても差し支えなかろう?」

「それだとあなた方ダークエルフも、所詮は神の手駒。それでもいいと考えているのですか?」

「良いもなにも、そういうふうになっている以上、我々は我々の役割を演じる他ないのじゃ」


 それは何だか悲しい気がした。

 ということはエルフを殺すことも、神による命令の一つということなのだろうか。


「では君の質問に戻ろう。神のプログラムというのも完璧ではないのじゃ。我々のような高位の存在を生み出すこともあれば、バグを生み出すこともある。我々が射抜いているのはね、そのバグなんだ」

「殺されたエルフがバグ?」


「正常なエルフなら、我々の住処に近づこうとはしない。しかし一定数近づいてくるものがいるのじゃ」

「だから殺すと?」

「不満そうじゃな。エルフと仲が良さそうじゃし、仕方あるまい。処理されたバグは肉体を残し精神情報のみが浄化され再び新たなエルフへと生まれ変わる。意味もなく殺されているわけではないのじゃが」


 生まれ変わる?

 だからエルフは勝手に増えるのか。


「しかし、聞けば聞くほどこの国は神に管理され過ぎているように思いますね」

「事実そうなっておる。しかし、君が来たということは変革の時なのかもしれんな」

「僕にその力があると?」

「確証はない。しかし、神が君を呼んだのは事実。何か意味があるのじゃろう」


 そうだ、召喚儀式ももとはといえば神の仕業だ。

 なぜこんな国を作ったのか。

 なぜ僕を呼んだのか。

 すべては神だけが知っている。


「ありがとうございます、プリメーラ。少しですが、この国のことを知ることができた」

「それは良かったのじゃ」

「最後に一ついいですか」

「なんじゃ?」


「プリメーラはプログラムやバグという言葉を使ったけど、この国にそれは存在しないはず。その言葉は神から教えてもらったものですね」

「いかにも。コンピュータの話は実に興味深いものじゃった」


 つまりそれは、ダークエルフが神と直接話ができることを意味している。

 居場所も知っているはずなんだ。


「お願いします、プリメーラ。僕を神の元まで連れて行ってくれませんか?」


 するとプリメーラは笑顔で即答した。


「もとよりそのつもりじゃ!」


 さあ、神に会いに行くぞ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ